漁師・木材加工・エンジニアなど異分野のプロによるアート・コレクティブ「風の環 -Echoes of the wind-」が「神戸六甲ミーツ・アート2025 beyond」で作品を公開
《しらす、山に昇る》が公募大賞のグランプリ受賞。3,270匹のしらすの群れが六甲山を昇る

株式会社TSU-GUMY(本社:兵庫県神戸市中央区、CEO:小山ひろみ)は、当社が全面参加するアーティスト・コレクティブ「風の環 -Echoes of the wind-」が制作した作品《しらす、山に昇る》が、「神戸六甲ミーツ・アート2025 beyond公募大賞」のグランプリを受賞したことをお知らせします。応募総数389点の中から選ばれた15組の入選作品のうち、8月21日(木)の最終審査会を経て、グランプリを受賞しました。
「風の環」は、神戸の漁師、六甲山で森のメンテナンスと木材加工に携わるプロ、建築や街づくりを手がける専門家、データサイエンティストなど、異分野のプロフェッショナルが結集したアーティスト・コレクティブです。私たちは本芸術祭で、六甲山から街、そして海へと吹き抜ける「六甲おろし」に着目。六甲山周辺9箇所に設置したセンサーで気象データを収集し、見えない風の可視化を試みます。
体験型アート作品《しらす、山に昇る》は、日中は六甲の風に揺らめき、夜間は六甲山に設置したセンサーと連動したLEDライトにより照らし出されます。本作品は、2025年8月23日(土)から11月30日(日)まで、神戸六甲ミーツ・アートの会場である六甲高山植物園で展示されます。また、9箇所で取得した風のデータをオープンデータとしてWebサイトで一般公開するほか、会期中はワークショップやパネルディスカッションを通じて、自然の循環について体験と考察を深める場を設けていきます。
▍作品解説 《しらす、山に昇る》
《しらす、山に昇る》は、鑑賞者が木材で組まれた円筒空間に入り、「酸素を求め山に昇る、しらすの群れ」を体感する体験型アート作品です。八角形の円筒空間は、神戸の宮大工の協力のもと、神戸六甲ミーツアートの100日間の展示に耐えるように建てられました。3,270匹のしらすは、神戸の漁師や地元ボランティアなど多くの方の手により一つひとつテグスに編み込まれています。
日中は植物園の緑の中で風に泳ぎ、夜間は六甲山に設置したセンサーと連動したLED照明で輝くことで、気候や時間帯によって様々に色を変えるしらすの姿を再現します。鑑賞者は、六甲おろしを取り巻く広大な大気の動きをイメージしながら、しらすのトルネードの中に入ることで、自身の立つ場所やスケール感覚が揺さぶられる体験をします。山と海を行き来するような感覚を通じて、異なる環境要素の相互関連性について思いを馳せる作品です。
また、本プロジェクトのもう一つの取り組みとして、六甲山周辺9箇所に設置したセンサーが取得する気象データをWebで公開します。天空の筆跡とも言える、見えない風の実態を明らかにすることは、「風の環」の重要な作品と言えるでしょう。
私たちは、《しらす、山に昇る》と風のデータ公開を通じて、風の正体を多角的に問いかけ、神戸六甲の山・街・海の密接な繋がりを身体で感じ、見えない自然の循環に気づくきっかけになることを願い、本芸術祭に参加しています。


▍着想「見えない風が、見せてくれるもの」
私たちは「目に見える違いに捉われず、見えないものに関心領域を広げる」という、人々の眼差しの変化を起こしたいと考えています。神戸六甲になくてはならないもので、見えないもの。その代表格が「六甲おろし」です。
六甲おろしは、自然現象である局地風としての一面と、文化的なアイコンとしての一面を併せ持ち、神戸六甲のアイデンティティに不可欠な要素です。しかし、六甲山系から市街地を抜け、海へと至るまでの複雑な風のメカニズムは、まだ解明されていない点が多いことはあまり知られていません。
神戸の漁師や、六甲山で木材加工の仕事をするメンバーとディスカッションを重ねる中で、私たちはある一つのイメージにたどり着きました。山から吹く風は、海中の生き物に大きな影響を与えているのではないか。具体的には、イカナゴの不漁など、近年変化する大阪湾の漁獲量にも影響を及ぼしているのではないか。なぜなら、山からの風は海上だけでなく、海中に酸素を届ける役割を担っているのではないだろうか、と考えたのです。
そして、このイメージから「海のしらすが、酸素を求めて山に昇る」という着想を得て、《しらす、山に昇る》という作品を制作しました。この作品は、風という見えない力と、山と海、都市の密接な繋がりを問いかけます。
▍風のデータ公開
六甲山系の9箇所に設置したセンサーで、XYZ軸の気象データをリアルタイムに取得します。これらのデータは、アート作品に連動させるだけでなく、Webサイトでオープンデータとして9月中旬から一般公開し、海・山・都市など幅広い分野での活用を目指します。
2025年8月下旬から実施した試験調査によると、岡山から明石の方に流れる風と、太平洋から流れてくる風、日本海側から流れてくる風など、複数の風が混ざって吹いていること。六甲山の裏に設置したセンサーでは、海から山を越えて風が吹いていること。その一方で、地表面は逆に吹いているため、渦を巻いていること、裏六甲まで太平洋の塩を含んだ風が飛んでいることが判明しつつあります。
今後も調査を継続し、見えない風の複雑な動きをさらに詳細に分析していく予定です。

▍アーティスト・コレクティブ 風の環 -Echoes of the wind-
「風の環 -Echoes of the wind-」は、神戸の漁師、六甲山で森のメンテナンスと木材加工に携わるプロ、建築や街づくりを手がける専門家、データサイエンティストなど、異分野のプロフェッショナルが結集したアートコレクティブです。神戸に縁のあるメンバーを中心に構成しています。
私たちは本芸術祭のテーマ「環境への視座と思考」に対し、神戸六甲で生業を営む人々が自らアーティストとなり、日々の実践の中で内発的に湧き上がった問いを投げかけることが、地域の固有性を貫き、真に迫る揺さぶりを生み出すと考え、公募アーティストに応募しました。
芸術家ではない私たちにとってのアートとは、単なる美術作品の提示に留まらず、地域の問いを可能な限り遠くまで届けるための方法です。そのため、100日間の作品展示期間のみならず、フィールドワーク、客観的なデータ収集、そして考察を深めたレポート作成、取得したデータのオープンデータ化といった、継続的なプロセス全体をアートプロジェクトとして捉え、活動を展開してまいります。
アーティストインタビュー
風の環【神戸六甲ミーツ・アート2025 beyond】
「風の環」PARTNERS
アーティスト協賛、作品演出協力、アーティストパートナー、アーティストコラボレーターといった
《しらす、山に昇る》の実現を支えてくださった多くの協力者の皆様です(敬称略)。
◎ 作品演出協力
金箱 淳一 (神戸芸術工科大学准教授)
◎ アーティスト協賛
神戸市漁業協同組合 駒ヶ林浦漁業会
兵庫漁業協同組合
神戸市上唐櫃 林産農業協同組合
カラーズアソシエイト株式会社
有限会社竹本建設
◎ アーティストパートナー
カラーキネティクス・ ジャパン株式会社
きつね森株式会社 (菅野 勝友 / 北垣 拓也)
NPO法人芸法(小國 陽佑 / 神野 翼 / 高田 雄平)
森川工務店
Takashi Nagao
瀧本 信幸
原 竜介
黒木 秀康
原田 順三
瀧原 彗
ゲドウ ヒロキ
小田部 巧
武田 明子
横川 雅也(よこがわコウサク室)
◎ アーティストコラボレーター
横田 佑輔
西村 和基
長原 大悟
久留米 次郎
◎ ボランティアの皆様
多くのボランティアの皆様に、しらすの糸通しにご協力いただきました
公式サイト:https://kazenowa.org/
公式インスタグラム:https://www.instagram.com/kazeno_wa/
▍感謝のメッセージ
神戸六甲ミーツ・アート2025 beyond 公募大賞」において、グランプリという大変光栄な賞をいただき、心より感謝申し上げます。風の環は漁師、木材加工、建築、エンジニアといった異なる分野のプロフェッショナルで構成されておりますが、アート作品の制作に携わるのは初めてのメンバーがほとんどでした。そんな私たちがここまで来られたのは、メンバー全員の知恵、キュレーターをはじめとした事務局のみなさん、作品演出協力、アーティスト協賛、アーティストサポート、ボランティアの方々の温かいご協力があってこそです。
私自身は六甲アイランドで生まれ育ち、父の想いを継いで建築の世界で仕事をしてきた中で、人の暮らしと環境の関わり方を常に自問してきました。その答えを探るアプローチとして、「目に見える違いに捉われず、見えないものに関心領域を広げる」ことが、未来に向けた一筋の光を照らしてくれるのではないかと考えるようになりました。そして、そのメッセージを伝えるには、五感で感じる体験と、客観的なデータという二つの方法が大きな役割を果たすと感じています。アート作品が人々の心に訴えかけ、テーマへの関心を生み出す一方、データは誰にとっても共通の土台となり、建設的な議論や深い思考を促します。この二つのアプローチにより対話のきっかけが生まれ、複雑な問題を多面的かつやわらかく紐解いていくのではないでしょうか。
今回、海、山、そして都市という、ともすれば対立しがちな関係者が集まり、見えない「六甲おろし」の正体を追いかけ、議論を重ね、問いかけるプロセスを重ねてきました。これが、環境への視座と思考を深めるために生まれた私たちの方法です。この場で一緒に悩み、この地で生きる人と交わりながら手からものを生み出した経験を次にどう活かすか。その未来を見据えて進んでいくことが、本芸術祭への参加が持つ意味を具現化することだと感じています。本芸術祭での展示とデータの公開を通じて、多くの方々に神戸六甲の多様な側面を新たな視点から感じていただければ幸いです。
風の環 -Echoes of the wind- 代表 小山ひろみ



▍イベント情報
1) チリメンモンスターを探すワークショップ
しらす干しやちりめんじゃこに混ざる、イワシの稚魚以外の様々な生き物を探すワークショップです。
小さなお子様から大人まで、幅広い方にご参加いただけます。
日時:2025年9月13日(土)
場所:六甲高山植物園
2)海・山・都市の視点のパネルディスカッション
内容:風のデータを基にした、パネルディスカッションです。
日時:2025年11月1日(土)
場所:デザイン・クリエイティブセンター神戸 KIITO 303
イベントの参加方法など詳細は、風の環公式Webサイトでご確認ください。
https://kazenowa.org/
▍「神戸六甲ミーツ・アート2025 beyond」 開催概要

会期:2025年8月23日(土)~11月30日(日)
開催時間:10:00~17:00
※営業日・時間は会場により一部異なります。
会場:ROKKO森の音ミュージアム、六甲高山植物園、六甲ガーデンテラスエリア、風の教会エリアほか
公式サイト:https://rokkomeetsart.jp/
▍TSU-GUMY会社概要
TSU-GUMYは、地域の眠れるポテンシャルを解き放つ学際的なプロフェッショナル集団です。カスタマイズ可能なセンサー技術で、地域の魅力と潜在的な課題を定量的に捉え、文脈を添えて鮮やかに可視化します。さらに、そこに集う人々が「自分ごと」として主体的に関わり、前向きな変化を自ら生み出す仕組みを一気通貫でデザインし、実装まで伴走します。地域に深く潜り、営みを編みなおし、未来を拓いていくことをビジョンとしています。
株式会社TSU-GUMY
URL : https://tsugumy.co.jp/
代表:CEO小山 ひろみ
所在地:兵庫県神戸市中央区
設立日:2021年5月6日
事業内容:
センサーの開発、データ取得と解析によるDX推進
自治体・企業が抱える社会課題への企画提案と推進
報道関係者からの問い合わせ先:pr@tsugumy.co.jp
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像
- 種類
- イベント
- ビジネスカテゴリ
- アート・カルチャー環境・エコ・リサイクル
- ダウンロード