Pi-xcelsがシームレスな電子レシート体験を提供し、2024年3月に複数のPAX社端末によるPOCに成功、日本の小売業に変革をもたらす
日本の小売市場を解き明かす
実店舗による小売は依然として日本の小売業界の基盤であるが、コロナ禍の影響もあり、2020年の総売上高は146兆円という驚異的な数字を叩き出した。eコマースの台頭が著しいにもかかわらず、小売はオフラインによるものが優勢を維持しており、国内の小売総売上高の90%以上を占めている。日本全国にはショッピングセンター3,000カ所以上、コンビニエンスストア52,000店舗以上、百貨店240店舗以上あり、経済の要となる強固な小売インフラを誇っている。しかし、このような恵まれた環境の中にも未開拓の可能性が潜んでいる。従来の紙レシートは至るところで使用されているが、環境持続可能性やデータ管理、顧客エンゲージメントの面で課題を抱えている。このような課題に対応するかたちで、先進的なイノベーターたちによって小売店での体験に革命を起こすこと間違いないソリューションが開発された。それが電子レシートである。
日本政府は、経済産業省を通じてオフライン小売データの標準化の重要性を認めている。経済産業省によると、消費者の購買履歴は、企業が消費者の好みや行動を正確に理解し、新製品やサービスを開発・調整するための貴重なデータとなるという。企業にとって買い物レシートや購買履歴データは、消費者が誰か、そして買い物パターンや購入商品に関する情報を把握するための貴重な情報源となるのだ。
しかし、購入履歴データを各企業が独自に管理している現状において、複数店舗にまたがる消費者の買い物動向を総合的に集計・分析するには課題がある。こうした課題に対して、消費者行動をより把握できるようにするための小売データの標準化の重要性を経済産業省は強調している。
東芝テックと実施した共同実験では、参加消費者の90%近くが電子でのレシートの受け取りをより好んでいることが明らかになった。この調査結果は消費者の間で電子レシートに対する需要が高まっていることを示す上で重要なものであり、小売業界全体で電子レシートの導入促進をさらに後押しするものである。
加えて、従来の紙ベースの請求書や領収書の発行プロセスは、日本の小売業者にとって長年の悩みとなっていた。手作業の会計処理や煩雑な事務作業、規制の複雑さが、業務効率やコンプライアンス、顧客エンゲージメントを妨げてきた。DX化が加速する中、日本の小売業者はこうした課題に対処し成長の新たな機会を見出す上でより一層デジタルソリューションに注目している。
電子レシートの台頭: 現代の小売業のニーズに応える
従来の紙レシートに代わる電子レシートは、シームレスかつ効率的、また環境にやさしく、日本の小売業が直面する課題に対して魅力的なソリューションとなっている。レシート発行プロセスをデジタル化することにより、小売業者は業務効率化や顧客体験の向上に加えて消費者行動に関する貴重なデータを得ることができ、また顧客はスマートフォンをタップするだけで取引記録にすぐアクセスできるため、紙レシートが不要となり、環境負荷も軽減される。さらに、経済産業省が示しているように、電子レシートはオフライン小売データの標準化という日本政府のビジョンと合致している。業界をリードする企業との共同実験や取り組みは、日本の小売セクターにおけるデジタル化への機運の高まりを裏付けている。小売業者が電子レシートを導入することで、業務効率を向上するだけでなく、より広範な持続可能性目標や規制遵守の取り組みへもつながるのだ。
電子レシートの需要を支える原動力
日本の小売市場における電子レシートの需要を後押しする要因はいくつかある。
規制の義務化:2023年10月1日現在、PEPPOL(Pan-European Public Procurement Online)標準仕様や電子請求書発行義務化などの規制によって、世界的に請求書発行実務が大きく変わろうとしている。そうした中で日本の小売業者は国際基準や規制要件に準拠する必要に迫られており、基準を満たすデジタル・レシート・ソリューションへの需要は高まっている。
業務の効率化: 手作業による会計処理は多くの労働力を要する上にミスが発生しやすく、膨大な時間を要する。こうした中で電子レシートは、より効率的で自動化された代替手段であり、小売業者にとってレシート発行プロセスの効率化や管理間接費の削減、精度向上につながる。
顧客体験: 消費者の期待値が高いこの時代において、シームレスかつカスタム化された体験を提供することは最重要課題といえる。電子レシートは顧客の利便性を向上させ、取引記録への容易なアクセスや、ポイントプログラムの統合、ターゲットマーケティング施策を可能とする。
環境持続可能性: 環境問題への意識の高まりにより、消費者のエコロジカルフットプリントに対する意識も高まっている。電子レシートは従来の紙レシートから出る紙の廃棄物や二酸化炭素排出量、エネルギー消費量を削減し、持続可能なビジネスプラクティスを求める消費者のニーズにも応えている。
競争優位性: 電子レシートの導入は、規制要件を満たす上に小売業者に市場での競争力向上につながる。データによる知見やカスタム化されたマーケティング戦略、強化された顧客エンゲージメントを活用することで、小売業者は差別化を図り、事業の成長促進が期待できる。
今後の展望:小売業のデジタル化の未来
日本の小売業が複雑なデジタル時代に対応を強いられる中、電子レシートの需要は急拡大することが予想される。デジタル化に上手く対応することで、小売業者は成長や革新、持続可能性の実現に向けた新たな機会を引き出すことが可能となる。日本の小売業者は時代に合ったテクノロジーパートナーと戦略的アプローチにより、デジタル革命の最前線に立ち、日本のみならず世界の小売の未来を再定義することもできるようになるのだ。
Pi-xcelsについて
Pi-xcelsは2019年にダニエル・リムおよび共同創業者のチュア・ジェンロン、タン・イーハオ、エリック・ルーによって設立。電子領収書の発行の効率化と小売業者に価値あるデータを提供することをミッションとして、電子レシートのイノベーションをリードしている。
特許取得済みのNFCベースの技術ソリューションにより、店舗顧客はNFC対応デバイスを介して電子レシートを簡単に受け取ることが可能。アプリのダウンロードや個人の連絡先情報の提供は不要。この双方向レシートは、支払い後即時に携帯電話にワイヤレスかつシームレスに送信される。
Pax社と弊社の協業:
Pax社とのパートナーシップは、2022 年 11 月の最初の打ち合わせから始まった。その後、Pi-xcelsは2023 年 2 月に最初の概念実証 (POC) を完了し、Pax社のPTS POI端末を使用した電子レシートソリューションの有効性を実証した。
この成功に続き、2回目のPOCが2024年3月に完了、Pi-xcelsのサービスとPax社のテクノロジーのシームレスな統合において大きな進歩が見られており、現在まで、Pi-xcelsのソリューションはPax社のモデルA920、A920 Max、およびElys A3700に統合されている。
現在も進められているコラボレーションにより、電子レシートの革新がさらに進むことが期待されている。
Pi-xcelsは日本の小売業界の進化するニーズに対して画期的なソリューションを提供している。同社のデジタルレシート・プラットフォームは、小売業者にとって業務を効率化するだけでなく、消費者行動に関する価値あるデータを得たり、顧客体験を向上させたりすることもできる強力なツールとなる。レシート関連のプロセスをデジタル化することで、小売業者がオフラインで小売データを管理する際に直面する課題を解決のみでなく、標準化と持続可能性を推進する政府の方針に沿うことにもなる。
さらにPi-xcelsの革新的なソリューションはVisa Accelerator Program 2023や2023年グリーンファイナンス外国企業進出支援事業の採択企業に選出されるなど、高い評価を受けている。ピッチコンテストでも優秀な成績を収め、Worldline e-Payments Challenge 2023やMerchant Payments Ecosystem 2023といったイベントで優勝経験もあり。
今月3月12日から15日まで東京ビッグサイトで開催されるリテールテックジャパン2024(https://messe.nikkei.co.jp/ja/rt/)のPi-xcelsブースにお越しいただき、電子レシート取得の手軽さを実際にご体験ください。
詳しくはhttps://www.pi-xcels.com/より、もしくはhttps://www.pi-xcels.com/contact-usからお問い合わせください。Pi-xcelsと共に小売業の未来を切り開きましょう。
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