【データで検証】総合商社は本当に激務か?残業時間ランキング(2025年期)|高年収でも「激務」とは限らない
総合商社の平均残業は月19.3時間 ― 全産業平均(13.7時間)比で約1.41倍 最短9.85時間〜最長31.0時間で3.15倍の差

Career Revealは、総合商社各社が有価証券報告書で開示する残業時間データを分析し、2025年期の「残業時間ランキング」を公開しました。
「商社マン=24時間戦う」というイメージは根強くありますが、最新データでは実態は一様ではありませんでした。Career Revealの分析では、総合商社業界の平均残業時間は月19.3時間となりました。
一方、厚生労働省「毎月勤労統計調査」における全産業平均(所定外労働時間)は月13.7時間(2025年10月)であり、総合商社の平均はこれを約5.6時間上回り(約1.41倍)ます。
ただし、企業別に見ると「月10時間以下の超効率派」と「月30時間超のバリバリ派」に二極化しており、同じ総合商社でも働き方に明確な差があることが分かりました。
■ 主な調査結果
1. 総合商社の平均残業は月19.3時間。全産業平均(13.7時間)比で約1.41倍
総合商社業界の平均残業時間は月19.3時間でした。全産業平均(月13.7時間)と比較すると、+5.6時間(約1.41倍)の水準です。
一方で、総合商社は高待遇業界として知られており、「高年収=長時間労働」という固定観念だけでは捉えきれない実態が示されています。
2. 最短9.85時間〜最長31.0時間で、業界内に3.15倍の開き
企業別には大きな差が見られました。
最も残業時間が短かったのは住友商事(9.85時間)、次いで伊藤忠商事(11.0時間)でした。
一方、最も長かったのは三菱商事(31.0時間)、次いで三井物産(27.6時間)となりました。
最短(9.85時間)と最長(31.0時間)を比較すると、残業時間には約3.15倍の開きがあり、業界内で働き方が二極化している実態がうかがえます。
3. 「高年収=長時間労働」の相関は一律ではない
高待遇で知られる総合商社でも、残業時間は一律に長いわけではありません。
同じ業界内でも、限られた時間の中で成果を最大化する「高効率型」と、業務量が多い「高投入型」が併存していることが示されました。
4. 双日は残業時間を非公表だが、有給取得率77.6%と高水準
なお、双日は残業時間を非公表としています。一方で、同社は有給取得率77.6%を開示しており、働き方を評価する際には残業時間だけでなく複数指標の併用が重要であることを示唆しています。
■ 分析コメント(Career Reveal)
今回の調査で注目すべき点は、総合商社が全産業平均を上回る残業時間である一方で、企業別の差が非常に大きいことです。
住友商事(9.85時間)や伊藤忠商事(11.0時間)のように月10時間台で推移する企業がある一方、三菱商事(31.0時間)や三井物産(27.6時間)のように月30時間前後の企業も存在します。
求職者にとっては、「商社は激務か」という二択ではなく、企業ごとの実データを比較したうえで、自身の志向(効率重視/没頭型/バランス重視)に合う企業を選ぶことが、合理的なキャリア判断につながります。

※本リリース内の図表・データは、出典明記の上で自由に転載・引用いただけます。
■ 公開記事(残業時間ランキング)
総合商社の残業時間ランキング(2025年期)および各社の働き方の特徴は、以下の記事で公開しています。
https://www.career-reveal.com/articles/sogo-shosha-big5-industry-overtime
■ Career Revealについて
Career Reveal(キャリア・リビール)は、有価証券報告書や統合報告書、サステナビリティレポートなどの一次情報をもとに、年収、残業時間、離職率、教育投資、多様性といった人的資本データを構造化・可視化するデータプラットフォームです。企業比較を通じて、求職者・投資家・企業の意思決定を支援し、人的資本情報の透明性向上に貢献しています。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像
