過去最高142兆米ドルの資産を持つ金融機関が気候と自然に関する開示を要請   CDPが新たな開示プラットフォームを発表

日本企業がサステナビリティ情報開示義務化に備える中、より迅速な対応、世界基準との調和、開示の効率化を実現する新しい開示プラットフォームを公開しました

一般社団法人 CDP Worldwide-Japan

- CDPを通じて環境情報開示を要請された企業は過去最高の75,000 社に上ります。

- CDPの新しいコーポレート質問書は、ISSB が発表したIFRS S2「気候関連開示」に準拠しており、森林、水、生物多様性、プラスチックの課題を1つの質問書とデータセットに集約しています。

- CDPの開示に関する新しい分析によると、日本の上場企業の 50%以上が、すでにCDPを通じてIFRS S2に沿ったデータポイントの大部分を報告しており、日本で議論されているISSB基準に整合した規制に対応する準備が整っています。

- 大多数の企業は、CDPを通じた情報開示により、環境への影響を理解し、気候アクションを推進し、野心レベルを高め、リスクを軽減しながら規制要件を満たし、ベストプラクティスを実装できると述べています。¹


2024年6月4日、英国、ロンドン:世界で唯一の独立した環境情報開示システムを有するCDPは、気候と自然に関する質の高い報告を合理化し、その障壁を取り除く新しい開示プラットフォームを本日立ち上げました。    http://www.cdp.net/ 


CDPの新しい開示プラットフォームは、過去最高75,000 社の回答要請を受けた企業、および自治体がアクセスできます。昨年度までより報告の負担を軽減し、より柔軟な情報開示が可能になりました。


世界中で気候変動に関する情報開示の義務化が進む中、CDPは国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)が発表したIFRS S2「気候関連開示」に沿った新しい質問書を立ち上げ、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)や欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)など、他の主要な基準との整合性を高め、1つの質問書とデータセットに集約しました。


このように世界中の開示フレームワークや基準と整合することにより、情報開示者とデータユーザの効率がさらに向上しました。日本は、世界経済の5分の1を占める、IFRS S2 に準じた報告を義務化する予定の国の一つです² 。CDP質問書に回答することで、日本企業はこの基準に整合した情報開示を行うことができます。本日発表されたCDPの新たな分析によると、日本の上場企業の50%以上が、CDPの質問書でIFRS S2に沿ったデータポイントの大部分をすでに報告しており、ほぼすべての開示企業が米国証券取引委員会(SEC)の気候情報開示規則のすべての基準に適合する準備ができていることがわかりました。


気候、森林、水、生物多様性、プラスチックを組み合わせた新しい質問書により、組織は、自社の直接操業、サプライチェーン、財務上の意思決定における環境リスク、影響、および機会をより適切に評価できるようになります。また、CDPは、グローバル・バリュー・チェーンの重要な構成要素であり、広くその能力を評価、活用するために、中小企業(SME)のリソースとニーズに合わせて回答できるコーポレートSME版質問書を発表しました。


¹2023年9月に実施された、CDPの2023年開示後調査における 2,970社の企業からの回答に基づく 

²企業の情報開示基準にISSB基準を採用する意向を表明した国のGDP(世界銀行、2023年7月)に基づく

(Responsible Investor、ISSB Adoption Tracker、2024年5月)


 CDP CEO シェリー・マデーラ:「組織が報告に費やす資金は、行動には費やすことができない資金です。CDPは、今年、これまで以上に企業や自治体のより良いパートナーとなるべく、情報開示の効率性をさらに高めました。環境情報を開示するビジネス上の理由としては、資本へのアクセスの確保、ビジネス効率の向上、増大するコンプライアンス要件への対応などがあります。これらの開示要求は、国内外での中核的なビジネスの成功に影響を与えます。CDPは、エコシステムにおけるCDPの役割を果たすため、ISSB、TNFD、およびその他のグローバルフレームワークとのパートナーシップを重視しています。データの力によって効率的に市場の需要に応え、より迅速な環境アクションを可能にしています。本日発表された新しいプラットフ ォームにより、一度公開されたデータは世界中の多くの投融資家、購買機関が利用できることを保証します。」


 CDPは、オープンな報告サイクルを可能にする技術への投資、気候変動以外の基準との調和、変化を促進するための開示データの有効活用など、進化する市場のニーズを満たすために開示システムをさらに進化させることに尽力しています。ボストン・コンサルティング・グループと提携して開発した CDPの新しいプラットフォームは、その重要な第一歩です。


昨年、世界の時価総額の66%以上を占める企業がCDPを通じて情報を開示しました。CDPがエコ システムにおいて果たす極めて重要な役割を強化するため、CDPは本日、オンラインで世界各地を繋ぐ初のイベント「CDPグローバル・ディスクロージャー・ダイアログ」を開催します。NTT データ、ニッセイアセ ットマネジメント、スタンダードチャータード、クラビン、グリーンファイナンスインスティテュートのCEOのほか、金融庁、ISSB、TNFD、EFRAG、JP モルガン、レノボ、ブルームバーグ、LSEG、シンガポール 金融管理局のリーダーシップチーム、シンガポール政府の世界初の気候行動大使など、著名な方々に講演いただきます。                 http://www.cdp.net/en/events/global-disclosure-dialogue                                 


国際サステナビリティ基準審議会(ISSB) 議長 エマニュエル・ファベール氏:

「CDPは、ISSBの主要なグローバル気候情報開示パートナーです。CDPの新しい2024年質問書が、投資家向けの気候情報開示のベースラインとして、当会の気候関連開示基準であるIFRS S2に合致したことを大変嬉しく思います。CDPは、開示フレームワークの導入推進における成功実績があり、企業のISSB準拠への道をサポートする、確立された信頼できる組織です。我々のパートナーシップは、企業がステークホルダーに関連する情報を開示することを容易にし、IFRS S2の急速で世界的な普及と、投資家が必要とする情報活用の可能性を決定的に加速させます。」


自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD) エグゼクティブディレクター トニー・ゴールドナー氏:

「本日のCDPの新しいコーポレート質問書の発表は、1月に発表されたアーリーアダプターに続き、さらに数千社が TNFD に沿った主要なデータの開示を開始する中、TNFD と企業の報告において新たなエキサイティングなマイルストーンとなります。CDPを通じて世界市場に報告することは、投資家、銀行、保険会社、企業が重要な自然関連の依存、影響、リスク、機会に確実に対応できるようにするために重要です。CDPの気候と自然への統合的アプローチは、森林と水の開示に関する取り組みを通じて確立されており、世界が必要とする総合的な環境アクションを進めるための鍵であり、この共通の目標に 向けて引き続き協力することを望んでいます。」


 シングテル・グループ バイスプレジデント アンドリュー・ブァイ氏:

「CDPの包括的な枠組みは、環境スチュワードシップに対する弊社の長年にわたる取り組みを導いてきました。CDPの厳格なフレームワークにより、当社の脱炭素化アプローチは強化され、今後のIFRS S2の気候関連開示に備えることができました。SBTi に認定された目標を再確認し、2045 年までにネットゼロ目標を到達するため、CDPの支援を期待しています」


シュナイダーエレクトリック サステナビリティ開発担当 シニアバイスプレジデント ザビエル・デノリー氏:

「CDPとのパートナーシップは、測定や情報開示にとどまらず、具体的な取り組みとイノベーションを促進し、すべてのステークホルダーを巻き込む原動力となっています。私たちは他のA リスト企業とともに、情報開示を行動の基盤として、ビジネス界に良い影響を与え、前向きな変化をもたらすことに尽力しています。」


以上


編集者への注記:

[1] CDPは、本リリース時点で入手可能な情報に基づき、75,000 社に開示を要請すると推定しています。


CDP について:

 CDPは、企業や自治体の環境情報開示のための世界的なシステムを運営する非営利団体です。 2000年の設立以来、142兆米ドルを超える資産を持つ700以上の金融機関と協働するCDPは、 資本市場と企業の購買力を活用することで、企業が環境影響を開示し、温室効果ガスを削減し、水資源や森林を保護する取り組みを先導してきました。2023年には、世界の時価総額の 3分の2に相当す る23,000社以上、1,100 を超える自治体を含む24,000を超える組織がCDPの質問書を通じて環境情報を開示しました。CDPは、TCFDに完全に準拠した質問書に基づく、世界最大の環境データベ ースを有し、CDPスコアは、ネットゼロ、持続可能でレジリエントな経済を構築するために、投資や調達の意思決定に広く使用されています。CDPは、科学に基づく目標設定イニシアチブ(SBTi)、We Mean Business 連合、The Investor Agenda(機関投資家の気候変動イニシアチブ)、NZAMI(ネットゼロ・アセットマネージャーズ・イニシアチブ:Net Zero Asset Managers Initiative)の創設メンバーです。 詳しくは、cdp.net にアクセス、もしくは@CDP(X:旧ツイッター)のフォローをお願いします

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会社概要

一般社団法人 CDP Worldwide-Japan

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URL
https://japan.cdp.net/
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
東京都千代田区大手町2-2-1 3階 xLINK大手町
電話番号
-
代表者名
末吉 竹二郎
上場
未上場
資本金
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設立
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