88.5%の先生方が、生徒・学生に積極的に辞書を使用してほしいと「思う」と回答

辞典の使用に関するアンケート調査

辞典協会

辞典を刊行する出版社13社が加盟する辞典協会(事務局:埼玉県戸田市・株式会社日教販内、理事長:鈴木一行)では、教職員、学習支援従事者など教育関係者15,008名を対象に、辞典の活用実態や辞典使用に関する考え方について、アンケート調査を実施致しました。

近年、GIGAスクール構想により全国の公立小・中学校において1人1台端末が整備されるなど、教育環境が大きく変化しています。また、辞典を取り巻く環境に目を向けると、従来の紙の辞典に加え、電子辞書、辞書アプリ、ネット検索など、その形態が多様化しています。紙、デジタルという違いを超えて、辞典というコンテンツがどのように捉えられているか、どのような学習効果が期待されているか、辞典活用の実態に迫りました。

Q 1) 生徒・学生に辞書の使用を勧めていますか?

全体では約70%が、生徒・学生への辞書使用を勧めている、という回答でした。その中でも、小学校および中学・高校の国語・英語の先生は、80%以上が辞書の使用を勧めていました。

紙、電子を問わず辞書利用を勧めている」が最も多く、続いて「紙の辞書を勧めている」が多くなっています。ちなみに、小学校では「紙の辞書を勧めている」が46.7%と最も高く、「言葉の意味」等を調べる方法として「紙の辞書」を勧めていることが窺えます。

Q 2) 生徒・学生への語彙指導に最も相応しいもの・役立つものは?

下のグラフは小学校と中学校、高校で言語系の科目を担当する先生方の回答を抽出したもの

「紙とデジタル」が40%と最も多く、続いて「紙の辞書」が35.7%でした。

先生方の所属・担当教科別にみると、小学校、中学校(国語)では、「紙の辞書」が50%を超えています。この学習段階では「紙の辞書」が有効な語彙指導ツールと認識されていることが伺えます。

一方で、「電子辞書」「Google等検索エンジン」は総じて低い傾向にありますが、高校(英語)では「電子辞書」26.6%と、他と比較し10%以上高くなっています。教科の性質上、電子辞書の利便性などが評価されているものと思われます。

「紙の辞書」が語彙指導に相応しい・役立つツールと認識されつつ、技術の進歩、利便性の観点で、「紙とデジタル」の併用が進んでいる状況が推測されます。

Q 3) 辞書を使うことでどのような力がつくと考えますか?(複数回答可)

全体では、「語彙力」が71.7%と最も多く、続いて「情報収集力」58.5%、読解力、表現力の順番となっています。

所属、担当教科別にみると、小学校、中学校(国語・英語)、高校(国語・英語)では、「語彙力」が8割を超えており、辞書が「語彙力」を身につける重要なツールであると認識されています。

ちなみに、中学校(英語)、高校(英語)では「表現力」が「読解力」を上回っていました。辞典で言葉を調べることで、近年の英語学習で求められる「話す」「書く」といった「表現力」が身につくことも期待されています。

Q 4) 辞書を使用しているほうが、生徒・学生の学力が向上すると思われますか?

「とても思う」「思う」で86.7%と9割近くが、辞書使用により学力が向上すると回答しました。

その理由として、以下の回答がありました。

・例文や語句の由来、同義語、対義語など一つの単語から背景や多くの情報が得られる

・調べる習慣、調べ学習によって学習能力が上がるから。

・探す根気強さと見つけるまでの情報収集力、語彙力の増加は学力の向上につながると思うため。

・自分自身で調べた方が記憶に残り、理解が深まると思うから。また、関連する言葉などへ関心が広がると思うから。

・曖昧な言葉を調べる習慣から、確実な知識の蓄積につながるから。

Q 5) 生徒・学生に積極的に辞書を使用してほしいと思いますか?

「とても思う」「思う」で88.5%と、9割近くが生徒・学生に辞書を積極的に使用してほしいと思っている、と回答しました。

その理由として、以下の回答がありました。

・辞書引くことが、学力向上につながる。

・調べることはスマホやネットを使うだけではないことを知ってもらいたい。さまざまなツールを使いこなすという意味で、辞書を扱えるようにしていけば、知識や視野が広がる。

・知識と共に、自分が必要とする情報を得るための判断力や思考力を養えるから。

・スマホなどで簡単に答えを求めるのではなくて、一手間かけて調べることで知識・粘り強さなどが身につくから。

・力がつくと思うし、インターネット上の真偽不明な情報を持ってきてほしくないから。

・何をするのも面倒くさいと言う子が増えている。知識が増えることの楽しさを知って欲しい。

アンケートのまとめ

紙、デジタルの違いはともかくとして、辞典の使用に対して一定の学習効果が期待され、辞典を使ってほしいと考えられていることがわかりました。辞典を使用して「調べる」ことで、学習習慣が身につき、言葉への関心が高まることも期待されているようです。

また、時代・環境の変化を背景として、児童・生徒の発達段階に応じて、「紙」から「紙とデジタル」の併用へと、勧めるツールが移行していることも推測されます。

紙の辞典が持つ「信頼性・情報量」、デジタルの辞典の持つ「機能的利便性」、それぞれの良さを伝え、その有用性を感じていただけるよう、今後も研究を重ねてまいります。

アンケート概要

調査名  辞典の使用に関するアンケート

調査期間 2024年12月5日~12月19日

調査対象 教職員・教育/学習支援従事者

回答数  15,008

調査方法 インターネットアンケート

辞典協会について

1946年4月に発足し、辞典の普及とその質的向上の促進を目的として活動しています。現在の加盟出版社は13社。事務局は株式会社日教販に置かれています。辞典・事典・図鑑・六法をまとめた唯一の目録である「優良辞典六法目録」の刊行や書店向けの拡材製作などを通じて、辞典の有用性の普及に取り組んでいます。

HP:https://www.jitenkyokai.gr.jp/

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業種
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本社所在地
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048-441-9222
代表者名
鈴木一行
上場
未上場
資本金
-
設立
1946年04月