米国管理会計士協会(IMA)、複雑化・国際化する日本のビジネス環境に対応できる管理会計専門家の育成を目指し、米国公認管理会計士(U.S.CMA)の受験言語に日本語も導入
日本国内で高まる需要に応え、これまで英語と中国語のみで受験可能だった米国公認管理会計士(U.S.CMA)資格試験に、対応可能な第2外国語として新たに日本語も追加
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事業向け会計およびファイナンス分野のプロフェッショナルの国際的な協会である、米国管理会計士協会(IMA®; 所在地:米国ニュージャージー州、日本支部プレジデント:石橋 善一郎、以下「IMA」)は、世界的に評価されている米国公認管理会計士(以下「U.S.CMA」)資格に日本語も導入し、2025年6月より日本語での受験が可能になることをお知らせいたします。これは、日本企業のグローバル化に伴い、経営課題がますます複雑化する中で、管理会計の専門知識を持つ人材の需要が高まっていることを受け、専門的な知識と資格を有する管理会計プロフェッショナルを日本でより多く育成することを目指しています。U.S.CMAの受験が可能な英語以外の言語として、日本語は中国語に次いで、二番目に対応する外国語となります。この取り組みは、IMAがグローバル化を推進し、日本の会計およびファイナンス分野のプロフェッショナルがグローバルな舞台で活躍できるよう支援するという強いコミットメントを示しています。
日本における管理会計の需要の高まりと現状の背景
日本企業のグローバル展開が加速する中、国境を越えた多様な規制環境への対応や、異なる財務報告基準への適応が求められ、事業運営や会計関連業務の複雑性が一層増しています。このような状況において、業務の最適化や的確な意思決定を支え、国内外の課題に効果的に対応するための知見やツールを提供できる管理会計の重要性は、これまで以上に高まっています。また、管理会計を導入することは、企業が国際的に認められた手続きやプロセスに適合することを可能にすることを意味します。
今日、日本企業における財務会計は、主に外部の利害関係者への財務報告に重点を置いています。また、日本では管理会計プロフェッショナルのための標準化された枠組みや管理会計プロフェッショナル専用の資格制度が欠如しており、日本企業において管理会計の役割が経理、経営企画、事業企画など複数の部署に分散しています。これは、欧米企業に見られるような中央集権的なFP&A(Financial Planning & Analysis)組織とは対照的です。このような国際標準とのギャップを埋め、企業がより複雑なグローバル市場で成功を収めるために、戦略的意思決定を実施し、事業の業績の向上を実現できる専門知識と資格をもつ管理会計プロフェッショナルがますます必要とされています。
1972年に資格認定が始まって以来、U.S.CMAは管理会計と企業財務における世界標準に適合する卓越した専門性を証明する資格として、長年にわたり広く認知されてきました。この資格を通じて管理会計プロフェッショナルは、進化し続ける現代の経営環境を乗り越えるために必要な分析力や戦略的思考、経営管理能力のスキルを得ることができます。
また、U.S.CMAの資格保有者の活躍により、企業は経営管理能力を一層強化し、増大する透明性や収益性、戦略的俊敏性の向上へのニーズにより効果的に対応できるようになっています。
日本では潜在的な受験者数が非常に大きいと見込まれているにもかかわらず、これまでU.S.CMAの試験が日本語で提供されていなかったため、受験者にとって英語による受験が大きな障壁となっていました。言語の壁が原因で、日本の管理会計プロフェッショナルはU.S.CMAの取得が困難であり、その結果、グローバルな米国公認管理会計士のネットワークへの参加も限られていました。このようなU.S.CMAへのアクセスのギャップは、FP&Aの専門知識が求められる日本企業において顕著に見られますが、その一方で、これらの日本企業では管理会計プロフェッショナルを支援するための体制が十分に整備されていない現状も明らかになっています。
U.S.CMAの試験言語に、日本語を導入するインパクト
日本企業がグローバル展開を加速する中、U.S.CMAが日本語で受験可能になることで、国内のより多くの管理会計プロフェッショナルがU.S.CMA資格を取得できるようになります。さらに、IMAはこの取り組みによって、現代のビジネス環境において、国内においてもより多くの管理会計プロフェッショナルが戦略的な経営意思決定に必要なスキルを習得することを可能にします。
U.S.CMA受験の日本語導入に関して「会計ファイナンス人材Conference 2025」でも紹介予定
U.S.CMAの受験可能言語に日本語が導入されることについては、IMAが下記の概要で登壇する「会計ファイナンス人材Conference 2025」でも紹介される予定です。
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日程:2025年3月8日(土)
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登壇パネルの時間:17時40分~18時35分
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会場:東京国際フォーラム セッション会場「ホール B7」
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セッション名:セッションD7「管理会計の進化:ファイナンスの新しいアプローチとの融合」
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イベント詳細:https://cpass-net.jp/accounting_finance_conference2025/
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登壇者:
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モデレーター:小西 晋也(米国管理会計士協会〈IMA〉日本支部 エンゲージメント担当バイスプレジデント)
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マイク・デプリスコ(米国管理会計士協会〈IMA〉会長兼CEO)
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石橋 善一郎(米国管理会計士協会〈IMA〉日本支部 プレジデント)
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鎗田 良信(株式会社日本代替投資研究所 代表取締役、米国管理会計士協会〈IMA〉日本支部 理事)
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小渕 貴裕(米国管理会計士協会〈IMA〉日本支部 プロフェッショナル教育担当バイスプレジデント)
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上記のセッションでは、労働人口の縮小やグローバルな管理会計プロフェッショナル人材の採用難などの要因によって引き起こされている日本国内における管理会計プロフェッショナルの不足とその影響、さらに今後の機会についても議論されます。
また、日本の管理会計プロフェッショナルがより多くU.S.CMA資格を取得できるようになることで、従来の財務報告・財務統制目的主体のCFO組織から、分析的かつ戦略的な経営管理目的主体のCFO組織への移行が、どのように日本企業において進むべきかについても議論されます。
米国管理会計士協会(IMA®)について
IMA®は管理会計プロフェッショナルの発展に専念する最大かつ最も高く評価されている職業人団体の一つです。IMAは世界的に研究、CMA®(Certified Management Accountant、米国公認管理会計士)、CSCA®(Certified in Strategy and Competitive Analysis、戦略・競争優位分析資格)認定プログラム、FMAA™(財務・管理会計アソシエイト資格)認定プログラムをはじめ、継続的な教育、ネットワーキング、そして最も高い倫理基準に基づいた事業慣行の推進を通じ、管理会計プロフェッショナルの発展に取り組んでいます。IMAは、The Accountant/International Accounting Bulletin誌から「Professional Body of the Year(年間最優秀職業人団体)」に2度選出され実績もあり、現在では150カ国で約14万人の会員と200以上の専門家および学生支部を有するグローバルネットワークを展開しています。アメリカ・ニュージャージー州モントヴェールに本社を構えるIMAは、米国大陸、中国、ヨーロッパ、中東・北アフリカ、インド、アジア太平洋地域の6つのグローバル地域を通じて、地域に密着したサービスを提供しています。
IMAの詳細はwww.imanet.org、U.S.CMAに関する詳細は、 https://asiapac.imanet.org/をご参照ください。
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