《大阪・関西万博》 ウズベキスタンパビリオン、伝統技能と国の持続可能な未来を紹介

※本報道資料は4月10日にウズベキスタン・タシケントで発表された内容の抄訳です。

  • ウズベキスタンパビリオンの設計および一般展示は、そのテーマである「知の庭:未来社会の実験室」の精神を表現したものであり、ウズベキスタンの豊かな遺産が、持続可能な進歩・協力・革新に向けた確固たる土台であることを示しています。

  • パビリオンの革新的なデザインは、持続可能な建築を基盤とし、自然素材やインタラクティブな展示、そしてウズベキスタンの歴史的建造物や文化遺産から着想を得つつ、現代の職人技を融合しています。

2025年大阪・関西万博 ウズベキスタンパビリオン、提供:ACDF

2025年4月10日、ウズベキスタン・タシケント – 2025 年日本国際博覧会(以下、大阪・関西万博)のウズベキスタンパビリオンは、「知の庭:未来社会の実験室 (Garden of Knowledge: A Laboratory for a Future Society)」と題した没入型の展示を行います。ウズベキスタン芸術文化開発財団 (Uzbekistan Art and Culture Development Foundation: ACDF) の委託を受け、受賞歴を誇るドイツの建築設計会社 アトリエ・ブリュックナー (ATELIER BRÜCKNER) が設計したパビリオンとその展示物は、今年開催される万博の総合テーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」を反映しています。木彫りや寺院建築をはじめ、ウズベキスタンと日本は長い歴史を持つ芸術的伝統を共有しており、本パビリオンは両国間の有意義な文化交流を促進すると期待されています。

パビリオン内では、ウズベキスタンの「2030年戦略」およびユネスコの「持続可能な開発目標 (SDGs)」に沿い、教育、文化、イノベーション、クリーンエネルギーの各分野における同国の変革を反映する主要事業が展示されています。まず1階では、再生可能エネルギーの取り組み、風力発電所、持続可能な交通機関を紹介する展示を通して、ユネスコのSDG 7 「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」に基づいたウズベキスタンのグリーン経済への移行をテーマに、ダイナミックなメディアインスタレーションを体験することができます。次に、産業開発エリアでは、SDG 9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に対するウズベキスタンの取り組みが紹介されており、特に日本政府の支援によるアラル海地域再生イニシアティブを通じて、革新的な農業方法が歴史的に荒廃した同地域をいかに復活させているかに焦点が当てられています。さらに、パビリオンの文化発展エリアでは、SDG 4 「質の高い教育をみんなに」に関する進展が取り上げられており、国際的な「ホモ・ファーベル (人とものづくり)」プロジェクトが紹介されています。同プロジェクトは、天然素材と持続可能性を意識した熟練職人、若手クリエイター、デザイナーによるグローバルなコラボレーションを促進し、優れた職人技を称えるものです。

ウズベキスタン共和国大統領シャフカト・ミルジヨエフ氏のコメント:「いま、ウズベキスタンは豊かな遺産と無限の未来の可能性が交差する、大胆なビジョンを体現する歴史的な岐路に立っています。包括的な改革戦略のもと、我が国は持続可能な開発、グリーンエネルギー、デジタル化、人工知能を優先事項として前進を続けています。これらの変革を推進する原動力は、国民のエネルギー、野心、そして知識への飽くなき探求心です。2025年大阪・関西万博は、私たちのこれまでの歩み、成果とパイオニア精神を披露する場になるでしょう。今回のパビリオンは、ウズベキスタンの進歩・進化やグローバル・パートナーシップに対する真摯な取り組みを象徴するものです。」

「木の下に集う」というアイデアから着想を得たパビリオンの建築コンセプトは、かつてシルクロード沿いで営まれていた隊商宿 (キャラバンサライ) を彷彿とさせます。隊商宿は、歴史的に旅人や商人たちの休息場所となっていました。こうした伝統に基づく保護・教育・知識交換の原則を再解釈することで、パビリオンでは現代的で持続可能な「知の庭」を作り上げました。2025年大阪万博の西入口近くに位置するこのパビリオンは、来場者が足を踏み入れた瞬間からウズベキスタンの豊かな伝統と現代的な革新に触れることができるように、開放的で魅力的な空間として設計されています。

ウズベキスタン芸術文化開発財団(ACDF)の会長兼ウズベキスタンパビリオンのコミッショナーを務めるガヤネ・ウメロワ氏のコメント: 「2025年大阪万博のウズベキスタンパビリオンは、単なる建築上の功績にとどまらず、イノベーション、持続可能性、グローバル・コラボレーションに対する我が国の献身を力強く表明するものです。ウズベキスタンの文化遺産に深く根ざし、未来を鋭く見据えたパビリオンは、対話、知識の共有、創造的パートナーシップのためのダイナミックなプラットフォームとして機能します。ウズベキスタンは、日本との長年の友好関係からも明らかなように、文化交流の強さを常に信じてきました。2025年大阪万博に参加することで、私たちはさらに強いグローバルなつながりを構築する構えがあることを誇りをもって再び強調します。私たちは共に、より持続可能で相互接続された世界のための永続的な解決策を鼓舞する有意義な対話を推進していきます」

 

展示のハイライトは、上昇するプラットフォーム内における 360 度のマルチメディアの旅です。わずか3分強の間に、プロジェクションとサウンドスケープが来場者をウズベキスタンの変容に没入させ、「知の庭」への到着を準備させます。この動くプラットフォームは、デザインや機能的にもユニークなもので、日本ではこれまで見られたことがない内容です。

2025年大阪・関西万博 ウズベキスタンパビリオン、提供:ACDF

来場者が「知の庭」の吹き抜けテラスに上ると、ヒヴァに残る歴史的なジュマ・モスクへの建築的なオマージュである細い木製の柱が林立する静かな森に入ります。パビリオンの持続可能性を強化し、材料の入手経路について情報公開するために、各柱には近距離無線通信 (NFC) タグが取り付けられており、パビリオンの建設に使用された日本産木材の原産地を来場者が追跡できるようになっています。また、日本生まれのレバノン人デザイナー、ナダ・デブス氏 (Nada Debs) が制作した手作りの陶器製スツールは、ウズベキスタンの伝統工芸からインスピレーションを得たものです。さらに、ウズベキスタンの陶芸家であり「ホモ・ファーベル」プロジェクトの卒業生でもあるアブドゥルバヒド・ブホリイ・カリモフ氏 (Abdulvahid Bukhoriy Karimov) は、パビリオンの床、壁、天井に使用するために、ターコイズブルーの伝統的なブハラタイルを11,000枚以上制作しました。パビリオンのデザインと内装装飾に貢献した他のウズベキスタン人アーティストには、スザニ刺繍作家のマディナ・カスィムバエワ氏 (Madina Kasymbaeva) と陶芸家のアリシェル・ナジロフ (Alisher Nazirov) がいます。

2025年4月13日に一般公開されるウズベキスタンパビリオンでは、2025年大阪万博の会期6か月間を通して、魅力的な文化イベント、ディスカッション、パフォーマンスが催されます。また、5月には特別イベントとして、万博ホールでウズベキスタン国立交響楽団とリクター・トリオ (Richter Trio) によるコンサートが行われます。さらに、来場者は「テーマウィーク」やカルティエによる「ウーマンズ パビリオン (Women’s Pavilion)」で開催される、持続可能性、生物多様性、芸術に関するセッションにもご参加いただけます。そして9月には、ウズベキスタン共和国のナショナルデーを祝うイベントも開催予定です。なお一般公開プログラムの詳細は、追ってお知らせいたします。

アトリエ・ブリュックナーの創設パートナー兼マネージングディレクターである、シリン・フランゴール=ブリュックナー氏のコメント: 「私たちはウズベキスタンのアイデンティティを、好奇心、つながり、そして共有すべき未来を刺激する空間として表現できたことを誇りに思います。ウズベキスタンパビリオンは、単なる建造物ではありません。それは、並外れた発展の可能性を秘めた国家の象徴なのです。豊かな文化と建築の遺産に根ざし、変容する伝統の物語を伝えつつ、このパビリオンで私たちは、交流、革新、持続可能性の精神を称えます。歴史的な形態と素材は、現代的なデザインによって再解釈され、時代を超えた先進性を感じさせる体験を生み出しています。ACDFとともにこうしたビジョンを実現できたことを心より光栄に思います」。

デザイナーであるナダ・デブス氏のコメント: 「日本で育ち、シルクロードの伝統に深く影響を受けた私にとって、今回のプロジェクトは特別な意味を持っています。アラブ地域在住のデザイナーとして、私の作品では文化的な影響と職人技の知識交換が相互に作用することが多いのです。ウズベキスタンパビリオンのVIPルームと陶器のスツールのデザインは、伝統工芸の再解釈にとどまらず、文化間の活気あふれる対話を表現しており、これまでにない形でウズベキスタンの新たな目標とビジョンを創出するものです。私はこの文化交流に貢献し、新たな遺産の創出に携わることができたことをこの上なく誇りに思っています」。

2025年大阪・関西万博のウズベキスタンパビリオンで、360度マルチメディアの旅が楽しめる、提供:ACDF

陶芸家であるアブドゥルバヒド・ブホリイ・カリモフ氏のコメント: 「このプロジェクトの一端を担えることを心より誇りに思います。1992年より私は、陶芸に使用されるブハラの伝統的なゆう薬を再現することを夢見てきました。そして、ACDFとユネスコの支援により、2006年に工房を設立することができました。これを礎に、尊敬する陶芸家たちが何世紀にもわたって受け継いできた調合法を復活させることができました。今後も私は、自分の作品を通じて彼らの遺産を称え続けていきたいと思います」。

ウズベキスタンパビリオンは、2025年4月13日から10月13日まで、大阪の夢洲島で開催される大阪・関西万博で公開されます。

2025年大阪万博 ウズベキスタンパビリオン「知の庭:未来社会の実験室」はウズベキスタン芸術文化開発財団 (ACDF) によって委託されましたhttps://www.expo2025uzbekistan.uz/

報道資料 (画像を含む) は、こちらからダウンロードをお願いします。

2025年大阪・関西万博 ウズベキスタンパビリオン公式ウェブサイト:  https://www.expo2025uzbekistan.uz/

ウズベキスタン芸術文化開発財団 (ACDF) 公式ウェブサイト: https://www.acdf.uz

 

ウズベキスタン芸術文化開発財団 (ACDF) について 
ウズベキスタン芸術文化開発財団は、ウズベキスタンの遺産・芸術・文化の保護・促進・育成を担っています。同国の文化発展の最前線に位置するACDFは、ウズベキスタン文化におけるエコシステムを育くみ、創造性に根差した経済を推進し、国内、隣接地域、そしてグローバルな舞台で、文化に携わる人々に機会を提供するべく活動しています。同財団は、文化と遺産は社会を形成し、コミュニティを結束させ、世代間の架け橋となり、異文化間の対話を促進する上で不可欠であると考えています。

2024年10月2日から4日にタシケントで開催された第4回 世界クリエイティブ経済会議(World Conference on Creative Economy: WCCE)、そして2025年4月4日から6日にカラカルパクスタン自治共和国ヌクス市で開催された第1回アラル文化サミット (Aral Culture Summit) を成功裏に終結。そして現在は、2025年4月から10月に開催される大阪・関西万博へのウズベキスタンの参加、現代美術センター(Centre for Contemporary Art) の改修、安藤忠雄設計の新国立美術館 (State Museum of Arts) の建設、ロマノフ大公宮殿(Palace of the Grand Duke of Romanov)の修復と部分的再建の陣頭指揮を執っています。また、ACDFは「タシケント・モダニズム XX/XXI (Tashkent Modernism XX/XXI)」という進行中の研究プロジェクトを立ち上げ、この都市のモダニズム建築の記録と保護に取り組んでいます。同プロジェクトでは、ニューヨークのリッツォーリ社(2024年11月発行)とラース・ミュラー出版社(2025年初頭発行予定)との共同出版による2冊の主要書籍が刊行されました。さらにブハラでは、ACDF 主導で、2025年に第1回ブハラ・ビエンナーレ (Bukhara Biennial) を開催予定です。

ガヤネ・ウメロワ(Gayane Umerova)について
ガヤネ・ウメロワは、ウズベキスタンの文化分野の発展に尽力しています。ウメロワは現在、ウズベキスタン芸術文化発展基金(ACDF)の会長を務め、同国の文化インフラの構築を主導しています。彼女の取り組みにより、ウズベキスタンの芸術、アーティスト、文化遺産が世界的な注目を集めています。現在、ウメロワはタシケントの現代美術センターの修復と開発を進めており、この施設は地域の新たな文化拠点となる予定です。また、2025年のブハラ・ビエンナーレ(2025年9月5日~11月20日)ではコミッショナーを担当。さらに、安藤忠雄が設計を手掛ける新たな国立美術館の建設を推進し、2021年以降、ヴェネツィア・ビエンナーレ(美術・建築部門)および2025年大阪・関西万博 ウズベキスタンパビリオンのコミッショナーとしても活動しています。加えて、2025年4月4日~6日に開催される初の「アラル文化サミット」を主導するなど、多くの重要なプロジェクトに関与しています。ウメロワは、ウズベキスタンの文化の国際的な地位向上に取り組んでおり、閣僚会議傘下のユネスコ・ウズベキスタン国家委員会の会長も務めています。彼女の公務への献身は、ウズベキスタンの若者に文化セクターでの機会を提供し、コミュニティと世代をつなぐ文化経済の発展に尽力する姿勢にも表れています。

アトリエ・ブリュックナー(ATELIER BRÜCKNER)について
 アトリエ・ブリュックナーは、知的好奇心を刺激し、感情に深く訴えかける体験を創出する、世界をリードするデザインスタジオおよびミュージアムプランナーです。1997年、建築家 シリン・フランゴール=ブリュックナーとウーヴェ・R・ブリュックナーによって、展示デザイン、舞台美術、建築の実験的なスタジオとしてドイツ・シュトゥットガルトに設立されました。27年にわたり、アトリエ・ブリュックナーは国際的に高い評価を受けるデザイン事務所へと成長し、現在では130名以上のスタッフを擁し、220以上の国際プロジェクトを手がけ、これまでに350もの賞を受賞しています。「不可能を可能にする」という理念のもと、2024年にはシリン・フランゴール=ブリュックナー氏が SEGDフェロー に選ばれ、また、「Blooloop 50 Museum Influencer List 2024」 において 「The Power 10」 の一人としても称えられました。

 

ナダ・デブス (Nada Debs) について

ナダ・デブスはベイルート在住のレバノン人デザイナーです。 彼女の作品は、製品や家具のデザインから、単体で手がけている工芸品、アート、ファッション、インテリアに至るまで、規模や分野を問わず多岐にわたります。 その作品に共通するのは、文化と職人技を凝縮し、感情に訴える作品を生み出す力です。ナダは日本で育ち、米国のロードアイランド・スクール・オブ・デザインでデザインを学びました。その後、長期間にわたって世界各地で生活し、旅しながら、さまざまな文化のつながり探り当ててきました。彼女の作品には、こうしたすべての経験が反映されています。つまり、人の心を打つ、人の手による物語が力強く表現されているのです。ナダはその手法を「手作りと心作り」と呼んでいます。

 

アブドゥルバヒド・ブホリイ・カリモフ (Abdulvahid Bukhoriy Karimov) について

アブドゥルバヒド・ブホリイ・カリモフは、幼少期にブハラ地方の村で粘土細工を始め、おもちゃの作り方を学びました。その後タシケントに移り、美術大学と国立美術デザイン学院で学業を修めました。古代の陶器を愛し、博物館で多くの時間を過ごしたアブドゥルヴァヒドは、現在、特に地元の粘土を使い、伝統的な模様や技術を復活させるなど、国の遺産を活かした作品作りに意欲を示しています。また定期的に修復プロジェクトに参加し、歴史的遺跡の再建にも貢献。独特な作品を制作しつつも、常に歴史と国の伝統をインスピレーションの源として挙げています。アブドゥルヴァヒドは、革新性と普遍的価値のバランスを追求しており、美しさと節度を組み合わせることでそれを実現しています。

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会社概要

URL
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業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
1 Taras Shevchenko Str., Mirabad district, Tashkent, Uzbekistan
電話番号
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代表者名
Umerova G
上場
海外市場
資本金
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設立
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