日本CFO協会、管理部門の「コーポレート機能改革」に関する実態調査を発表
経営資源の最適配分を目指した、経営企画、経理、財務、人事、法務部門の横断的連携によるコーポレート機能改革のため、日本CHRO協会、日本CLO協会と連携
取組みの一環として、日本企業の管理部門におけるコーポレート機能改革の実態調査を実施し、2023年9月1日には「次世代コーポレート・エグゼクティブ会議(小田原)」を初開催します。
1.なぜ今コーポレート機能改革が必要なのか
企業は、変化が激しく将来の予測が困難な社会・経済情勢においても持続可能な経営を行うため、従来の経営スタイルや戦略を見直し、新たな価値観や視点をもつことが求められています。また、AIをはじめとしたデジタルテクノロジーの飛躍的な進化により、ビッグデータの収集やデータ分析といったスキルは誰もが実装可能なものとなりつつあり、月次の集計や分析、社員の勤務状況の管理、契約の期限管理のような会計、税務、法務といった仕事も、専門家でなくとも誰もが簡単にある程度できてしまう時代に突入しています。
こうした背景から、管理部門と呼ばれてきた経営企画、経理、財務、人事、法務といった部門が、人材、情報、資金といった経営資源を最適に配分してそのリスクを管理する「コーポレート機能」へといち早く転換できるか否かが、グローバル競争の勝敗を分けると言っても過言ではありません。従来のように担当部門に精通しているだけでは限界があり、縦割りとなっている職能や部門を越えた横断的な連携をもって、管理部門のトランスフォーメーションを早急に実現する必要があります。
2.日本企業のコーポレート部門の実態「コーポレート・マネジメント・サーベイ」
日本CFO協会は、日本CHRO協会、日本CLO協会の協力のもと、経営企画、経理、財務、人事、法務といった管理部門を対象に、コーポレート機能への転換がどの程度認識されているのか、部門間の横断的連携はあるかなど、コーポレート機能改革の実態調査を行いました。
【調査概要】
調査実施:日本CFO協会
調査協力:日本CHRO協会、日本CLO協会
調査対象:日本企業のコーポレート部門の企業人(経営企画、経理、財務、人事、法務部門)
回答者数:535人(有効回答者数)
調査期間:2023年6月12日から2023年6月24日の中間速報
※調査結果はパーセントで表記し、小数点第1位以下は四捨五入
調査結果のハイライト
調査対象の母集団は、日本CFO協会及び姉妹団体に参加する意識の高い企業人であり、一般の日本企業に比べれば取組みが進んでいる企業が多かったと想定されますが、結果として日本企業においてもコーポレート機能改革が着手されているという結果が浮かび上がりました。
1)コーポレート機能への改革は、緒に就いたばかり
コーポレート部門の機能は何かという質問(最大3つを選択)では、「グループ経営を支援する戦略機能」という回答が48%と最も多く、「事業部門を支援するビジネスパートナー機能」が43%、「各種のバックオフィス機能」は40%となりました(図1)。
また、コーポレート部門間での横断的連携についての回答結果は、「経営機能として横断的に連携している」が42%と最も多く、「一部、プロジェクト等でのみ連携している」が26%となりました(図2)。コーポレート機能への改革が緒に就いたばかりだとわかります。
(図1)
(図2)
2)問われる経営企画部門の存在
コーポレート部門をとりまとめ、経営層と繋ぐ役割を担っている経営企画という日本企業特有の部門が、「経営機能として横断的に機能している」との回答が他部門に比べて最も少ない結果(33%)となりました(図3)。横断的に機能していないからこそ経営企画部門の存在があるという認識がある可能性もありますが、コーポレート機能への改革に果たす経営企画部門の役割も今後見直しの余地があるかもしれません。
(図3) 貴社のコーポレート部門の横断的連携(部門別)
3)専門性の高い人材の不足
コーポレート機能における課題では、「専門性の高い人材が不足している」が最も多く、「戦略マインドが不足している」がそれに続き、また「事業経験のない人材が多い」「職能ごとのコミュニケーションが不足している」もかなり目立ちました。
その他の調査結果は、下記詳細もご参照ください。
3.次世代コーポレート・エグゼクティブ会議2023(小田原)
管理部門の横断的連携を進め、コーポレート機能改革を推進することを目的に、管理部門の次世代を担う管理職クラスが、他社のコーポレート幹部と共に切磋琢磨する「次世代コーポレート・エグゼクティブ会議2023(小田原)、(以下、小田原会議)」を2023年9月1日(金)・9月2日(土)に一泊二日の合宿形式で開催します。小田原会議では、先進企業CXOや専門家などの13名で構成するアドバイザーと共に、コーポレート機能という視点で未来の経営について討議を行います。
今回が初開催であり、合宿形式であるにも関わらず、企業の役員、部長クラスの方々も含め経営企画、経理、財務、人事、法務といった様々な部門から約70名の次世代幹部が参加予定です。
詳細は以下
小田原会議参加予定者のプロファイル
一般社団法人 日本CFO協会について
日本CFO協会は、日本企業の経理・財務をはじめとしたグローバルな経営管理手法と倫理の高度化を目的として発足した非営利団体で、IGTA(国際財務協会連盟)、IAFEI(国際財務幹部協会連盟)に加盟が認められたわが国唯一の国際的財務教育機関です。経営・経理・財務分野で活躍するビジネスパーソンのスキル向上とキャリアアップを目的に様々な経営手法や経営技術に関する教育・サービスを提供することで、企業の財務パフォーマンスの向上を支援しています。
設 立:2000年10月12日
理事長:小口 正範 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 理事長
元三菱重工業株式会社 代表取締役副社長執行役員CFO
所在地:東京都千代田区平河町2-7-1
活動内容:資格認定/検定試験/セミナー、フォーラム/出版/研究会・委員会/交流会/国際会議
会員数:7,929人(個人会員1,933人 法人会員238社・5,996人)
一般社団法人 日本CHRO協会について
日本CHRO協会は、日本企業のCHRO(最高人財責任者)の育成・支援と人事・人財部門の国際化・専門性強化を支援する目的として発足した非営利団体で、グローバルな人事管理に関する情報の提供や教育プログラムの提供を行っています(日本CHRO協会は日本CFO協会の姉妹団体です)。
設 立:2018年10月
理事長:中井戸 信英 元株式会社住友商事代表取締役副社長執行役員、
元SCSK株式会社代表取締役会長
所在地:東京都千代田区平河町2-7-1 TEL:03-6825-4415
活動内容:セミナー、フォーラム/研究会・委員会/交流会/調査・研究
会員数:395人(個人会員78人 法人会員43社・317人)
一般社団法人 日本CLO協会について
日本CLO協会は、ビジネスと法務の両面に精通し、戦略法務を推進できるリーダーの育成を目的として発足した非営利団体で、グローバルな戦略法務に関する情報の提供や教育プログラムの提供を行っています(日本CLO協会は日本CFO協会の姉妹団体です)。
設立:2020年4月
理事長:堀 龍兒 早稲田大学名誉教授、TMI総合法律事務所顧問
所在地:東京都千代田区平河町2-7-1 TEL:03-6825-6488
活動内容:セミナー、フォーラム/研究会・委員会/交流会/調査・研究
会員数:140人(個人会員61人 法人会員18社・79人)
(参照)「コーポレート・マネジメント・サーベイ」の調査結果
部門別に「関心の高いテーマ」(上位三つを選択)
コーポレート・マネジメント・サーベイの調査結果は、
8月10日発行の「最高の経営を目指して!」に詳細を解説しています。
「最高の経営を目指して!」
日本CFO協会が姉妹団体日本CHRO協会、日本CLO協会の協力をのもとで発行するコーポレート機能の役割とその重要性についてまとめた記念出版物。
企画:一般社団法人 日本CFO協会
協力:一般社団法人 日本CHRO協会、一般社団法人 日本CLO協会
編著者:コーポレート・エグゼクティブ・フォーラム
発売:2023年8月10日
定価:3,740円
※8月10日より、以下サイトで購入いただけます。
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