AI時代のナレッジマネジメントのフレームワーク「CycleGen」を無償公開

AIが書き、人が判断する——"答えが一つでない仕事"のための人とAIの協働フレームワークを、オープンソースで無償公開。職種を問わず、Claude CodeやCodexの上に乗せて利用

株式会社らしく

人とAIで仕事の成果を積み上げていく協働フレームワーク「CycleGen(サイクルジェン)」が、2026年7月にGitHubでオープンソースとして無償公開された(https://github.com/cyclegen/core)。8月には、開発者以外もそのまま導入できるよう配布物を整え、導入方法を cyclegen.ai で公開した。開発したのは株式会社らしく(東京、代表取締役 佐藤純也、https://rashikucorp.com)。現在提供しているのは、個人で使う範囲の機能をまとめた「CycleGen Core」。ライセンスはApache License 2.0。

Claude CodeやCodexのように、自らファイルを読み書きし、他のシステムとも協調し、自律的に作業を進めるAIエージェントの上に、プラグインとして乗せて使う。導入は、そのエージェントに1文を渡すだけでよい。必要なものの確認から導入までを、エージェントが案内する。現在は、Claude CodeとCodexで動く。対応するエージェントは、順次広げていく。

調査、企画、提案をはじめとする知的生産にたずさわる人が職種を問わず使える。らしく社代表の佐藤純也は、CycleGenの核心をこう置く。「新たな価値は、AIに"任せて自動化"した先ではなく、人とAIが文脈を積み上げて"共に創る"先に生まれる

Claude Code の上で CycleGen が動いている実際の画面。指示は「CYCLE99.5を始めてください。」の18字だけである。返ってきたのは過去の判断4件と、なぜ返したかの理由である。

なぜ、いま「協働フレームワーク」なのか

チャット画面で一問一答に応じるAIでは、依頼のたびに前提を書き直す手間があり、仕事の文脈は、画面には残っても、次の仕事には引き継がれなかった。2026年に入り、自ら考えて手を動かすエージェント型のAIが、ソフトウェア開発を起点に広がりはじめた。現在では、Claude Codeの提供元であるAnthropicも、法務や財務といった職種での利用例を公表している。エージェント型のAIは、一度の指示で一続きの作業を進められる。人が判断する間隔は、一往復ごとから、数十分程度のまとまった仕事の単位へと延びた。

仕様が先に決まっている仕事では、工場の生産ラインのように「異常が出たら止める」というアプローチが機能する。だが事業開発や調査研究、マーケティング、要件定義などは、何が正しいかを探索しながら決めていく仕事である。何を「異常」と呼ぶかを、先に決めておけない。

止める合図が来ないので、人が判断する場は、放っておけば減っていく。だから、どこで人が受け取るかを、時間で決めておく。AIが強くなったからこそ、型が要る。

さらに、探索的な仕事では、調べて、考えて、資料にする——この三つを行き来しながら、数日から数か月のあいだ、仕事が続く。前に分かったことが、後で何度も必要になる。

エージェント型では、協働で生まれた知見をファイルに残せる。だが、しばらくして同じ仕事へ戻ったとき、その知見が自動的に戻ってくるわけではない。戻す役を、AIが引き受ける。これをらしく社は「AI時代のナレッジマネジメント」と呼ぶ。

「書く」のはAI、「判断する」のは人

CycleGenは、事業開発や調査研究のような、答えが一つとは限らない探索的な仕事のための型であり、工場に生産方式があるように、「ナレッジワークの創造方式」とでも呼べる概念だ。

AIを作業の一部に使うのか。それとも、仕事そのものをAIとともに進めるのか。使う側の多くは、まだ前者だろう。

CycleGenは、後者を選んでいる。原案はAIが書く。人は、それを読んで修正の指示を出す。次の仕事は、その直した跡の上から始まる。

CycleGenの中心にあるのが、二つの考え方だ。 

一つ目は、時間の型である。どこで人が判断するかを、時間で決めておく。約1時間を1サイクルとし、AIが自律的に作業するのは目安として最大30分。残りの時間で人が判断・承認・方向修正を行う。この30分は、人の側の目安だ。人が丁寧に判断しきれるAIからの出力量が、経験的にそれくらいだからだ。仕事の性質に応じて、短く切ることもある。これを一言でいえば、「AIが書く、人が判断する」。

「計画と判断は人間、実行と記録はAI」という役割分担でサイクルを回す。

二つ目は、文脈の置きどころである。 AIモデルそのものは、以前の仕事を覚えていない。画面に残るやりとりは、自分のものに見える。だが置いてあるのはサービス提供元の側で、サービスを移れば持っていけない。AIモデルは、誰が使っても同じものが借りられる。違いを生むのは、積み上がった文脈のほうである。だからCycleGenは、その文脈を、使う人の手元に置いた。蓄積はローカルに閉じたまま使うこともでき、置き場所は使う側が選ぶ。AIモデルを呼ぶときに渡すのは、これまでに残した判断のうち、いまの仕事に合う数件だけ、必要な瞬間にだけである。渡すものが多いほど、いちばん大事な一件は埋もれる。関係するものだけを渡すほど、AIは核心に集中できる。何を渡し、何を渡さないかを選べる。

これを一言でいえば、「モデルは借りる、文脈は自分で持つ」。

文脈の置き場所。提供元に置いてあるか、手元に置いてあるか。

らしく社の実践から、より多くの個人・組織へ

CycleGenを回すと、三つの側面が同時に進みはじめる。仕事が、進む。人が、育つ。環境が、育つ。このうち使う側が最初に気づくのは、一つ目である。仕事を再開するとき、前提を説明し直すところから始めなくてよい。あとの二つは、もう少し使ってから実感する。

CycleGenを使い続けると実感する三つの側面。いま検証可能な側面は一つ目である。

型を決めると、創造は狭まるのか。一つの手がかりを、検証可能な事実から挙げる。代表の佐藤がこの協働で形にした技術のうち、1件が特許第7873811号として登録され、もう1件も特許査定を受領した。登録されたのは、蓄積した知見を抽象度・重要性・文脈の3軸で座標として管理する仕組みである。 らしく社は、再利用できる水準に達したと判断した知財を133件数えている(自己評価。2025年夏から数え、基準日は2026年5月1日)。特許にすべきと判断したのは、そのうちの2件である。

協働の規模としては、2025年夏から現在までの約1年で、2,000を超えるサイクルを重ねた。サイクルは、複数を並行して回すこともある。

同じ型は、代表以外の現場でも成果が現れている。取締役の白木は、500時間を超える協働を通じて、朝の情報整理、日報の作成、顧客ごとの進行管理といった定型の時間を、AIとの分担に切り替えた。その結果、週10時間(標準労働時間の25%)が空いた。空いた時間は、戦略立案や顧客との対話、より高度な意思決定に向いている。

らしく社の外でも、協力企業の実務者1名が同じ型で運用を続けている。実証の体制は、いまのところ2組織3名。ここに挙げた数字が同じ条件で再現するかは、これから確かめていく。残る二つの側面も、第三者や学術による検証にかけていく。型そのものは、人数によらず、そのまま試せる。

CycleGenを、あなたの現場で

▸ まず個人で試したい方へ(無料) Claude CodeやCodexの上に、プラグインとして追加するだけで、今日から使える。企画書でも提案書でも、仕事を一つ選んで始めれば、CycleGenが案内する。なお、Claude CodeやCodexの契約は別途必要になる。〔https://cyclegen.ai:導入方法〕

▸ 組織での活用にご興味のある方へ(共同設計のご提案)

すでにClaude CodeやCodexをお使いなら——部門・チーム単位での導入と実証実験(PoC)を、設計から伴走して承る。蓄積をどこに置き、どこまで共有するかは、進め方の案をこちらから示す。セキュリティや統制面の社内説明に必要な材料は、こちらで用意する。

組織としての取り組みを、これからお考えなら——個人の仕事は速くなった。では、組織の競争力はどうか。顧客とのやりとりや、判断の経緯は、いまどこに残っているだろうか。それを組織の資産にしていく道筋を示せる。組織で同じ蓄積を共有する仕組みは、今回の無償の範囲とは別に、組織向けとして用意していく。〔お問い合わせ:info@rashikucorp.com〕

▸ 取材される方、AIについて発信されている方へ 裏取り用の一次情報として、README(日英2本)とライセンスがある。取材・個別のご説明も承る。このプレスリリースも、AIが原案を書き、人が判断するサイクルを繰り返して仕上げている。その過程は記録として残っているので、ご希望があればお見せする。〔お問い合わせ:info@rashikucorp.com〕

公開したCycleGen Coreを無償にしているのは、それが人とAIの協働の土台にあたると考えているからだ。工場には生産方式があるのに、オフィスの知的生産にはそれに当たる型が長く不在だった——代表取締役 佐藤純也が、30年を超えるBPR・DX推進支援で持ち続けた問いである。

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会社概要

株式会社らしく

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業種
情報通信
本社所在地
東京都渋谷区恵比寿1-19-19 恵比寿ビジネスタワー10階
電話番号
03-4500-8942
代表者名
佐藤 純也
上場
未上場
資本金
600万円
設立
2011年12月