フローディア、TSMC 130BCD plusプロセスでのフラッシュIPコアの品質認定を完了
200℃で10年間データを保持できる世界最高水準の品質レベルを確認 ~TSMCでの量産に向けチップベンダーとの交渉を本格化へ~
組込みフラッシュメモリのIPコア(eFlash IP)を開発する株式会社フローディア(本社:東京都小平市、代表取締役社長:奥山幸祐、以下「フローディア」)は、世界最大の半導体ファウンドリであるTSMCの130BCD Plusプロセスにおいて、自社のeFlash IPである「G1」の品質認定を完了しました。認定試験においては10,000回のプログラムおよび消去動作後に125℃で10年間データを保持できる品質基準に合格しました。さらに高い200℃においても同様の試験を行い、10年間データを保持できる世界最高水準の品質レベルであることも確認しました。
今回G1の品質認定を完了したBCDプロセスは、一つのチップにバイポーラ、CMOS、DMOSの3種類の回路を集積できるプロセス技術です。高電圧、大電流を扱うパワーマネジメントICとMCU(マイクロコントローラ)を1つのチップに統合した「スマートパワーマネジメントIC」の実現に不可欠であることからBCDプロセス技術はにわかに注目を集めています。同時に、MCUで動作するプログラムや各種パラメータなどを格納するために、BCDプロセス向けの不揮発性メモリ(電源を切ってもデータを保持するメモリ)の需要が高まっています。
BCDプロセス向けの不揮発性メモリとしては、追加のプロセスステップがほとんど必要ないことから、「ホットエレクトロン注入型フローティングゲート方式」のeFlash IPが本命とみなされてきました。ところが同方式のeFlash IPには、ストレス起因漏れ電流(SILC: Stress Induced Leakage Current)によって引き起こされるデータ保持信頼性の低下という課題がありました。データの誤読出し不良は、大きな品質事故につながる可能性があります。こうした課題の解消を目的に通常は、回路設計による回避策が採られますが、チップサイズが大きくなることからコスト増を招きます。
フローディアのG1は、プログラムおよび消去動作にFowler-Nordheim(FN)トンネリングを使用するSONOS型のメモリセルを採用しているのが特徴です。このため、1)書き換え時の消費電力が低い、2)IPサイズが小さい、3)SILC現象が発生しないため高いデータ保持性能が得られる、4)必要な追加マスクが枚で済む、5)テスト時間とベーク時間が短い、といった利点があります。また、SONOS構造を形成する際に熱履歴への影響が極めて少ないため、ファウンドリのBCDプロセスに固有の既存デバイス特性に影響を与えないという特徴があります。このため回路設計には、ファウンドリが提供するPDK(Process Design Kit)やそれに含まれるSPICE モデル(トランジスタや受動素子の動作を記述したモデル)をそのまま使えます。この結果、顧客であるチップベンダーは、既存のすべてのIP資産を再利用しながらG1を追加できるため、製品開発にかかる時間を短縮できます。
今回のTSMC 130BCD PlusプロセスでのG1の品質認定完了、フローディアは。G1はワイヤレスチャージャーIC、USB電力供給IC、モータードライバーIC、プログラマブルミックスシグナルICなどに適しています。自動車電子制御ユニットのアプリケーションの中にはG1を採用し、これまで複数のディスクリート部品を使って構成していた回路を1チップに統合することで、プリント配線基板のサイズを 60% 削減し、重量を80%削減できた例もあります。
「弊社のG1は、2011年の会社設立直後に複数のスマートフォン向けICに初めて採用されました。それ以来、G1の採用は複数のファウンドリやIDM、消費者向けチップから車載チップにまで拡大しています」 とフローディア 社長の奥山は述べています。「TSMC 130BCD PlusプロセスでのG1の認定により、G1が長い間期待されてきたスマートパワーマネジメントICの統合を促進することを嬉しく思います」。
本プレスリリースに関する問い合わせ先: https://floadia.com/jp/#contact
【 株式会社フローディアについて 】
日立製作所やルネサステクノロジ(現ルネサスエレクトロニクス)で、組込み型不揮発性メモリを20年以上にわたり開発していた経験豊富なエンジニア達が独立して2011年に設立しました。マイコン、パワー半導体、センサー等に使われる、組込み型の不揮発性(電源を切っても記憶内容を維持する)メモリ製造に必要な工程や回路設計を、知的財産(IP)として半導体メーカーにライセンス提供する事業を展開しています。当社の不揮発性メモリ技術は、競合他社のメモリ技術に比べて、データの書込み・消去時の消費電力が100万分の1と極めて低い上、耐熱性に優れ、チップへの集積に必要な追加コストを1/3程度にまで低減できるといった特徴があります。こうした特徴からすでに国内半導体メーカーの車載用マイコンに搭載されている他、台湾のファウンドリにも採用され、このファウンドリが製造するスマートフォン用部品の組込メモリとして利用されています。
以上
BCDプロセス向けの不揮発性メモリとしては、追加のプロセスステップがほとんど必要ないことから、「ホットエレクトロン注入型フローティングゲート方式」のeFlash IPが本命とみなされてきました。ところが同方式のeFlash IPには、ストレス起因漏れ電流(SILC: Stress Induced Leakage Current)によって引き起こされるデータ保持信頼性の低下という課題がありました。データの誤読出し不良は、大きな品質事故につながる可能性があります。こうした課題の解消を目的に通常は、回路設計による回避策が採られますが、チップサイズが大きくなることからコスト増を招きます。
フローディアのG1は、プログラムおよび消去動作にFowler-Nordheim(FN)トンネリングを使用するSONOS型のメモリセルを採用しているのが特徴です。このため、1)書き換え時の消費電力が低い、2)IPサイズが小さい、3)SILC現象が発生しないため高いデータ保持性能が得られる、4)必要な追加マスクが枚で済む、5)テスト時間とベーク時間が短い、といった利点があります。また、SONOS構造を形成する際に熱履歴への影響が極めて少ないため、ファウンドリのBCDプロセスに固有の既存デバイス特性に影響を与えないという特徴があります。このため回路設計には、ファウンドリが提供するPDK(Process Design Kit)やそれに含まれるSPICE モデル(トランジスタや受動素子の動作を記述したモデル)をそのまま使えます。この結果、顧客であるチップベンダーは、既存のすべてのIP資産を再利用しながらG1を追加できるため、製品開発にかかる時間を短縮できます。
今回のTSMC 130BCD PlusプロセスでのG1の品質認定完了、フローディアは。G1はワイヤレスチャージャーIC、USB電力供給IC、モータードライバーIC、プログラマブルミックスシグナルICなどに適しています。自動車電子制御ユニットのアプリケーションの中にはG1を採用し、これまで複数のディスクリート部品を使って構成していた回路を1チップに統合することで、プリント配線基板のサイズを 60% 削減し、重量を80%削減できた例もあります。
「弊社のG1は、2011年の会社設立直後に複数のスマートフォン向けICに初めて採用されました。それ以来、G1の採用は複数のファウンドリやIDM、消費者向けチップから車載チップにまで拡大しています」 とフローディア 社長の奥山は述べています。「TSMC 130BCD PlusプロセスでのG1の認定により、G1が長い間期待されてきたスマートパワーマネジメントICの統合を促進することを嬉しく思います」。
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【 株式会社フローディアについて 】
日立製作所やルネサステクノロジ(現ルネサスエレクトロニクス)で、組込み型不揮発性メモリを20年以上にわたり開発していた経験豊富なエンジニア達が独立して2011年に設立しました。マイコン、パワー半導体、センサー等に使われる、組込み型の不揮発性(電源を切っても記憶内容を維持する)メモリ製造に必要な工程や回路設計を、知的財産(IP)として半導体メーカーにライセンス提供する事業を展開しています。当社の不揮発性メモリ技術は、競合他社のメモリ技術に比べて、データの書込み・消去時の消費電力が100万分の1と極めて低い上、耐熱性に優れ、チップへの集積に必要な追加コストを1/3程度にまで低減できるといった特徴があります。こうした特徴からすでに国内半導体メーカーの車載用マイコンに搭載されている他、台湾のファウンドリにも採用され、このファウンドリが製造するスマートフォン用部品の組込メモリとして利用されています。
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