北海道内の企業・団体のDX推進状況に関する実態調査
-DXが「進んでいる」との回答は18.9%に留まる-
北海道内企業のDX化を推進する北海道みんなのDX研究会(北海道札幌市中央区、 代表理事:小手森信一)は、北海道内に本社および事業所を設けている企業・団体に所属する社員・職員・経営者を対象に、「デジタルトランスフォーメーション(以後、DX)推進の実態やDXを推進する上での課題に関する調査」を実施し、調査結果をまとめました。また、今後継続的に調査を行うことで北海道におけるDX推進状況の変化を明らかにいたします。
主な調査結果は、以下のとおりです。
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46.8%がDXにすでに取り組んでいると回答。しかし「進んでいる」と実感しているのは全体の18.9%、「かなり進んでいる」は全体の4.3%。
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DX専門部門がある」との回答は26.3%。しかし半分は兼任者で構成。
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DXを実際に進めている業務課題で最も課題とされているのは「紙帳票のデジタル化・ペーパーレス化」。
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DXシステム・サービス導入重視点で最も高いのは「導入コストが安い」。導入障壁として最も高いのは「予算がない」。
調査概要
調査テーマ:北海道DX調査
調査目的:北海道におけるDX(デジタル・トランスフォーメーション)の進捗状況や課題を把握し今後の活動への指針とする
調査期間:2023年12月11日~12月13日
調査方法:インターネット調査(委託先 楽天インサイト)
調査対象:楽天インサイト「仕事パネル」
■スクリーニング調査
回収数 2106サンプル
基本条件 北海道に事業所がある企業・官庁・自治体・団体の社員・職員・経営者
■本調査:スクリーニング調査回答者のうち下記の条件該当者で割付
回収数 300サンプル
基本条件・従業員3人以上の事業者
・DX(デジタル・トランスフォーメーション)を進めている
・DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進に自身が関与
している(情報収集・選定・決裁)
割付 対象者1)従業員3人~50人未満 150サンプル
対象者1)従業員50人以上 150サンプル
調査の構成
主な調査結果
■DX取組状況(事業者DX調査)
DXの進捗状況を回答してもらったところ、46.8%が所属する企業・団体はDXにすでに取り組んでいると回答。しかし、その半分以上(27.8%)が「まだ進んでいない」と実感。「かなり進んでいる」は4.3%に留まっている。
■DX専門部門の有無(事業者DX調査)
DXを推進するための専門部門があるか。また、専門部門がない場合はどの部門が推進の中心となっているかを回答してもらったところ、「DX専門部門がある」事業者は26.3%。
しかし半分は兼任者で構成されており、部署内での設置では「情報システム」「総務」部門が多い。
■DXを実際に進めている業務課題(DX関与者調査)
業務課題として「DXを実際に進めているもの」について回答してもらったところ、全テーマを通じて最も課題とされているのが「紙帳票のデジタル化・ペーパーレス化」で50.7%。次いで「業務プロセスの効率化」で42.3%。
【働き方改革・生産性向上】の項目の取り組みは進んでいる一方、【人材活用】についてはDXとしての取り組みはあまり進んでいない。
■DXシステム・サービス採用重視点(DX関与者調査)
DXを推進するシステム・サービス等を採用するにあたって重視するポイントについて回答してもらったところ、全体で最も高かったのは「導入コストが安い」で45.0%。
“従業員50人以上事業者”では「業務効率の向上に効果がある」が最も高く、「業務の質の向上に効果がある」とともに”従業員50人未満事業者”との差が最も大きい。
■DX推進の障壁・導入を進めるにあたって課題に感じること(DX関与者調査)
DXを推進していくにあたって、現在障壁となっていると思うことついて回答してもらったところ、全体で最も高かったのは「予算がない」で28.0%。”従業員50人以上事業者”では「業務を推進できる人材の不足」が最も高い。
“従業員50人未満事業者”との差が最も大きいのは「課題が明確化していない」。
まとめ
■事業者DX調査
①始めては見たものの手探り状態の北海道DX
・北海道の事業所勤務者の46.8%がDXにすでに取り組んでいると回答しており、全国的に見ても特に後れは取っていない。
〈参考〉デジタル化の取組状況:48.4%
令和5年度版情報通信白書 総務省(2023)「国内外における最新の情報通信技術の研究開発及びデジタル活用の動向に関する調査研究」
・一方で、取り組んでいるものの「あまり進んでいない」「全く進んでいない」と評する割合は半数以上を占めており、まだ成果を実感できていない事業者も多い。
②兼務もしくは通常業務のなかで進めるDX
・DX専門部門が設置されている事業者は全体の4分の1に留まる。
・兼務者で構成されているDX推進部門を含め、総務や情報システムなど通常業務の中でDX推進を担っている割合が7割と実態を理解する立場からの推進となるメリットの反面、負担は大きいと思われる。
■DX関与者調査
③個人の積極性と相関する事業所のDX推進
・事業者としてDXが進んでいると評する企業では自身の取り組みとしても積極性を発揮しており、個人のリテラシーやモチベーションもDX推進に重要な要素となりうると思われる。
④「ペーパーレス」「効率化」の先のDXをどう見据えるか
・実際にDXを進めている業務課題としては「紙帳票のデジタル化・ペーパーレス化」「業務プロセスの効率化」「営業プロセスの効率化」など現段階では“守りのDX”が中心となっており、特に“50人未満事業者”ではその傾向が強い。
・一方で「採用管理」や「採用品質の向上」「DX人材育成・活用」など人材活用についてはDXの取り組みとしてはまだ進んでおらず、取り組んでいてもまだ成果が上がっていないと評しており、取組意向の低さも含め、企業成長を担う人材活用DXはこれからの課題と言える 。
⑤現場と決裁者との課題共有が必要なDX推進
・DXのシステムやサービスの採用重視点、推進の障壁、推進で欲しい情報のすべてで「コスト」が上位に挙がった。特に導入コストは50人未満企業では大きな課題となっている。
・管理職が「投資効果」「コストの削減」を重視している一方で、一般社員からは「決裁が進まない」「決裁者のデジタル化に対する理解が低い」といった課題も上がるなど、現場と決裁者の間の乖離が存在しており、取り組みに向けた全社的な課題の共有が必要である。
*本リリース内の集計データ・グラフにつきましては抜粋してまとめております。詳細の集計データ・グラフは「マスター版」でご確認いただけます。
*「マスター版」につきましては、北海道みんなのDX研究会の会員企業・団体様限定でのご提供となります。マスター版をご希望の場合は、本研究会への入会をご検討くださいますよう宜しくお願い申し上げます。
*入会に関する情報は「北海道みんなのDX研究会」公式ホームページ(https://hokkaido-dx.com/)をご確認いただくか、下記連絡先へお問い合わせください。
北海道みんなのDX研究会とは
北海道内におけるDX取組状況をみると、デジタル技術を活用したビジネスモデルの変革を実現していかなければ、今後、競争力を維持していくことが困難になると考えられます。さらに少子高齢化の加速により、労働力不足の顕著化も懸念されることから、あらゆる分野でDXの推進が急務とされています。
このような現状を鑑み、日本経済新聞社とテレビ北海道は、デジタル技術の有効な利用方法や業務改善などの事例紹介、調査・研究を行う「北海道みんなのDX研究会」を設立いたしました。日経グループの持つDXに関するさまざまなリソースを活用し、北海道のDX推進の一助とすべく道内企業の皆様に提供してまいります。
□主な活動内容
□年会費について
・正会員[対象:法人および団体] 一口5万円/年(消費税別)
・賛助会員[対象:地方自治体、行政機関等] 無料/年
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