寒川裕人/ユージーン・スタジオ 個展「新しい海」(東京都現代美術館)が、多様な地域の方のご尽力により常設美術館に Eugene Museum in Bali/ユージーン・ミュージアム、世界遺産の麓に
この度、多様な地域のサポートの皆様のご尽力とご提案によって、寒川裕人/ユージーン・スタジオの東京都現代美術館の個展「新しい海 After the rainbow」(2021-2022年)がもととなる、常設美術館「Eugene Museum in Bali (ユージーン・ミュージアム・イン・バリ)」が、バリの世界遺産一帯の麓1haの敷地にて作られる運びとなりました。
まずはスタジオより、美術館の個展をきっかけに常設美術館をご提案くださり、実現に尽力くださった様々な地域の方々に心より御礼申し上げます。
詳細は外部webサイト(英語/インドネシア語)をご覧ください。(下記、美術館webサイトより引用)
“海と緑に囲まれた1haの敷地に広がる美術館の建築のパートは、2022年にアガ・カーン建築賞を受賞し、インドネシアを代表する建築家アンドラ・マティン(Andra Matin)が設計を担当し進行されています。また本件美術館のコミュニケーション・マネジメントパートは、グッゲンハイム・ビルバオやV&A、ハウザー&ワースをはじめ、世界の数多くの美術施設のマネジメントを行う英国のチームが担当します。
先駆けて2024年5月末にはインドネシアにて美術館より計画が発表され、インドネシアのほか、英Financial Times本紙や仏Le Quotidien de l’Art本紙に掲載されました。後日、建築家のインタビュー動画なども公開される予定です。”
*当美術館は現地法に基づいた運営・法務・広報等全般の活動が、地域と美術館運営を担う共同企業体により行われ、周囲地域一帯は現地をはじめ50カ国超の方々および官公庁により支えられています。
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私ども単独では考えが及ばなかった、美術館の個展や過去の作品が、こうしてグローバルな地で、様々な地域の方々に支えられて、常設へと広がることへの美術の深みと新しい地平を感じております。約2年後の一般開館に向けて日々、過去シリーズに加え新作を含めた制作を行っております。開館まで年月がありますが、緑豊かな場所にて、子どもから様々な世代にひらかれた美術館になればと願っております。
詳細概要や、寒川のコメントは、下記美術館運営のwebサイト(英語/インドネシア語)をご参照ください。
Outline (Eugene Museum in Bali official website external site)
以下、美術館ウェブサイトより、概要を直訳しております。
"バリ島、世界遺産の麓、名勝タナロット寺院から約10分、緑と海に囲まれたEugene Museum in Baliは、世界中の人々の支えと共に作られる常設の美術館です。インドネシアを代表する建築家 アンドラ・マティン(Andra Matin)の建築、寒川裕人 / ユージーン・スタジオ (Eugene Kangawa / EUGENE STUDIO 以下、Eugene)の恒久的な作品と、自然の共生を、1ヘクタールに渡り深く感じることができます。本美術館は2026年に一般公開予定です。
自然林の間をぬって作られる施設面積約5,000平方メートルのなかには、金色に輝く雨、無限の海、輝く巨大な絵画が飾られた10を超える部屋や、緑に囲まれたエントランスレストランやライブラリー、ステイプログラムなどがあり、深い体験が、世代を超えて一日を通して提供される場所です。 自然との共生をコンセプトとした建築で知られるアンドラ・マティンのデザインは、Eugeneの作品と見事に調和し、世界観を存分に感じられる贅沢な空間となっています。
Eugeneによる、愛や偶然、光と影、自然またはメタネイチャーなどをテーマとした大規模なインスタ レーションや絵画は、分断されつつある現代を生きる人々を惹きつけ、2021-22年に開催された東京都現代美術館における同館最年少での個展は、コロナ禍において長蛇の入場列となりました。この反響は世界へと広がり、インドネシアを含む多様な地域に波及し、常設で世代や国境を超えて世界中の人々へ届けられるべきという多様な地域の方々の支えと期待感と共に、自然に恵まれ、国際色豊かな場所であるバリでの常設美術館「Eugene Museum in Bali」へと繋がりました。
美術館の隣にはインターナショナルスクールが開校され、周辺国と連携したエデュケーションプログラムを含むアジア発の新しいハブとなることが期待されています。Eugene Museum in Baliでは、自然・物理と哲学が融合した作品群と、現地の豊かな自然が調和し、自然と作品、そして訪れる人々による新しい共生の場を目指しています。"
スタジオより、まずは作品や個展を契機に、常設の美術館を構想くださり、尽力くださった方々に心より御礼を申し上げます。 私ども単独では考えが及ばなかった、巡回展とはまた異なる素敵な形式のアイデアに当初は驚くと同時に、作品が生み出すつながりの力を感じました。約2年後の一般開館に向けて日々、インドネシアの建築家との協働や、過去シリーズに加え新作を含めた制作をアトリエで行っております。
開館まで年月がありますが、本美術館が子どもから様々な世代に、そして多様な国々の方にひらかれた存在になればと願っております。この美術館は、寒川裕人/ユージーン・スタジオの"新しい海"の続きであり、少し新しい美術館の形、社会実践的な場であると考えています
EUGENE Atelier iii(Japan)のご案内
* 現在、現地のミュージアムチームとEugene Studioの合同で、一般開館までの間、700平方メートルの東京近郊の大型アトリエ(EUGENE Atelier iii)にて、作家不在時に限り、模型や作品などを見ることができる予約式のプログラムを行なっています。
*プログラムの一般公開枠(事前予約制)はインスタグラムにて随時公開しています。
https://www.instagram.com/eugene_studio_official
*プログラム詳細は下記よりご覧ください。
https://the-eugene-studio.com/studio-iii-limited-visit/
寒川裕人 コメント
“まずはじめに、インドネシアのバリ島にある世界遺産の麓で、この素晴らしい機会に感謝しています。作品や個展を契機に、常設にしたいと考えてくださり、その実現に尽力してくださった方々に感謝の意を表します。この美術館は、すべての世代に開かれるでしょう。
美術館の開館までにはまだ数年ありますが、毎日のように建築図面や景観開発の進展を受け取り、その完成を楽しみにしています。インドネシアを訪れ、そこで友人たちと交流することは本当に喜ばしいことでした。数年前、インドネシアの言葉「ヌサンタラ」という言葉に出会いました。この言葉は「群島」を意味します。矛盾があっても共にある姿、真の共生を意味するようです。現在の世界もまた群島でしょう。今後、この言葉をより深く理解するために時間をかけていきたいと思います。
アジアはますます洗練されつつあります。お話があったとき、環境としても地理としても、バリは自分にとって親しみやすい場所でした。常緑の自然のなか、多様な人々が訪れるこの稀有な場所は、地理という視点でみても、世界の中心のひとつであると感じています。
自由に、世界が必要とするシステム/エコロジーを体現すること。紋切り型の先入観や市場にとらわれずに実践すること。これが現代美術の本質的かつ重要な役割のひとつだと考えています。訪れた人のなかの1人が、何かを変える機会を持つことができれば、それが世界を変えることにつながるかもしれないと期待しています。”
建築家 Andra Matin コメント
"私の建築実践とユージーンの作品には、多くの共通点があります。たとえば、太陽、風、影といった自然の要素への敬意です。Eugene Musuemとその周囲の風景を一体化させることで、日中を通して自然光が美術館の内部空間に共鳴し、適応するように設計しました。作品展示に必要な照明を除いて、美術館全体で最小限の人工照明にします。これは、持続可能な美術館を建設するという我々のコミットメントを示す独自のアプローチです。"
Profile
Eugene Kangawa/Eugene Studio
寒川裕人/ユージーン・スタジオ
寒川裕人(Eugene Kangawa)は1989年アメリカ生まれの現代美術家。大規模なインスタレーションや絵画を中心に、過去に東京都現代美術館での個展 「新しい海 After the Rainbow」(2021-22)や、金沢 21 世紀美術館「de-sport:」 (2022)、資生堂ギャラリー個展「1/2 century later」(2017)、サーペンタイン・ギャラリー (ロンドン)「+89」(2014)の参加のほか、コレクション展など多数。
特に、「共生」と「想像の力」を主題とした東京都現代美術館での個展の反響は世界へ広がり、様々な地域の方々の提案によって常設美術館「ユージーン・ ミュージアム・イン・バリ」へと繋がり、世界遺産の麓一帯にて建設されることとなりました。また、東京都現代美術館での個展は同館で最年少の個展でした。
そのほかアメリカで発表された短編映画はロードアイランド国際映画祭、パンアフリカン映画祭、ブルックリン映画祭、ヒューストン国際映画祭ほか、複数の映画祭でオフィシャルセレクションの選出や受賞ほか。初期の活動 については2017年に『アート x テクノロジーの時代』(宮津大輔著、光文社新書)にて、都市計画やバイオ テクノロジー、人工知能などの研究開発への招聘や活動についてまとめられ、その分野において日本を代表 する四つのアーティストとして著されています。2016年に設立されたスタジオでは、様々な分野のスタッフが、日々制作やリサーチを行なっています。
WEB: https://the-eugene-studio.com/
Instagram: https://www.instagram.com/eugene_studio_official/
Andra Matin
アンドラ・マティン
1962年インドネシア西ジャワ州バンドン生まれの建築家。1981年バンドンのパラヒャンガン大学建築学部卒業。1990-98年、Grahacipta Hadiprana勤務。1998年事務所設立。1999年IAI賞受賞、2018年ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展特別賞受賞、2022年アガ・カーン建築賞受賞等、受賞多数。住宅や美術館、モスクなど幅広く手がけるインドネシアを代表する建築家の1人。代表作に「ブリンビンサリ空港」(2010年)、「ポテトヘッド」(2010年)、「Tubaba Mosque」(2017年)など。
インドネシア・バリ島について:
インドネシアは世界最大の群島であり、4番目に人口が多い国(約2億7000万人)として知られています。またこれらの人口の約4分の1が14歳未満と若年層が多いことも特徴です。2022年にはバリ島にてG20サミットが開催される等、経済発展も著しく、また東南アジアの文化的中心地としてとしても知られています。2021年、バリ島はTrip Advisorの"Travelers' Choice TM World's Most Popular Tourist Destinations2021"で世界一の観光地に選ばれました。毎年世界中から約1,500万人が訪問しています。
本件に関する問い合わせ先(日本語):
Eugene Studio(ザ・ユージーン・スタジオ株式会社)
press@the-eugene-studio.com
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