東京・京都で料理教室「KUJIRA Recipe Lesson」を開催 学校給食関係者ら約100名が鯨肉レシピを実践

~未来へつなぐ、クジラの恵み~

一般財団法人日本鯨類研究所

一般財団法人日本鯨類研究所(理事長:藤瀬良弘、東京事務所:東京都中央区)は、2026年9月6日(日)に東京、19日(土)に京都で、料理教室「KUJIRA Recipe Lesson」を開催しました。学校給食に携わる方々や一般の方を対象に、日本の伝統的な食文化である鯨肉料理の魅力を、次世代の子どもたちへ伝えてもらうことを目的としたものです。

会場は、東京会場が学校法人服部学園 服部栄養専門学校、京都会場が学校法人大和学園 京都調理師専門学校。それぞれの学校の講師を迎え、オリジナルレシピを含む鯨肉料理の調理実習を行いました。

「KUJIRA Recipe Lesson」で鯨肉の調理に取り組む参加者と、完成したくじら料理

料理教室は2部制で実施しました。第1部では、研究所職員がクジラの生態や商業捕鯨再開後の捕獲制度、高たんぱく・低カロリーという栄養特性、全身を余すことなく活用する食文化の価値について解説。第2部では、学校給食への導入を想定し、実践的な調理ノウハウを学ぶ講習を行いました。

また、当研究所が実施する「クジラ博士の出張授業」も紹介。和食がユネスコ無形文化遺産に登録されていることを背景に、次世代への食文化継承の大切さを伝えました。

両会場とも、調理・試食の後には参加者から講師や職員への質問が相次ぎ、活発な意見交換の場となりました。

【9月6日(日)東京会場レポート】

給食の悩みに答える、“鯨肉をやわらかくする技”

東京会場(服部栄養専門学校)の様子

東京都渋谷区の服部栄養専門学校で開催した東京会場では、当研究所 図書広報室 係長の早武真理子と、同校 調理技術部(日本料理)の一枚田清行教授が登壇しました。

講義を行う当研究所 図書広報室 係長の早武(東京会場)

早武による講義では、クジラの生物学的特徴から種の多様性と分類方法、現在の捕獲対象種、当研究所が行う調査の詳細までを幅広く紹介。資源の持続可能な利用に向けた取り組みに、参加者は熱心に耳を傾けていました。

さらに、学校給食への導入を後押しする制度として、共同船舶株式会社の「公益需要助成事業」も取り上げました。給食で鯨肉を使う際に費用の一部が助成される仕組みで、竜田揚げなど子どもが食べやすい調理法とあわせて、給食での活用を呼びかけました。

一枚田教授による調理実習では、学校給食に取り入れやすい和食ベースの鯨肉料理4品を実演。オリーブオイルに漬けて肉をやわらかく仕上げる下処理や、皮脂肪と新鮮な皮を組み合わせ、うまみと食感を両立させる工夫など、調理のポイントが紹介されました。

油に漬け込む下処理は、一晩、少なくとも6時間ほどおくのが理想です。朝から2時間ほどしか確保できない給食調理でも一定の効果はあり、手でもみ込むことで、よりやわらかくジューシーに仕上がると説明されました。

調理を実演する一枚田清行教授(東京会場)

くじら汁に使う皮は、煮込むほどやわらかくなり、前日から煮込むと溶けるほどになる一方、当日にさっとゆでると歯ごたえが残ります。皮の硬さは種類や部位によっても異なるため、子ども向けには煮込んでやわらかくするほか、薄く切ってかみ切りやすく、のみ込みやすくする工夫も紹介されました。また、天ぷらは卵を使わず片栗粉で衣をつけることで、冷めてもカリッとした食感に。卵アレルギーへの配慮が必要な給食にも取り入れやすい一品です。

参加者の質問に答える一枚田教授

質疑応答では、給食の現場ならではの相談も寄せられました。鯨肉が1.5cm角で納品される場合、焼くと硬くなりやすいという悩みに対しては、前日調理ができないときの一案として、まいたけと酒に約1時間漬けてから一緒に炒める方法が提案されました。

参加者からは「照り焼きは油をまぶして焼くため、想像以上にやわらかく感じられた」「大和煮の缶詰で手軽につくれる酢の物のおいしさに驚いた」「皮は煮込み加減で食感が変わると知り、子どもの年齢に合わせて調理を工夫できそう」といった声も集まり、笑顔の絶えない時間となりました。

調理実習に取り組む参加者
完成した料理を試食する参加者

[当日のメニュー(4品)]

東京会場で調理した鯨肉料理
くじらの照り焼き
  1. 「くじら大和煮の酢の物」

  2. 「くじらの照り焼き」

  3. 「くじらの天ぷら」

  4. 「くじら汁」

 【9月19日(土)京都会場レポート】

竜田揚げと肉じゃがで、鯨肉を普段の献立へ

京都会場(京都調理師専門学校)の様子

京都府京都市右京区の京都調理師専門学校で開催した京都会場では、当研究所 図書広報室 室長の久場朋子と、同校の宗川裕志先生(産学・地域連携推進グループ グループ長/日本料理)、今西好治先生(日本料理講師)が登壇しました。

講義を行う当研究所 図書広報室 室長の久場(京都会場)

久場による講義では、京都府伊根町の伊根浦で江戸時代から大正初期まで続いた捕鯨の記録や、捕獲したクジラを弔う浜供養祭の風習を紹介。地元・京都にも根づいていたクジラとのかかわりに、参加者からは驚きの声が上がりました。

また、目視調査や衛星標識による追跡など、クジラを捕獲せずに資源の状態を把握する調査についても解説しました。さらに、東京会場と同じく「公益需要助成事業」にも触れ、給食への導入を具体的に検討するための情報を届けました。

2教室で同時に行った調理実習
調理を実演する宗川裕志先生

京都会場の調理実習は2教室で同時に行い、宗川先生と今西先生がそれぞれの教室を担当。「くじらの竜田揚げ」と「くじらの肉じゃが」の2品を調理しました。竜田揚げでは、赤身は繊維を断ち切るように5mmほどの厚さに切ると、やわらかく仕上がることを説明。下味をつけて10分ほどおき、160~170度の油で揚げるコツも伝えました。

肉じゃがでは、下ゆでした鯨の皮を最初に炒めて脂を引き出し、その脂で野菜を炒めることで、一番だしの風味にクジラならではのコクを重ねました。どちらも家庭や給食で親しまれている献立のため、普段のメニューに鯨肉を取り入れる方法として参加者の関心を集めました。

講師の指導を受けながら調理する参加者
講師と言葉を交わす参加者

試食では「切り方ひとつで、赤身がこんなにやわらかくなるとは思わなかった」「皮の脂で野菜を炒めると、肉じゃががぐっと深い味わいになる」「なじみのある献立なので、給食にも取り入れやすそう」との感想が寄せられ、鯨肉を身近な食材として捉え直す機会となりました。

[当日のメニュー(2品)]

くじらの肉じゃが
くじらの竜田揚げ
  1. 「くじらの肉じゃが」

  2. 「くじらの竜田揚げ」


【学校給食への導入に向けて】

学校給食への取り入れ方についての質疑応答のひととき
くじら料理を囲んで広がる対話

学校への導入の進め方にも、両会場で参加者の関心が集まりました。当研究所からは、まずクラブ活動や家庭科の授業で取り入れる方法を例に挙げ、「クジラ博士の出張授業」の活用も案内しました。

また、保護者などから捕鯨の是非について意見が寄せられた場合を心配する声もありました。これに対しては、調査捕鯨から商業捕鯨へ移行した背景を説明したうえで、商業捕鯨の再開後は日本の海域で捕獲したクジラを国内の食用としていること、魚や畜産物、ジビエと同じく命をいただく食材として扱っていることを伝えました。

学んでつくって味わう体験。参加者同士の交流も広がる

終了後には、多くの参加者から「とても有意義な時間だった」「参加してよかった」といった声が聞かれました。クジラについて学び、自ら調理して味わった体験が、鯨肉を給食で生かす具体的なイメージにつながりました。

捕鯨を取り巻く事情を正しく理解したうえで、子どもたちにクジラの恵みを伝えてもらいたいーー。当研究所は今後も、学校給食関係者や一般の方に向けた料理教室や出張授業などを通じて、クジラに関する科学的知見と鯨食文化を次世代へつなぐ取り組みを続けてまいります。


【研究所概要】

名称:一般財団法人日本鯨類研究所

理事長:藤瀬良弘

東京事務所:〒104-0055 東京都中央区豊海町4-5 豊海振興ビル5階

太地事務所:〒649-5171 和歌山県東牟婁郡太地町太地1770-1

設立:1987年

事業内容:鯨類その他の海産哺乳動物に関する試験研究・調査、および関連する国際情勢の調査等

ホームページ:https://www.icrwhale.org/

【本件に関する報道関係者のお問い合わせ先】

セミナー事務局(株式会社ポプラエデュケーション内)担当:伊藤・長谷川

TEL:03-5877-8165 MAIL:info@danbiz.co.jp 

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会社概要

一般財団法人日本鯨類研究所

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URL
https://icrwhale.org/
業種
水産・農林業
本社所在地
東京都中央区豊海町4-5 豊海振興ビル5階
電話番号
03-3536-6521
代表者名
藤瀨 良弘
上場
未上場
資本金
-
設立
1987年10月