心ととのう駅 – JR九州、日本初の立体交差駅・折尾駅にて “懐かしくて、新しい香り” に包まれる、快適性向上に向けた実証実験を開始
〜移動の合間に、ひと呼吸。駅の質感を変える香り演出〜

■ “通過点”ではなく、“記憶に残る場所”へ
SOU FRAGRANCE(代表:折井茜)及び九州旅客鉄道株式会社(代表取締役社長執行役員:古宮洋二、以下、JR九州)は、2025年7月25日(金)より折尾駅の駅窓口空間における香り演出の実証実験を開始します。本企画は、駅で過ごすほんの数分間を、香りによって「快適で、心地よい体験」に転換し、利用者にとって駅が今よりも“好きな場所”へ変わる可能性を探るものです。
■ コンセプト:「心ととのう駅」
駅で過ごすほんの数分を、ただの“待ち時間”に留めるのではなく、
香りの力で、“快適さ”と“感情”のある体験へと転換できないか。
香りが生み出す、わずか数秒の「体感の記憶」。
それは、駅と人との新しい関係性のはじまりとなる。
香りには、まだ出会っていない世界の扉をそっと開く力があります。
目や耳が届かない場所にも、香りはまっすぐに届き、
それは時に、“もうひとつの感覚の軸”として、世界を広げてくれるのです。
たとえ視覚や聴覚が制限されていたとしても、
香りによってその人の世界はより豊かに、鮮やかに彩られるかもしれない。
同じ風景でも、香りが加わることで、そこに物語と記憶が流れ込んでくる。
香りは、日常を取り戻すための微細なレンズ。
「駅」という日常の空間にも、香りによって奥行きとぬくもりが宿るのです。
だから私たちは、香りそのものが美しく、品格あるものであるべきだと考えます。
一時的な刺激や、大量生産のためだけに作られた香りではなく、
“感性に寄り添い、心を震わせる香り”でなければ、人の記憶には残らない。
SOU FRAGRANCEが今回のプロジェクトでお届けする香りは、そうした哲学に基づいて調香されています。
それは、通過する駅を「記憶に残る場所」へと変える、ささやかな試みです。
■ 時間のレイヤーが重なる駅で、香りがひらく新しい記憶 — 『Awai – 折尾ノ香』に込めた想い
今回の舞台は、日本初の立体交差駅として知られるJR折尾駅(福岡県北九州市)。
2021年の再整備によって、駅舎はより美しく、そして便利になりました。
ホームや改札、動線は整理され、現代的な洗練を感じさせる構造へと生まれ変わりましたが、
一方で、ホームには今も駅弁の立ち売りが立ち、
大正時代から続く「あかるく、たのしい売り声」が駅の空気をやさしく包み込んでいます。
この場所を歩いたとき、私たちの中に浮かんだのは、“時間が交差する空間”という感覚。
それは、ただ建築が新しくなったという事実以上に、「記憶の層」と「今の暮らし」が静かに重なり合っている」という印象でした。
そこから生まれたのが、今回の香り『Awai – 折尾ノ香』です。

■ 『Awai – 折尾ノ香』に込めた願い
「あわい」とは、日本語にしか存在しない美しい概念です。
それは“間(ま)”、“ゆらぎ”、“つなぎ目”のこと。
私たちは今回、香りを通してこの「あわい」に光を当てたいと考えました。
過去と現在のあわい
公共と個人のあわい
日常と旅のあわい
こうした目に見えない交差点に、ふと香りが立ち現れることで、駅という空間を「記憶に残る場所」へと変え、思い出す人の心が香りでととのう。
それが私たちの願いです。
「時を巡る旅人の足元に、爽やかな柑橘が弾け、静かな森がささやく。大正から令和へ、折尾の風が語りかける。」木と柑橘の軽やかさと落ち着きをテーマに調香しました。ピンクグレープフルーツのフレッシュさ、ユーカリシトリオドラの爽やかさ、ヒノキの静けさ、フランキンセンスやサンダルウッドの深み、ベンゾインの温かみなど、天然精油100%を使用しています。
香りの移ろいを通して、折尾駅を行き交うすべての方に、ふと立ち止まり、深呼吸したくなるような“ととのいの時間”をお届けします。




■折尾駅 駅長コメント
“懐かしくて、新しい”折尾駅にふさわしい香りが完成しました。
香りのコンセプトは駅社員と共に検討し選びました。訪れるお客さまに心地よい時間と空間を提供できるよう、社員一同お客さまに寄り添ったご案内を心がけています。
香りは記憶に直結するため、折尾の思い出をお持ち帰りいただければ幸いです。
— 折尾駅 駅長:水嶋 法子様

■場所・時間
JR九州 折尾駅 みどりの窓口内
〒807-0825北九州市八幡西区折尾1-12-1 折尾駅
営業時間 7:30~20:00 年中無休
■香りの演出期間
2025年7月25日(金)~2025年8月24日(日) 予定
■今後の展開について
本実証を通じて、以下の点を検証・記録します:
・香りによる空間快適性・滞在印象の変化
・駅利用者の感情的記憶への影響(アンケート調査を予定)
・地域素材を用いた空間演出の可能性
・香りと駅ブランディングの親和性
実証結果をもとに、他駅・他施設への展開や、都市空間における感性価値の創出を目指してまいります。
私たちは今後、香りを通じて「感性でまちを再発見する」取り組みを各地で展開していく予定です。
香りの原料には地場の素材や未活用資源を活かし、地域と都市、過去と未来を、香りでつなぐデザインを提案していきます。

■ 香りと社会の「調和」をめざして —SOU FRAGRANCE・折井茜
香りには、人の心を動かす大きな力があります。
それは、感情をやわらげ、空間を快適にし、記憶や風景に深みを与えるもの。
一方で、「香害」という言葉があるように、香りは時に不快感や体調不良を引き起こすこともあり得ます。
代表・折井茜は、香りの専門家である前に、一人の生活者として、香りに敏感に反応してしまった経験があります。
だからこそ、香りの「力」と「暴力性」の両面を理解し、その影響に真摯に向き合いたいと考えています。
“人と人のあわい”に存在する香りが、誰かを追い詰めないことを大切にしています。
その実現のために、石油由来の化学香料ではなく、天然精油100%のみを使用。
花や葉、木の根などから抽出された香りには、それぞれ薬理的な作用があり、香り自体が呼吸や神経、心身の安定に寄与する可能性があります(例:自律神経の安定、抗菌、抗カビ、免疫サポートなど)。
また、合成香料には成分表示義務がない一方、天然精油はその由来が明確であり、香りに対して誠実であるという意味でも、私たちは「見えない部分の質」をもっとも重視しています。
駅という公共空間に香りを届けるからこそ、その香りが「快適であると同時に、安全であり、豊かであること」。
それが、SOU FRAGRANCEの変わらぬ哲学です。

代表:折井茜(フレグランスプランナー)
所在地:東京都世田谷区
事業内容:天然素材を使用した空間香り演出・地域素材の精油化・フレグランス開発・記憶と香りをつなぐ体験設計
主な実績:企業とのアドバイザリ契約、セレクトショップ香り設計、イベント/ブースでの香りデザイン演出など
■本件に関するお問い合わせ
SOU FRAGRANCE
担当:折井
メール:soufragrance@gmail.com
WEB:https://soufragrance.com
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