科学的アプローチで”匠の技”を魅せる・学ぶ—建設技能を未来につなぐ産学連携プラットフォーム:Science Behind the Skills®を公開
~科学の力でゲンバの未来を拓く~
株式会社光建(代表取締役:正田光次朗)は名古屋市立大学(理事長:郡 健二郎)の横山清子教授、愛知文教女子短期大学(学長:富田 健弘)の砂田治弥准教授と共同で、建設技能の“視える化”を通じて学習と魅力発信を行うプラットフォームScience Behind the Skills®(SBS)を2025年12月3日に公開しました。SBSは「ゲンバを科学する」ことで、熟練技能の本質をデジタル技術で伝える、新しい学びと発信の場です。

背景
激甚化する自然災害、老朽化インフラやエネルギー構成の変化への対応など、建設業の重要性は増す一方で、人材不足と技能者の高齢化が深刻化しています。労働環境の整備に加えて、熟練技能の「見えにくさ」や「伝えにくさ」が若年層への魅力発信や技能継承を阻む一因とされています。
こうした課題に対して株式会社光建と名古屋市立大学は2022年から共同研究を開始し、人間工学・データサイエンス・芸術工学を融合し、熟練者の技能を科学的に可視化・定量化する取り組みを行ってきました。その成果をまとめ、学習効果の向上と技能の価値発信を目指すプラットフォームとして開発されたのがSBSです。
特徴
ゲンバと大学が連携する実践的R&D
建設現場を担う株式会社光建が、名古屋市立大学および愛知文教女子短期大学と連携。現場と学術の知見を掛け合わせ、実際の技能データを活用した共同研究を実施しています。

熟練技能をデジタル技術で”視える化”
熟練技能者の動作データや映像をもとに、動きや判断を分析。最先端技術を活用し生体情報を計測し、解析ソフトやWeb3Dを用いて、動作や空間情報を視覚的に表現。技能のエッセンスを数値やビジュアルで示したコンテンツは、学習教材としても活用できます。

若者と共に学び・創るプロジェクト
実際の検証実験やコンテンツ制作における大学生や高校生との協働を通じて、技能を学びながら伝える活動を展開。若い世代の感性と研究成果を掛け合わせ、SBSはこれからも継続的に追加・更新していきます。

今後の展望
今後は、新しいコンテンツ拡充に加え、伝統工芸など異業種との協働や、言語に頼らない表現手法を活かした海外展開を検討しています。また、更に複数の大学と連携し、MR(複合現実)やAIを活用した次世代技能学習ツールの開発も進行中です。科学と技能の融合を通じて、教育現場や地域産業にも広く展開可能な、新しい魅力と学びのかたちを提案します。
コメント
建設現場には、言葉では伝えきれない“匠の技”があります。長く暗黙知として受け継がれてきたその技能を、私たちは科学の力で可視化・定量化する挑戦に踏み出しました。現場でのデータ取得は難しく、解析には高度な専門知識、そして結果を"現場の知"へと読み解く技能者の洞察が欠かせません。それでも挑戦を続けてきたのは——“インフラを支える技能を未来へつなぐ”という強い想いがあるからです。この実現を可能にしたのが、地域建設会社とアカデミアの産学連携でした。直営施工班の現場力と大学の研究知が融合し、これまでにない価値が生まれています。さらに、海外出身のデータサイエンティストも分析を担うことで、多様な視点が研究をいっそう深化させています。今回のプラットフォームは、建設業のみならず、伝統工芸や医療など“技”を軸とする多様な分野に、新しい学び方と伝え方をもたらすものです。技能を尊び、その価値を次の世代へ、そして世界へ——その第一歩となることを願っています。
— 株式会社光建 代表取締役 正田光次朗
研究成果の社会実装(研究成果を直接的に社会で活用いただく)が求められている現状において、「熟練技能の暗黙知の見える化」の成果をSBSでお伝えできること、とても有意義と思っています。技能伝承は、入職している若手技能者が熟練技を学ぶ機会を持つことに加え、技能者不足が課題である多くの業界を目指す人材を増やすことが重要と考えます。多くの皆様がSBSをご覧いただくことで業界の魅力に触れていただき、また若手技能者が楽しく技能を学ぶ場として活用いただくことでほんの少しでも建設業界の人材不足解消に貢献できれば幸いです。そして、SBSはまだ生まれたばかりですが、今後魅力あるコンテンツを継続的に追加し発展させていきます。ご期待下さい。
— 名古屋市立大学 教授 横山清子
愛知文教女子短期大学生活文化学科では、地域社会の発展や協働、ひとを想う挑戦として人間を中心に置いた様々な生活に関わる制作・研究活動を行っております。今回のScience Behind the Skills®では、産学連携プロジェクトとして、砂田ゼミの卒学年の学生と一緒に、webプラットフォームを構築し、建設技能の魅力発信のために制作・研究してまいりました。その成果を今回、公開することで一般の方々からさまざまな意見をいただくと共に、今後継続的に情報の更新、発信していくことで建設業の現在の状況を少しでも改善していければと考えています。
— 愛知文教女子短期大学 准教授/愛知文教大学 兼任講師 砂田治弥
プロジェクト名
Science Behind the Skills®(SBS)
https://www.sci-bs.com/
公開日
2025年12月3日
株式会社光建(所在地:名古屋市)[https://www.kouken-nagoya.com/]
1961年設立の地域建設会社。電力土木を中心に自社施工班によるワンストップサービスを得意とし、”make things better”をミッションに、インフラを「つくる」「なおす」「とりのぞく」の3つを核とする事業を展開しています。
名古屋市立大学(所在地:名古屋市)[https://www.nagoya-cu.ac.jp/]
1950年に設立され、医学部、薬学部、経済学部、人文社会学部、芸術工学部、総合生命理学部、データサイエンス学部の7学部に看護学研究科を加えた8研究科で構成される、名古屋市を設置団体とする公立大学です。地域に開かれ、多くの市民と連携し、協働し歩み続けております。市民の付託に応え、真理を探究し、本学が人類の幸福に資する実践的な研究成果を世界に発信する誇り高き「知の創造の拠点」となることを目指しております。
愛知文教女子短期大学(所在地:稲沢市)[https://ai-bunkyo.ac.jp/]
愛知県稲沢市にある、学校法人足立学園が運営する、幼児教育学科・生活文化学科食物専攻・生活文化専攻で構成する私立短期大学。「ひとを想う挑戦」をビジョンに掲げ優れた人材を育成するとともに、地域と連携し文化の向上及び豊かな地域社会の実現に寄与しています。
お問合せ
株式会社光建
Tel: 052-251-2261
Email: info@kouken-nagoya.com
すべての画像
