骨再生医療の近未来 ― Smart Bone Bank™ ―
CT-Boneとスマートボーンバンク※による革新 ※スマートボーンバンク:臨床的付加価値を高める革新的な技術基盤
スマートボーンバンクは、手術計画ナビゲーションデータから骨の欠損部の形状構造データを抽出してCT-BoneのCAD設計を担う臨床連携プラットフォームです。ナビゲーション手術情報をもとに、CAD設計を用いて最終加工を施すことで、術者の負担を軽減し、以下のような効果を生み出します:
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高い形状親和性で短時間埋入可能
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固定力の向上・再手術リスクの軽減
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術時間の短縮による院内効率化

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製品 |
内部構造 |
製造方式 |
特徴 |
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CT-Bone |
Gyroid/Schwarz P |
3Dプリント |
カスタム対応・高精度 |
患者のCT画像データを使って外科手術ナビゲーションソフトで手術計画を作成し、骨の切除3次元データを抽出します。その3次元データをスライス化して3Dプリンターで形状と内部構造を含めて患者の骨欠損に適合した移植用の人工骨が成形できます。

手術計画中にナビゲーションソフトを使用して切除部位形状を決定します。その切除予定の3次元形状のデータを用いて、切除部位形状の人工骨を3Dプリンターで造形します。
外観経常のみならず内部構造も強度を保持しながら骨細胞や血管の侵入しやすい連通孔を設けることにより、骨代謝を促進して移植人工骨が自骨になる骨置換を早めます。

さらに、スマートボーンバンクは既存の医療施設内ボーンバンクの転用が可能であり、地域医療でも高度で安全な骨再建医療の提供が可能となります。
優位性比較:従来のボーンバンク vs CT-Bone,スマートボーンバンク

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比較項目 |
従来のヒト同種骨移植 |
CT-Bone、(スマートボーンバンク連携) |
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供給の安定性 |
検体依存による不安定供給 |
合成素材ベースによる安定製造供給 |
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感染・倫理的懸念 |
宗教・文化的制約、 感染リスクあり |
合成素材により制約なし、 安全性確保 |
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適合性 |
汎用サイズに基づく設計、 術中調整が必要 |
CT画像由来の個別設計 +CAD加工により高い形状親和性 |
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整体活性・治癒能力 |
骨再生能力に個体差、 再建の予測性が低い |
OCP/CDHA+微細構造により高い骨誘導性と治癒速度 |
従来のヒト同種骨移植は献体依存のため供給が不安定であり、感染リスクや宗教的・倫理的制約も伴います。また、汎用サイズ設計により術中調整が必要で、骨再生能力にも個体差があるため予測性に乏しい点が課題です。これに対し、CT-Boneとスマートボーンバンクは合成素材を用いた安定供給が可能で、感染・倫理的懸念がなく安全性が高いのが特長です。CT画像に基づく個別設計と3Dプリンター造詣により高い形状親和性を実現し、OCP/CDHA素材と微細構造により優れた骨誘導性と治癒速度を発揮します。
世界の医療課題への挑戦
世界人口81億人の中で、約50億人以上が骨欠損や整形外科的疾患に悩まされながら、Bone Bankからの献体骨へのアクセスに困難を抱えています。
宗教・文化的制約や感染リスク、供給不足などによって、移植骨治療の公平性と有効性が損なわれている現状があります。
Smart Bone Bank™は、骨医療の公平性・倫理性・精密性を兼ね備えたグローバルソリューションです。献体骨が利用困難な地域においても、形状自由度と生体活性を維持しながら再建医療を提供できる点で、以下の課題に正面から応える技術といえます:
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供給格差の是正
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宗教・文化的禁忌の回避
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個別医療への最適化
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再生医療としての治癒促進力
これらは、WHO・ISOLSなどの国際機関、ならびに中東・アジア・アフリカ等での導入実績を通じてグローバル移植骨不足の民主化へ貢献を目指します。
結語と展望
CT-Boneとスマートボーンバンクの連携は、単なる人工骨供給を超え、患者個別化設計 × 高精度医療 × 世界規模の医療格差解消という三層構造のイノベーションを実現します。
㈱ネクスト21は、Smart Bone Bank™を通じて“公平で精密な骨再生医療”を世界中に届けていきます。
この画期的な骨再生技術は、日本国内の実用化助成制度(経産省NEDO, 医薬基盤・健康・栄養研究所)および、東京大学との共同研究によって実用化されました。
厚労省からのNext21製品の承認情報
販売名:CTボーン 一般名称:人工骨インプラント
承認番号:23000BZX00099000 承認日:平成29年5月12日
販売名:ウルトラフレックスメッシュプレート 一般名称:体内固定用プレート
承認番号:22500BZX00458000 承認日:平成24年12月5日
問い合わせ先:
株式会社 ネクスト21 鈴木 茂樹
〒113-0033
東京都文京区本郷3-38-1本郷信徳ビル8F
TEL:03-5840-8830 FAX:03-5840-8831
Mobile : 090-6107-3670
E-mail:suzuki@next21.info
HomePage:http://www.next21.info
データ-1
■ CT-Bone OCP人工骨の市場性の根拠となる数値
対象疾患
整形外科:骨及び関節軟骨の悪性新生物、挫滅損傷及び外傷疾患、脊柱管狭窄性等脊柱疾患
歯科:抜歯、のう胞摘出、骨欠損、サイナスリフト
対象患者数(人)
整形外科領域での対象となる疾患と患者数は以下の表に示す通りである。脊椎の固定に際しては幅広く使用できる可能性がある。広く”脊椎障害”に属する患者は 116 万人にのぼる注1。
そのため脊椎における潜在的な需要は大きく、さらに使用される場合は莫大な量の人工骨を使用する(100[g]単位で使用される)ことになるので、人工骨の使用量は非常に大きい。
歯科領域では、抜歯窩への埋入、のう胞摘出後の補填、骨欠損(先天性、感染性、外傷性、腫瘍性)部への補填、サイナスリフト術における使用などが考えられる。具体的な使用例としては歯周病による骨欠損のような疾患が考えられるが、”歯肉炎および歯周疾患”患者は 200[万人]にのぼる注1。さらに、”その他の歯及び歯の支持組織の障害”患者も 187万人にのぼる注1。個別の症例ごとの患者数は不明だが、2%の患者が本製品の適用にあたると考えている。

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国・地域 |
疾患名 |
人数(人) |
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日本 |
骨及び関節軟骨の悪性新生物 注1 骨折等外傷疾患 注 2 脊柱管狭窄性等脊柱疾患 注 3 (参考疾患) 脊椎障害 注1 歯肉炎および歯周疾患 注1 その他の歯及び歯の支持組織の障害 注1 |
2,000 83,800 2,758 (1,163,000) (1,997,000) (1,874,000) |
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米国 注4 |
骨及び関節軟骨の悪性新生物 骨折等外傷疾患 脊柱管狭窄性等脊柱疾患 (参考疾患) 脊椎障害 歯肉炎および歯周疾患 その他の歯及び歯の支持組織の障害 |
4,405 184,560 6,074 (2,561,000) (4,398,000) (4,127,000) |
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欧州(EU)注5 |
骨及び関節軟骨の悪性新生物 骨折等外傷疾患 脊柱管狭窄性等脊柱疾患 (参考疾患) 脊椎障害 歯肉炎および歯周疾患 その他の歯及び歯の支持組織の障害 |
7,184 301,030 9,906 (4,177,000) (7,173,000) (6,731,000) |
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中国 注6 |
骨及び関節軟骨の悪性新生物 骨折等外傷疾患 脊柱管狭窄性等脊柱疾患 (参考疾患) 脊椎障害 歯肉炎および歯周疾患 その他の歯及び歯の支持組織の障害 |
20,580 862,200 28,379 (11,964,000) (20,544,000) (16,278,000) |
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小計 |
(国内)参考疾患除く 参考疾患含む |
88,558 (5,122,558) |
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小計 |
(海外)参考疾患除く 参考疾患含む |
1,419,493 (82,372,493) |
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合計 |
参考疾患除く 参考疾患含む |
1,508,051 (87,495,051) |
厚生労働省患者調査(平成 17 年)患者数より。
厚生労働省患者調査(平成 17 年)総患者数より、「頭蓋骨及び顔面骨の骨折」、「頚部,胸部及び骨盤の骨折(脊椎を含む)」、「大腿骨の骨折」、「その他の四肢の骨折」、「多部位の骨折」、「部位不明の骨折」、「挫滅損傷及び外傷性切断」の総数平成17年度 保健・衛生行政業務報告 厚生労働省大臣官房統計情報部編 財団法人 厚生統計協会,P450,特定疾患医療受給者証所持者数 平成17年度末 広範脊柱管狭窄症日本国内患者数に米国との人口比を乗じて算出。(日本の人口は総務省統計局発表の平成19 年総人口総数127,777千人、米国の人口は「”National Population Estimates,” June 18,2003.U.S. Census Bureau, “Census 2000”(国勢調査)」より2000 年(平成12 年)の人口281,421 千人とした。)
外務省公表の各国・地域情勢よりEU 人口を459,000 千人(2005 年1月)とし、米国との人口比を乗じて算出。
外務省公表の各国・地域情勢より中華人民共和国人口を 1,314,480 千人(中国国家統計局2006)として日本との人口比を乗じて算出。
データ-2
■ OCP人工骨の世界で要望される根拠となる数値
世界人口81億人の中で、約50億人以上が骨欠損や整形外科的疾患に悩まされながら、献体骨へのアクセスに困難を抱えています。宗教・文化的制約や感染リスク、供給不足などによって、移植骨治療の公平性と有効性が損なわれている現状があります。

推定人口割合と不足状況
以下は概算に基づく推定です:

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区分 |
主な国 |
人口(概算) |
世界人口に占める割合 |
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🟩 機能している国 |
米国、ドイツ、豪州など |
約10億人 |
約12.5% |
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🟨 限定的に存在 |
日本、韓国、インドなど |
約2.5億人 |
約3% |
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🟥 機能していない国 |
多くのアジア・アフリカ諸国 |
約67.5億人 |
約84.5% |
つまり、世界人口の約85%がボーンバンクの制度的恩恵を受けていないと推定されます。
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骨移植の需要は高齢化や外傷治療の増加に伴い世界的に増加しています。
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ボーンバンクの整備には法制度、倫理基準、インフラ、感染症管理など多くの課題が絡むため、普及が遅れています。
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WHOや国際移植学会などがガイドラインを示しているものの、実装は各国の医療制度に依存します。
このような医療ギャップに対し、CT-BoneによるSmart Bone Bankは“創造する人工骨”として非献体型で提供可能な治療選択肢を提示します。さらに、合成人工骨によるスマートボーンバンクとの連携により、患者個別に最適化された骨再建を高精度かつ安定的に実現可能です。
用語解説:
1) CT-Bone
3Dプリンターで3次元成形する低結晶性リン酸オクタカルシウム(OCP)射出成型人工骨:OCP は特殊なリン酸カルシウムで、骨形成に最適な材料であるが、OCP を加工して任意の形状を作ることが永年の研究でも困難であった。Next21と東京大学を中心とする研究グループは、αTCPからの再結晶化法を組み合わせて、3次元形状を作ってから OCP結晶化処理することに成功した。CAD で設計することで任意の形状の人工骨を自由な形状/構造に成形できる。
2) 他家骨(Allograft):
ボーンバンクに献体された死体から摘出した骨。他家骨を使用する場合には、自分の身体の健全な骨の摘出手術は必要ないが、他の臓器移植で見られるようなボーンバンク制度が必要になる。他人の骨を使うため、倫理的な問題や感染症の可能性がある。
3) 自家骨(Autograft):
自分の身体の健全な部分(足や腰)から採取した骨。採取する際に身体への負担が大きいのはもちろん、手術時間も長くなる。また欠損部分が大きい場合には自家骨を用いる方法は使えない。
4) 人工骨(Synthetic graft):
化学的合成を伴う人工骨であり、燐酸カルシウムを固化させ、1000℃以上で焼結させた HA(ハイドロオキシアパタイト)人工骨や、比較的低温の 800℃程度で焼結させた β-TCP(β-リン酸三カルシウム)人工骨がある。安全性は高いが骨形成・癒合・置換能が生体由来骨に劣っており、米国では骨移植手術症例の 70%が骨バンクからの他家骨移植である。
5) 新生骨侵入:
人工骨の隙間に新しい骨が侵入して、移植人工骨の機械的強度が向上すること。 新生骨の侵入速度が速く、到達深度が深いことが望まれる。
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