【東條會舘】111年の歴史を誇る写真ラボ施設での体験型展示:写真の中の色鮮やかな動物たちから、人間と自然のこれからを探る
𠮷田多麻希「Brave New World」展開催 2023年9月2日(土)〜10月29日(日)【ご好評につき会期延長!】
𠮷田は近年、フィルム現像作業の失敗をヒントに、日常で使用する洗剤や歯磨き粉などの薬品をフィルム現像時に混ぜるというユニークな手法を用いながら、野生の獣たちを被写体として、人と自然・生物の関係を問い続ける作品を展開しています。
今回の展示では、数多くのポートレート写真を生み出してきた東條會舘写真研究所の暗室と、銀塩写真の制作に不可欠な水を調整していた地下室の2つの空間で、儚くも勇ましい獣たちが、その姿を露にし、語りかけてくるでしょう。
Brave New World
𠮷田多麻希|YOSHIDA Tamaki
【会場】東條會舘写真研究所|〒102-0083 東京都千代田区麹町1-6-12 5階/地下1階
【会期】2023年9月2日(土)-10月29日(日)
【時間】13:00‒19:00
【開館】土・日・祝日
【閉館】月・火
※入場無料
※ 水・木・金曜日は予約制(事前予約は前日の17:00までにご連絡ください。ご希望に添えない場合もございます。土・日・祝日には予約は必要ありません。)
<問い合わせ先>instgram https://www.instagram.com/tojo_kaikan_photo_lab/
野生の獣たちを被写体として、人と自然・生物の関係を問い続けてきた𠮷田多麻希。創業から100余年、人のあり 姿をポートレートに納めてきた東條會舘。この二者が出会い、写真展「Brave New World」を開催します。今現在もラボとしてフィルムから写真を作り出している東條會舘写真研究所を舞台に、儚くも、勇ましい獣たちが、その姿を露にし、語りかけてきます。
外界と遮断された研究所の暗室から始まる体験は、人が思う理想の自然像を閉じ込めようとした「写真のプロセス」と、「被写体として捉えられた獣たち」とが織りなす共演の世界。そして続く、嘗て銀塩写真の制作に不可欠な水を調整していた地下室では、反転して獣たちが、理想の画から抜け出し、ありのままの混沌とした姿で、華やかに描き出されます。人が自然を脅かすように、獣たちを映し出すフィルムは、生活排水により侵食されながらも、獣たちの内側に眠る勇ましさ、狡猾さ、そして𠮷田が生き物に向ける愛おしさを、より一層浮き彫にしていきます。
高度な文明を築いたはずの人類が、粗野の自然に目を向ける時、そこには何も持たずとも、種として生き続ける獣たちの姿を見ることができます。 人が自然を破壊し続ける中でも、彼らは力強く、生き続けています。自然を破壊、侵食していく人の営みと、それさえも包含する大きな自然・生物の営みは、これからどのような物語を描くのでしょうか。
【アーティストステイトメント】
ここに写る生き物はさまざまな環境に適応しながら、したたかに命を紡ぎ人間の生活を脅かす、日本では「害獣」 として扱われる生き物である。 これらの生き物や植物は強い。 人が生活できなくなった原発事故の立入禁止 区域が野生生物の楽 園と化している様 に、一個体の命は短くなったとしても、その環境にしっかりと根付き・生き 繁栄している。 人は生きやすく繁栄できる理想を追い求め、あらゆる手段やルールを生みだしてゆくが、その行き着く先この地球 上で強く生きているのは、十分に高度な化学や技術を発達させた私たち人類では無く、もしかしたらここに写る 何も持たない強き生き物なのかもしれない。
ある日、フィルム現像に失敗した私は落胆と共に大きな衝撃を受けた。ネガフィルムに大きくできた現像ムラが、その ネガに写る野生の鹿を侵食する脅威に見えたからだ。それはまさしく、わたしたちが自然に対して行なっている行為 そのものだった。 大きな環境破壊のニュースの影で、実は生活排水の水質汚濁への影響はとても大きい。日々意識せずに排出される化学薬品が自然界に与える影響を想像した私は、野生生物を撮影したネガフィルムを、私が日常使用する洗剤、化粧品、歯磨き粉など を混ぜて現像した。 結果、崩れながらも鮮やかに発色する世界と、強く生きる生き物の姿を見つけた。
【アーティストプロフィール】
𠮷田多麻希|YOSHIDA Tamaki
神戸市生まれ。現在、東京を拠点に活動。 幼少期の影響で生き物好きに育ったこともあり、日々移り行く世の中や、流行りと共に忘れられる自然や生き物の 姿を気にかけるようになる。
身近な生物や自然の持つエネルギーを、サーモグラフィーカメラを使用して可視化させる作品〈Sympathetic Resonance〉を2018年に制作し、同作品で2019年「キヤノン写真新世紀」優秀賞を受賞。
〈Negative Ecology〉で「KG+ SELECT 2021」グランプリを受賞。同作で、KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2022「10/10 現代日本女性写真家たちの祝祭」展に参加し、この展示が第47回木村伊兵衛写真賞にノミネートされた。 現在は、北海道で起きているヒグマと人間の接触事故を元に、生き物を通して人の営みを考える新作に着手している。
【東條會舘について】
株式会社東條會舘は、創業者東條卯作の「幸せを念じて写す」という理念を元に、111年前、麹町に写真スタジオ を開業しました。 現在も創業の地で、写真スタジオTojo Photo Studio、ビューティーサロンMaison、レストラン ARGOを運営し、お客様の人生の節目のお祝いを総合的に演出しています。 今回の展示会場となる「東條會舘写真研究所」は、創業当時のモノクロ時代の背景を、今も色濃く残す建物となっ ています。当時は、その名の通り、各階にラボ/研究所が設けられ、感材や印画紙の研究をはじめ、数多くの写真 の現像・プリント・修正作業が、手作業で行われていました。 時は移ろい、デジタル写真が中心となった今日でも、先人たちが残した技術と想いを伝え続けようと、光の粒子を形に残す銀塩写真での撮影をはじめ、ラボ・ギャラリー・ワークショップなどの運営にも力を注いでいます。
【Tojo Photo Studio】
東條會舘の創業当初から続く写真スタジオ。創業者、東條卯作が常々口にしていた「お客様の幸せな瞬間の唯一の目撃者である」ということを肝に命じ撮影してきた肖像写真は、皇室や政財界でも多くの方にご愛顧いただいてまいりました。人生の様々な記念日をかけがえのない思い出として残せるよう、レンタル衣装、ヘア、メイク、写真撮影までお一人お一人に丁寧にご提案しています。マタニティ、お宮参り、七五三、お受験、成人式、ご結婚等、世代と時を超えてご利用いただけます。また、現在では貴重となった8×10の大型フィルムカメラでの撮影も承っております。
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