養蚕の故郷・養父で「昆虫食」からはじまる学生ベンチャーの挑戦
社会課題の解決事業に取り組む近畿大学発ベンチャー・株式会社POI(代表取締役・清水和輝)は一般社団法人観光クロスオーバー協会と共同で兵庫県養父市で『昆虫』に着目した観光プランの実証実験を行っています。
事業の概要
現在、私たちは『昆虫』などの未知の可能性を秘めた素材を活用し、環境負荷の低い革新的な商品やサービスの提供を通じて社会課題解決に取り組んでおり、昆虫食とSDGsを題材にした子どもたち向けの講座や企業向けの講演やイベントの開催を全国各地で実施しています。
全国各地で行っている「昆虫食」を切り口にしてSDGsを啓発する講座はフィールドワークなどと組み合わせ、子どもたちに自然と触れ合う機会を提供しています。
大人向けには資本主義の課題や気候変動、企業向けには最新の昆虫食事情など、ニーズに合わせて展開しています。
また、これまでも、蚕のサナギを活用して銀座の老舗・松崎商店と共同で昆虫を活用したシルク煎餅、日本で4位に輝いたこともある焙煎士・西川隆士さんと開発したコオロギのフレーバーコーヒーなど、こだわりの商品を開発してきました。
蚕の繭に含まれるセリシンは大腸がんにも効果が期待できるとされる研究があり、化粧品にも使われる成分です。
これを生地に練り込んで開発した米粉の冷凍パンは、クラウドファンディングで昆虫食史上最多となる270名もの方に支援をいただきました。
今回、そんな蚕の食品としての可能性を引き出すパートナーとして選んだのは養父の特産品"朝倉山椒”です。
朝倉山椒は、養父市の八鹿町朝倉が発祥の地です。豊臣秀吉が白湯に焦がした山椒を入れて飲み、「風流」と喜んだという記録や徳川家康に献上されたという記録が残っており、高級贈答品として珍重されました。香りが豊かで山椒の辛みが苦手な方でも食べられます。
実際に養父で朝倉山椒のメニューをいただき、インスピレーションがわきました。
将来的には養父でかつて盛んに行われていた養蚕の再興と、それを通じた新たな商品開発やイベントの実施にも取り組んでいきたいと考えています。
「養蚕のふるさと」でもある養父を象徴するお土産として、朝倉山椒と「蚕のさなぎ」を使ったおつまみを開発しました。
「コオロギ」と朝倉山椒の限定品と合わせてリリースしました。
道の駅などへアプローチを行なっており、それに限らずセレクトショップや宿泊施設の売店などを養父市や但馬エリアから取り組んでおります。
新しい地域産品の発掘にお困りの方がいらっしゃればぜひ、お声がけください。
先行して、道の駅ようか但馬蔵で取り扱いを始めました。
事業開始場所:道の駅但馬蔵ようか、養父パートナーズ株式会社 ほか
養父市内の道の駅、宿泊施設の売店、ほか但馬エリアの施設など
事業開始時期:2023年8月より活動実施中
事業の経緯と今後の展望
『昆虫食』で価値観を変える、を掲げ設立してから、昆虫食の普及・啓発のみならず、世の中の課題やニーズにどのように貢献できるかを考えてきました。
そうしたなかで出会ったのが観光クロスオーバー協会の西岡さんと山岡さんです。
ビジネスプランコンテストで選んでいただき、養父市で実証実験をする機会に恵まれ、養父市で何ができるのかを考えてきました。
観光クロスオーバー協会の立ち上げイベントでは、若者クロストークセッションに登壇させていただき、100近い応募の中からコンテストでは養父市での実証実験をさせていただくことになりました。「観光」という分野との初めての展開となります。
養父市は日本初の流通を目的に書かれた養蚕技術書『養蚕秘録』を執筆した上垣守国(うえがきもりくに)が江戸時代に養蚕を興した町です。
実際に養父に足を運び、市長はじめ市役所の皆さんや地域おこし協力隊の皆さんにお会いしました。
広瀬市長からは養父市の抱える課題や養蚕のこと、地方創生のことなど幅広く意見交換を行いました。
活況なインバウンドを背景に、大阪・関西万博に向け、日本を訪れるみなさんにもっと日本の奥深くに眠るよさを伝えるため、取り組んでまいります。
関係者の皆様からのメッセ―ジ
広瀬 栄 養父市長
国はみどりの食料システム戦略により、食料、農林水産業の生産力向上と持続性の両立を図っています。昆虫食は、動物の肉に代わるタンパク源としての大きな可能性を秘めています。養父市は養蚕の神様とされる上垣守国生誕の地です。様々な昆虫がいますが、特にカイコという医療や化粧品の分野でも活用される昆虫が、食という分野でどのような展開を見せるのか楽しみです。
西岡 貴史 観光クロスオーバー協会代表理事・株式会社たびふぁん 代表取締役
2050年には97億人に達するとされる世界人口の増加によって、食糧問題は大きな社会課題でもあります。弊会では、国家戦略特区「養父市」を実証フィールドとしており、清水さんは養父市で盛業だった養蚕とコラボした事業展開を進めております。総合産業である、観光産業の活性化に資する大きな取り組みに期待しております。
山岡 健人 観光クロスオーバー協会理事・株式会社アドリブワークス 代表取締役
世間一般でも「昆虫食」がますます注目されている昨今ですが、今回の清水さんの事業で、地元産品と掛け合わせることによる新たな地域活性化のポテンシャルに気付かされました。また、養父市は元々養蚕が盛んだった地域という奇跡的なマッチングもあり、今後がとても楽しみです。
株式会社POI
株式会社POIは、Products Of Innovation、革新的な商品やサービスにより、社会に大きなインパクトを与えていくことにより、社会への貢献を行っていくことを目指しています。
代表取締役の清水和輝は、高校生の頃に、「昆虫食」に目覚め、「昆Tuberかずき(昆虫食のYouTube)」の名前で、大学在学中に、普及・啓発に取り組んできました。
社会貢献をしっかり事業として成立させ、「昆虫食」に限らず、幅広く社会的意義のある事業を展開し、地球の将来に貢献してまいります。
養父市
養父市は、平成16年(2004年)4月1日、兵庫県養父郡の八鹿町(ようかちょう)、養父町(やぶちょう)、大屋町(おおやちょう)および関宮町(せきのみやちょう)の4町が合併して成立しました。人口は22,129人、世帯数は8,388世帯(令和2年国勢調査)、兵庫県北部の但馬地域の中央に位置し、市内は雄大で美しい自然に囲まれています。
人口減少と高齢化の進展・農業の担い手不足と耕作放棄地の増加といった問題を解決するための環境を整え、地方創生に繋げるため、国家戦略特区に指定され、さまざまな取り組みを行っています。
https://www.city.yabu.hyogo.jp/
所在地:兵庫県養父市八鹿町八鹿1675(市役所(本庁))
養父市長 広瀬 栄
一般社団法人観光クロスオーバー協会
2025年関⻄万博やインバウンドへの期待など、観光は⽇本に残された成⻑産業の1つだと⾔われています。
観光は、古くからの歴史を汲み、現代においても⾼度な専⾨性が必要な⽇本の基幹産業です。しかし、裏返すと若者従事者の減少やDX化の遅れなどもあり「イノベーションの種」が育ちにくいといった課題もあります。
私たちは、業界の垣根を越え、観光に特化した「実証実験の場」を全国各地で次々と⽣み出し、これを実社会にインストールすることでオープンイノベーション創出に資する仕組みを整えます。
名称:⼀般社団法⼈ 観光クロスオーバー協会
代表理事:西岡 貴史
所在地:兵庫県神戸市東灘区向洋町中6-9神戸ファッションマート8N-10
⽬的:観光産業にオープンイノベーションに資する仕掛けをつくる
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