ダイダン独自技術「エアバリアCPF」を採用した施設が製造業許可を取得
再生医療の加工施設に新しい発想 ダイダン独自技術「エアバリアCPF®」を採用した施設「セラボ殿町」が『再生医療等製品製造業許可』を取得
ダイダン独自技術「エアバリアCPF®」を採用した施設「セラボ殿町」が
『再生医療等製品製造業許可』を取得
〜独自の気流制御技術で細胞培養加工施設(CPF)などの運用管理を容易に〜
ダイダンの100%子会社であるセラボヘルスケアサービス株式会社※1(以下、セラボHS)が、細胞培養加工施設「セラボ殿町(以下、当施設)」において、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」 第23条の22第1項の規定による『再生医療等製品製造業許可』を厚生労働省より取得したことをお知らせします。当施設は当社の開発製品エアバリアブース®を組み込んだ新技術「エアバリアCPF®」を採用しております。この度の許可取得により、今後は当施設にてセラボHS社による再生医療等製品の製造を予定しております。
【製造所の概要】
製造所の名称 :セラボ殿町
製造所の所在地:神奈川県川崎市川崎区殿町3丁目25番22号
ライフイノベーションセンターR407
許可の区分 :再生医療等製品 一般
許可番号 :第14FZ110006号
1.セラボ殿町について
この度『再生医療等製品製造業許可』を取得した当施設は、当社の開発製品「エアバリアブース®」を組み込んだ新技術「エアバリアCPF®」を採用することで、無菌操作等区域に接する清浄度管理区域(グレードB相当区域)を従来の施設よりも面積を33%削減し、細胞培養等の操作に必要な作業区域をコンパクトに構築することを可能としました。
2.新技術「エアバリアCPF®」について
一般的に、細胞培養加工施設(以下、CPF)などの作業所において無菌操作を行うための高清浄度区域※2では、清浄度グレードが異なる区域と区画するために、室間に“扉”を設けて適切な室圧管理を行う必要があります。本技術「エアバリアCPF®」では、当社独自の気流制御技術を用いることで、室間の扉が無くても“扉を設置した場合と同等”の清浄度グレードを維持管理することを可能にしました。
本技術の核となる“エアバリアブース®(図1)”は、出入口に扉が無い独自の構造(開口部)を持っており、その開口部を通じて清浄度の高い区域(ブース内)から低い区域(ブース外)へ向かって一方向の気流を形成することにより、ブース内の清浄度を維持するという特徴があります。「エアバリアCPF®」は、エアバリアブース®とその機能を高める設備計画(製造時の作業者の動線、原料・資材や製造中の物の動線なども含む)を組み合わせた技術であり、当施設において、一般的な扉を用いた室圧管理と同等の清浄度管理区域の構築を実現いたしました。
奥側の安全キャビネットを設置したエリアから手前に向かって一方向の気流が形成されている様子を示している。
3.新技術「エアバリアCPF®」導入による効果
当施設では「エアバリアCPF®」の導入によって、扉の開閉に必要なスペースの削減に成功し、CPF全体で14%、清浄度管理区域では33%の面積削減を実現しました。また、扉開閉時に生じる周囲環境の気流の乱れや、ドアノブに触れることによる汚染リスクを回避するといった利点もあります。これらの効果により高清浄度区域をコンパクトに管理することが可能となり、運用者の管理負担を軽減することが期待されます。
4.今後の予定
なお今回の再生医療等製品製造業許可は当施設で製造予定の再生医療製品が対象となりますが、当施設は、再生医療分野をはじめとする高度な清浄度が求められる細胞培養などに適した施設として、今後の需要の拡がりが期待されています。
ダイダングループは、今後も当施設での継続的なデータ取得と改善、さらに製造の安全性担保や運用しやすいシステム構築などの知見・ノウハウを活かし、製品や技術の社会実装を通じて再生医療の産業化に寄与してまいります。
※1 再生医療の普及に向けて2020年に設立。再生医療等製品の開発・製造する企業や治療を行う医療施設に向けて、製造環境を構築するためのコンサルティングや開発製品を提供しています。
※2 細胞培養などに求められる高度な清浄度を維持する区域。
<お問い合わせ先>
ダイダン株式会社
イノベーション本部 再生医療推進部
吉田 一也
〒210-0821 神奈川県川崎市川崎区殿町3丁目25番16号
CYBERNICS MEDICAL INNOVATION BASE-A 316
Tel 044-276-5010
Email: PR@daidan.co.jp, yoshidakazuya@daidan.co.jp
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