言葉で光を動かす。AIが照明演出をリアルタイムで生成する「SPOTLIGHT AI」を真鍋大度率いるsonicPlanetとTamatech Labが開発

自然言語でムービングライトを制御するAIツール。ProLight & ProVisual 2026(2/18〜20 東京ビッグサイト)Tamatech Labブースにて実機デモ展示中

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「こんな光がほしい」と言うだけで、照明が動く

真鍋大度とSinan Bokesoyがロンドンで設立したAI/ジェネラティブシステムの研究開発会社 sonicPlanet と、日本を代表する照明エンジニアリング企業 Tamatech Lab は、日本語および英語の自然言語入力によってムービングライトの演出をリアルタイム生成・制御するAIツール「SPOTLIGHT AI」を共同開発しました。

sonicPlanetは、AI・生成アルゴリズム・空間音響・リアルタイム制御を融合した次世代制作ツールやパフォーマンス技術の研究開発を行う企業です。一方Tamatech Labは、大規模テーマパークやエンターテインメント施設向けに高度な照明制御システムを開発してきた実装力を持つエンジニアリングチームです。

灯体のメーカーや型番、台数に制約はなく、MA Lighting grandMAが対応するあらゆる照明システムで使用できます。

照明デザインは、舞台芸術やエンターテインメントの中核を担う表現領域です。コンサートで観客を興奮の渦に巻き込む光、演劇で場面の空気を一瞬で変える照明の転換、インスタレーションで見る者の知覚を揺さぶる光の空間——その力は絶大です。しかし、その実現には高度な専門知識が必要でした。照明コンソールの複雑な操作体系、DMXチャンネルのアドレッシング、フィクスチャごとの特性把握、キューやシーケンスの緻密なプログラミング。一人前の照明デザイナーが育つには何年もの修練が求められ、技術的な参入障壁の高さは、照明演出のアイデアを持つ多くのクリエイターにとって大きな壁となっていました。

SPOTLIGHT AIは、この技術的ハードルをAIが引き受けることで、「こんな光がほしい」「こういう動きにしたい」という感覚的なイメージを、そのままプロフェッショナル照明機器の制御データに変換します。照明の専門用語を知らなくても、頭の中に描いた光のイメージを日本語の自然な言葉で伝えるだけで、AIが数秒でそれを形にします。ユーザーの創造的な意図と技術的な実現の間にあった距離を、AIの力で一気に縮めるツールです。

操作は驚くほどシンプル ── 言葉を入力し、Generateを押すだけ

SPOTLIGHT AIを起動すると、ブラウザに黒を基調としたプロフェッショナルなインターフェースが自動的に表示されます。画面左側のテキストエリアに、思い描く照明演出を自由な言葉で書き込みます。日本語でも英語でも構いません。

「オーロラのようにゆっくり揺れる光のカーテン。青と緑が波打つように交互に現れる」

「すべてのライトが床の上で渦巻きを描き、5秒かけて中心に集まってまた広がる」

「深呼吸するようなリズムで全体がゆっくり明滅する、暖かいオレンジ色」

「ホタルの群れが夜の森を漂うように、ランダムに点滅しながらふわふわと動く」

こうした文章を入力してGenerateボタンを押すだけで、AIが数秒で照明パターンを生成します。結果は画面右側の3Dプレビューに即座に反映されます。黒い3D空間にスポットライトのビームが描かれ、それぞれが指定された色で指定された軌跡を辿って動く様子をリアルタイムで確認できます。同時に、接続された実際の照明機器にもデータが送信され、ステージ上で光が動き始めます。

「もう少し動きを速くしたい」と思えば再生速度スライダーで調整し、「もっと広い範囲で動かしたい」と思えばスケールスライダーで座標を拡大。プロンプトの文言を変えて再生成するのもワンクリック。アイデアを言葉にし、即座に結果を確認し、微調整を繰り返す——この試行錯誤のサイクルが、従来の照明プログラミングとは比較にならないほど高速に回ります。

AIとの対話を重ねて演出を洗練させることもできます。「もっと青みがかった感じに」「動きを2倍速に」「もっと有機的に」——追加リクエストを言葉で伝えるだけで、AIがパターンを再生成します。全てのプロンプトと応答はログに自動保存され、過去の照明パターンを後から再利用することも可能です。

数式が生み出す、無限の照明パターン

SPOTLIGHT AIの核心は、照明パターンを「数式」として生成する独自のアプローチにあります。

ユーザーの自然言語入力をAnthropic社の大規模言語モデル「Claude」に送信すると、AIは照明制御のための数学的関数群をJSON形式で返します。各スポットライトの位置座標(x, y, z)と色(R, G, B)を、時間tとオブジェクト番号を変数とする「数式」として表現するのです。

一般的な照明制御が、特定の時刻における値を1つずつ打ち込む「キーフレーム」方式で動きを定義するのに対し、SPOTLIGHT AIでは連続的な数学関数で運動を記述します。複数台のスポットライトが円軌道を描く場合は三角関数sin/cosが使われ、グリッド配列から円形配列への滑らかなモーフィングにはsmoothstep補間関数が用いられます。ホタルの群れのような有機的な動きにはノイズ関数、竜巻のような渦巻きには多周波数の三角関数の合成が組み合わされます。これらの数式は、灯体ごとに異なる位相やオフセットを与えることで、1つの数式から台数分の独立した動きを同時に生み出します。

この数式ベースのアプローチには大きな利点があります。わずか6つの数式(位置3軸+色3チャンネル)で、任意の台数×無限時間の照明演出を表現できるのです。数千フレーム分のキーフレームデータを事前に生成する必要がなく、データ量は極めて小さいため、ネットワーク越しの伝送やリアルタイム編集にも適しています。

システムに内蔵された数式エバリュエーターが毎秒60フレームですべてのスポットライトの座標と色を計算し、3つのプロトコルを通じて同時に送出します。AIに対しては、ステージの物理的な座標系(メートル単位で縦横10m×10m、高さ3.5mの3D空間)、利用可能な数学関数の一覧(三角関数、ノイズ、smoothstep、floor、fmod等30種以上)、灯体個別制御のルール、自然現象に基づく色彩パレット(オーロラ、炎、海、夕焼け等)、多角形軌道(三角形、五角形等)や幾何学フォーメーション(グリッド、螺旋、リサージュ曲線)の生成パターン、そしてフォーメーション間のモーフィング手法まで体系的にドキュメント化したシステムプロンプトを与えています。AIはこれらの知識を総合的に活用し、「オーロラ」「渦巻き」「呼吸」「グリッドから円に変形して戻る」といった抽象的な表現を、物理的に妥当で視覚的に美しい照明パターンに正確に変換します。

あらゆる照明システムに対応するオープンな設計

SPOTLIGHT AIは、特定の照明機器に縛られない汎用的な設計思想に基づいています。灯体のメーカーや型番、台数に一切の制約はありません。MA Lighting grandMAが対応しているフィクスチャであれば、どのような照明システムでも使用できます。Martin、Robe、Clay Paky、ETC、Ayrtonなど主要メーカーのムービングライトはもちろん、LEDバーやPARライトなど多様なタイプの灯体に対応します。

この汎用性を支えているのが「ターゲットポイント」制御という設計です。一般的な照明コンソールでは灯体のパン(水平回転)やチルト(垂直傾斜)の角度を直接指定しますが、SPOTLIGHT AIはスポットライトの光が当たるステージ上の3D座標を指定します。ユーザーは灯体の物理的な向きや機種ごとのチャンネル仕様を意識する必要がなく、「どこに光を当てたいか」だけを考えればよいのです。SPOTLIGHT AIが出力するターゲット座標をgrandMAのPosiStageNet入力として受信すれば、grandMA側が灯体の種類に応じたパン・チルト変換を自動的に行います。

UI上で灯体数を自由に変更でき、会場や案件に応じた柔軟な構成が可能です。AIが生成する数式内のobjectIndex変数によって各灯体に固有の座標と色が割り当てられるため、台数が変わっても数式の構造を変更する必要はありません。小規模なインスタレーションから大規模なコンサート照明まで、同じワークフローでシームレスに対応できます。

3つの照明プロトコルを同時送出 ── あらゆる現場に対応する柔軟性

プロフェッショナルな照明現場は多様であり、求められる通信方式も現場ごとに異なります。SPOTLIGHT AIは3つの主要プロトコルを同時にサポートすることで、様々な既存の照明システムやワークフローに柔軟に組み込めます。

1つ目はOSC(Open Sound Control)です。毎秒60フレームで全灯体のターゲット座標と色情報をバンドル形式で送信します。OSCはサウンドやメディアアートの分野で広く使われているIPプロトコルで、TouchDesignerやMax/MSPなどのビジュアルプログラミング環境、映像システム、サウンドエンジンとの連携に最適です。

2つ目はPosiStageNet(PSN v2.03)です。ステージ上のリアルタイム3D位置トラッキングの業界標準プロトコルで、各スポットライトのターゲット位置をPSNトラッカーとしてマルチキャスト送信します。grandMAなどのプロ用照明コンソールがPSN入力をネイティブに受信できるため、既存の照明ワークフローを大きく変えることなくSPOTLIGHT AIを組み込める、最も実用的な連携手段です。

3つ目はArt-Net DMXです。DMX512は1986年以来、照明業界のデファクトスタンダードとして世界中で使われている制御プロトコルです。Art-Netはこれをイーサネット上で伝送するプロトコルで、SPOTLIGHT AIは複数のDMXユニバースにまたがるRGBチャンネルを16ビット精度で毎秒60フレーム送出します。DMX対応のあらゆる機器と直接通信でき、最も広い互換性を提供します。

この3プロトコル同時対応により、メディアアートのインスタレーション(OSC)、劇場やコンサートの照明制御(PSN + grandMA)、クラブやイベントの照明システム(Art-Net DMX)まで、あらゆる規模と種類の現場に対応します。

300種類の内蔵プリセットと没入感のある3Dプレビュー

SPOTLIGHT AIには、事前に生成したすぐに使える300種類の照明パターンがプリセットとして内蔵されています。Shuffleボタンをクリックするだけでランダムにプリセットが読み込まれ、AIの応答を待つことなく即座に照明パターンを体験できます。

プリセットの種類は多岐にわたります。床に大きな円を描いてゆっくり回転する「Circle Formation」、光が螺旋状に上昇する「3D Helix」、正弦波がステージを横に伝播する「Ocean Wave」、全体がゆっくり明滅する「Breathing Pattern」、メキシカンウェーブのように光が順番に立ち上がる「Mexican Wave」、ホタルのように漂う「Fireflies」、リサージュ図形を描く「Lissajous Curves」、渦巻き銀河の「Spiral Galaxy」、竜巻のように回転上昇する「Tornado Vortex」、クラゲのドーム型が脈動する「Jellyfish Pulse」、雨粒が落下する「Rain Drops」——自然現象、物理シミュレーション、幾何学パターン、有機的な動きまで、照明演出の多様な可能性を示すコレクションです。また、限られたステージスペースでの運用を想定した3メートル立方体制約のコンパクトプリセット20種類も含まれ、小規模な会場でもすぐに使える実用性を備えています。

画面右側に表示される3Dビジュアライザーは、この体験の中核を担います。黒い3D空間にフィクスチャの位置が表示され、各スポットライトからターゲットポイントに向かうビームが色と幅を伴ってリアルタイムに描画されます。マウスドラッグで視点を自由に回転させ、生成された照明演出を360度あらゆる角度から確認できます。プレビューと実際の照明出力は完全に同期しており、画面に見えている通りのことがステージ上で起きるため、現場にいなくてもリモートでの演出確認が可能です。

照明演出の「民主化」── 技術と創造性の間の壁を溶かす

SPOTLIGHT AIは、照明デザイナーの仕事を置き換えるものではありません。最終的な演出のジャッジは常に人間が行います。AIが生成したパターンを出発点として、再生速度やスケールを調整し、プロンプトを変えて再生成し、複数のパターンを比較しながら理想の照明演出に近づけていく——SPOTLIGHT AIは、この創造的な探索プロセスを飛躍的に加速するためのツールです。

照明デザイナーにとっては、頭の中のアイデアを瞬時にプロトタイプし、打ち合わせの場でリアルタイムにデモンストレーションする手段となります。演出家やディレクターにとっては、照明の専門用語を知らなくても日本語の自然な言葉で照明のイメージを伝え、その場で結果を確認できる対話の窓口となります。アーティストやクリエイターにとっては、照明という表現手段を新たに手に入れ、自分の作品に光の演出を統合する入り口となります。

技術と創造性の間にある壁を溶かし、より多くの人が「光で表現する」可能性にアクセスできるようになること——それがSPOTLIGHT AIの目指す照明デザインの「民主化」です。

ダウンロードして起動するだけ ── スタンドアロン動作

SPOTLIGHT AIは、スタンドアロンバイナリとして配布されます。

ユーザーはファイルをダウンロードして起動するだけです

すべての設定——OSC、PSN、Art-Netの接続先、AIモデルの選択、表示オプションなど——はアプリ上のUIから直感的に操作できます。

今後の展望

SPOTLIGHT AIは、AIと照明演出の新たな関係を切り拓くプラットフォームとして発展を続けます。短期的には、音声やBPM、楽曲解析によるサウンドリアクティブ、またセマンティックな照明制御の実装を予定しています。音楽のビートやメロディ、歌詞に同期して照明パターンが自動的に変化する機能により、DJイベントやライブコンサートでの活用がさらに広がります。

中長期的には、複数のシーンをシーケンスとして構成しショー全体の照明タイムラインを管理する機能、既存の照明コンソールとの双方向通信によるハイブリッド制御を計画しています。

「言葉で光を動かす」という新しいパラダイムを通じて、SPOTLIGHT AIは照明演出の未来に向けた一歩を踏み出します。

展示のご案内 ── ProLight & ProVisual 2026

SPOTLIGHT AIの実機デモを、照明・映像の総合展示会「ProLight & ProVisual 2026」のTamatechブースにてご体験いただけます。実際のムービングライトをAIがリアルタイムに制御する様子を、会場でぜひご覧ください。

ProLight & ProVisual 2026

会期 2026年2月18日(水)〜 20日(金)

会場 東京ビッグサイト

ブース Tamatech

公式サイト https://prolight-provisual.jp

皆様のご来場を心よりお待ちしております。

Spotlight-AI: https://projects.daito.ws/spotlight-ai

sonicPlanet: https://www.sonicplanet.com

TamatechLab: https://www.tamatech.co.jp/

Daito Manabe: daitommmmm@gmail.com

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会社概要

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URL
https://www.mmmmm.jp
業種
サービス業
本社所在地
東京都渋谷区神宮前 神宮前 6丁目-23-4
電話番号
080-3012-0382
代表者名
真鍋大度
上場
未上場
資本金
350万円
設立
2022年03月