【提言】ジユウ研究所「情報からの自由」
情報メディアリテラシシーから⾃由を考える
「自由」に関して調査・研究を行っているジユウ研究所(代表理事:松尾勉)では、ネットメディアやソーシャルメディアが主流となる社会にあって、私たちの自由は広がっていると同時に新たな脆弱性にもさらされていると考え、この度「情報からの自由」と題する提言を公表しました。
私たちが実施した情報に関するアンケート調査の結果からは情報メディア環境が大きく変化している様子が見られ、こうした変化をきちんと受け止めた上で情報メディアリテラシーのあり方を再考し、私たち一人ひとりが自由への意識をもつことの重要性を提言しています。
<提言全文>
<提言のポイント>
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情報メディア環境の変化に伴い、私たちの自由は広がっていると同時に新たな脆弱性にもさらされている。
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自由の安定的な実現には、とりわけ政治や行政などの分野において、多面的に情報が流通し、価値観の違う情報にも触れながら社会的な意思決定を行うことが重要。
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ネットメディアやソーシャルメディアがもたらす画一性や、価値観が同じ人同士でしか信頼が生まれない「信頼のフィルター」が社会分断の根幹になっている。
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こうした環境を認識し、自らの言動とその元となる「情報の確からしさ」との関係を考え、普段接する特定の情報メディアによって私たちの判断が規定されないようメディア分散を意識するとともに、自由と向き合う際の精神的な拠り所を「自己」にも求めることで、「情報からの自由」を実現する。
<アンケート調査結果の概要>
アンケート調査の概要
・インターネット調査会社を活用して実施
・調査日:2024年11月、2025年1月の計2回実施
・調査人数:各調査で1000人ずつ(男女半々、各年代から均等になるように人数を調整)
調査結果のポイント
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とりわけ近年大きな変化の主流になっているのがネット/ソーシャルメディアであり、私たちが行ったアンケート調査によれば今やマスメディア(テレビ/ラジオ、新聞)より活⽤度で上回る結果となった。また、情報の信頼度も両者が拮抗する結果となった。【アンケート調査①、②参照】
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情報源の信頼度を聞いたところ、専⾨家33%、⾏政機関18%、マスメディア 17%、個⼈17%、インフルーエンサー8%、政治家0.7%などといった結果が出ており、これまで信頼されていたと考えられる行政や政治の信頼が失われつつあることが伺えた。【アンケート調査③参照】
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ソーシャルメディアやネットメディアで情報を得る際に、60%程度の人があまり出典元を気にしていないことが分かった。【アンケート調査④参照】
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自由でいるためにソーシャルメディアやネットメディアの活用について「情報メディアリテラシー(メディアごとの性質を理解して適切な情報を得ること)」が重要だと思っている人が約36%で最も多かった。【アンケート調査⑤参照】
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アンケート調査①
日常的に情報収集する情報メディア(複数回答可)についてアンケート調査を行ったところ、ネットメディアが64%、ソーシャルメディアが49%、テレビ/ラジオが56%、新聞が25%、等となっており、ネット/ソーシャルメディアの⽅がマスメディア(テレビ/ラジオ、新聞)より活⽤度で上回る結果になった。若年層ではネット/ソーシャルメディアを活⽤している傾向がより強かった。

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アンケート調査②
最も信頼できるメディアは何かについても調査したところ、ネットメディア 28%、ソーシャルメディア 18%、テレビ/ラジオ 30%、新聞15%となっており、ネット/ソーシャルメディアとマスメディア(テレビ/ラジオ、新聞)はほぼ拮抗している状態となった。

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アンケート調査③
ネットメディアやソーシャルメディアの引⽤元である情報源にフォーカスした信頼度調査(どの情報源が⼀番信頼できるか)については、専⾨家33%、⾏政機関 18%、マスメディア 17%、個⼈ 17%、インフルーエンサー8%、書籍・雑誌 6%、政治家 0.7%との結果となった。

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アンケート調査④
ソーシャルメディアやネットメディアの出典元を意識していているか調査したところ、全く意識していない24.5%、たまに意識するようにしている34.9%、ときどき意識するようにしている25%、いつも意識するようにしている15.6%という結果となった。

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アンケート調査⑤
精神的に自由でいるために、ソーシャルメディアやネットメディアの活用に関して重要だと思うことについて調査したところ、情報メディアリテラシー(メディアごとの性質を理解して適切なニュースで情報を得ること)が36.7%となり最も多くの人が重要だと回答する項目となった。

一般社団法人ジユウ研究所
一般社団法人ジユウ研究所は個人の自由や自由主義に関する調査・研究を行うシンクタンクです。日本ならではの自由のあり方や、テクノロジーや資本主義の進展と自由の関係を再考し、提言を行なっています。
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