平均的な世帯年収600万円台。それでも、東京で家が欲しい。東京23区・新築マンション平均1.36億円時代に、中間層はどう家を持つのか

世界大都市との「住宅年収倍率」比較から考える東京の住宅高騰と、「何を取り、何を捨てるか」という現実的な選択肢

MADRE株式会社

平均的な所得の中間層が東京で家を持つための現実的な選択肢とは?

平均的な世帯年収600万円台の家庭にとって、東京で家を持つことは、どこまで現実的なのでしょうか。

2025年、東京23区の新築マンション平均価格は1億3,613万円。中央値でも1億1,380万円に達しました。中古マンションも、2026年6月の70㎡換算価格で1億2,741万円となっています。

仮に世帯年収600万円なら、新築マンション平均価格は年収の約22.7倍。650万円でも約20.9倍です。

東京23区で家を持つことは、平均的な所得の世帯にとって、もともと簡単なことではありません。

しかし、近年の急激な住宅価格の上昇によって、そのハードルはさらに高くなっています。

「少し背伸びをすれば届く」ではなく、そもそも自分たちが検討する価格帯から離れていく。

そこに、現在の東京で住宅購入を考える中間層が直面している難しさがあります。

それでも、東京で家が欲しい。

では、どうすればいいのでしょうか。

多摩エリアを拠点に中古マンションのリノベーションを手掛けるMADRE株式会社(東京都立川市)は、国内の住宅市場データと世界主要都市の住宅取得難易度を示す「Price-to-Income Ratio」をもとに、東京の住宅市場の現在地を考察しました。

すべてを満たす家を探し続けるのではなく、「何を取り、何を捨てるのか」

そのトレードオフを前提とした住宅ソリューションブランド「Anabar!(アナバー)」の立ち上げ背景と、平均的な所得の中間層が東京で家を持つための現実的な選択肢について提言します。

1.平均的な世帯年収600万円台。東京23区の新築マンションは平均1.36億円

不動産経済研究所によると、2025年の東京23区における新築分譲マンションの平均価格は1億3,613万円となりました。

さらに、中央値でも1億1,380万円に達しています。

つまり、一部の数億円クラスの超高額マンションが平均値だけを押し上げている、という話ではありません。東京23区では、マンション価格そのものが1億円台へ移行しつつあります。

中古マンションも例外ではありません。

東京カンテイによる東京23区の中古マンション70㎡換算価格は、2026年6月時点で1億2,741万円

「新築が高ければ、中古を選べばいい」というだけでは解決しにくい市場になっています。

では、この価格を平均的な所得の中間層から見ると、どうなるのでしょうか。

仮に世帯年収600万円なら、1億3,613万円は約22.7倍。650万円でも約20.9倍です。

もちろん、世帯年収600万円台の家庭が、東京23区の平均価格のマンションを購入することを前提にする必要はありません。

重要なのは、住宅市場の平均価格と、平均的な生活者が現実的に検討できる価格帯との距離が、さらに広がっていることです。

東京23区で家を持つことは、以前から簡単ではありませんでした。

ただ、その難易度がさらに上がった。

高いけれど、少し条件を変えたり、少し背伸びをしたりすれば手が届く。そういう価格差ではなく、そもそも自分たちが探す住宅市場と、23区の平均的なマンション市場が別の価格帯になりつつある。

そこに、現在の東京の住宅問題があります。

住宅市場の平均価格と、平均的な生活者が現実的に検討できる価格帯との距離が、さらに広がっている。

2.世界の大都市圏との比較──「普通に働けば、都市で家を持てる」は世界でも崩れている

では、東京の住宅価格は、世界の大都市と比べてどのような位置にあるのでしょうか。

住宅価格の高騰は、東京だけで起きている現象ではありません。

ニューヨーク、ロンドン、香港、上海、ソウル。

世界の主要都市では、人口や企業、投資資金が都市部へ集中する一方、住宅供給には限界があります。そこへ建築費や土地価格の上昇も重なり、「都市で働く平均的な所得の人が、その都市で家を買うことが難しくなる」という現象が各地で起きています。

世界主要都市の住宅価格と所得との関係を示すNumbeo「Property Prices Index 2026」のPrice-to-Income Ratioを見ると、その状況がよく分かります。

 上海:34.2倍 香港:30.9倍 ソウル:27.2倍 ロンドン:15.4倍 東京:15.2倍

※Price-to-Income Ratioは、Numbeo独自の方法によって住宅価格と所得の関係を指数化したもので、都市間の住宅取得難易度を相対的に見るための指標です。前章で示した「東京23区のマンション平均価格÷世帯年収600万円台」とは算出方法が異なるため、両者を直接比較するものではありません。

上海・香港──住宅価格が所得から大きく離れた都市

上海のPrice-to-Income Ratioは34.2倍、香港は30.9倍

この数字が示しているのは、単に「住宅が高い」ということではありません。

住宅価格と、その都市で暮らす人の所得との間に、非常に大きな乖離が生まれているということです。

都市そのものには、企業も仕事も富も集まっている。しかし、そこで働いている人が、その都市の住宅を自らの所得だけで取得することは難しい。

「経済的に豊かな都市」と「そこで働く人が家を買える都市」は、必ずしも同じではない。

世界の住宅市場を見ると、この矛盾がはっきり表れています。

香港では住宅取得難が長年社会問題となり、上海でも住宅価格と所得との乖離は極めて大きな水準にあります。

東京の未来を考えるうえでも、これは決して無関係な話ではありません。

ソウル──住宅問題が、人生設計そのものに影響する

ソウルは27.2倍

韓国では住宅価格の上昇と家計債務の大きさが長く社会問題となっており、住宅取得は単なる「住まい選び」ではなく、結婚、出産、教育、資産形成といった人生設計そのものと密接に結びついています。

住宅に多額の資金を投入すれば、その分だけ他の生活に使えるお金は減ります。

これは東京でも同じです。

問題は、ローンを組めるかどうかだけではありません。

家を買ったあとに、どれだけ生活の余白を残せるのか。

住宅価格が所得に対して大きくなればなるほど、この問いは重要になります。

ロンドン──「都心に住めないなら、郊外へ」という選択

一方、ロンドンのPrice-to-Income Ratioは15.4倍。Numbeoの同じ指標では東京の15.2倍と近い水準です。ここは興味深いところです。ロンドンでは、中心部の高額な住宅を取得することが難しい中間層が、鉄道を利用して郊外から通勤する生活スタイルが以前から一般的です。

つまり、「都市で働く=都市中心部に家を持つ」ではない。

中心部の住宅価格が所得から離れていけば、住宅取得の場所を外側へずらす。

通勤時間や都心への距離をある程度受け入れる代わりに、住宅価格、広さ、住環境を取る。

これはまさに、住宅選びにおけるトレードオフです。

東京でいえば、23区だけを住宅取得の対象とせず、多摩エリアやその周辺まで視野を広げることと構造的には似ています。

もちろん、ロンドンと東京では鉄道網、都市構造、住宅ストック、土地制度などが異なるため、そのまま比較することはできません。

しかし、「中心部が高すぎるなら、都市との関係を保ちながら住宅取得の場所を外側へ移す」という考え方は、東京の住宅問題を考えるうえでも重要な示唆があります。

では、東京はまだ「買いやすい都市」なのか

東京について語るとき、しばしば、「ニューヨークやロンドン、香港に比べれば、東京の住宅はまだ安い」と言われます。

これは、海外の富裕層や投資家から東京の不動産価格を見れば、一定の説得力を持つ議論です。

しかし、住宅を「投資商品」ではなく、そこで働き、生活する人が購入するものとして考えた場合、見え方は変わります。

重要なのは、東京のマンションがニューヨークより安いか、香港より安いかではありません。

東京で得られる所得に対して、東京の住宅価格がどの程度なのか。

そこを見る必要があります。

Numbeoの同一指標では、東京のPrice-to-Income Ratioは15.2倍。

上海や香港、ソウルほど極端ではありませんが、「所得に対して住宅が安い都市」とも言いにくい水準です。そして東京23区だけを見れば、新築マンションの平均価格はすでに1億3,613万円、中古マンションも70㎡換算で1億2,741万円まで上昇しています。

東京23区で家を持つことは、もともと簡単ではありませんでした。

そのハードルが、さらに上がっている。ここが重要です。

世界の都市住宅問題から見えてくる、ひとつの共通点

上海、香港、ソウル、ロンドン、東京。

住宅市場の仕組みも、所得水準も、都市構造も異なります。

したがって、「東京は上海のようになる」「ロンドンと同じ解決策を取ればいい」と単純に結論づけることはできません。

しかし、各都市を見渡すと、一つの共通した問題が見えてきます。

都市の価値が上がり続ける一方で、その都市で普通に働く人の住宅取得能力が、それに追いつかなくなっている。

そして住宅価格が所得から離れていけば、人々は何らかの選択を迫られます。

より小さな家を選ぶ。
より古い家を選ぶ。
都心から離れる。
住宅購入そのものを諦める。
あるいは、住宅により多くの所得を投入する。

つまり、世界の大都市で起きているのは、

「すべてを満たすことが難しくなり、何かを選び、何かを手放さなければならなくなる」

ということです。

これは、いま東京で住宅を探している中間層にも、そのまま重なります。

では、平均的な所得の家庭が東京で家を持ちたいと考えたとき、

何を取り、何を捨てればいいのでしょうか。

その問いから、東京の住宅問題をもう一度、自分たちの生活に引き戻して考える必要があります。

3.選択肢がないのではなく、「何を選べばいいのか分からない」

住宅価格の高騰によって起きている問題は、単に「家が高くなった」ということだけではありません。

より厄介なのは、何を選べばいいのか分からなくなることです。

23区内で探せば高すぎる。

郊外へ行けば、本当にそこでいいのか不安になる。

新築は高い。中古は築年数や性能が気になる。

賃貸を続けても、家賃は月18万円、20万円とかかり続ける。

だからといって東京を離れれば、仕事、通勤、子どもの学校、家族や友人との関係まで変わります。

どれも決め手にならない。

だから探し続ける。そして、決められない。

私たちは、この状態を住宅購入における「フリーズ」と考えています。

「自分たちに買える家など、どこにもないのではないか」

そう感じて、住宅購入そのものを棚上げしてしまう。

しかし、本当に選択肢がないのでしょうか。私たちは、そうは考えていません。

ただし、すべてを満たす選択肢はない。

ここを最初に受け入れる必要があります。

立地。
広さ。
築年数。
新築か中古か。
通勤時間。
資産性。
住環境。
そして価格。

現在の東京で、これらすべてを平均的な所得の中で満たすことは極めて難しくなっています。

ならば、住宅を探す前に決めなければならないことがあります。「何を取り、何を捨てるのか」

です。

23区を捨てる。新築を捨てる。その代わりに、何を取るのか。

例えば、23区という「立地」を絶対条件から外す。

都心から少し距離を取り、立川以西や多摩エリアまで視野を広げる。

そして、新築という「スペック」を絶対条件から外し、中古マンションを選ぶ。

その代わりに、

広さを取る。
暮らしやすさを取る。
自分たちらしい住空間を取る。
そして、住宅購入後の生活の余白を取る。

これは、単なる妥協ではありません。

何かを諦めさせられるのではなく、自分たちにとって本当に必要なものを、自分たちで選び直すということです。

Anabar!では、住宅取得後の生活余力や、金利上昇、教育費、老後資金など将来のリスクも考え、物件取得費とリノベーション費を含めた総額5,000万円以下を、一つの現実的な目安としています。

もちろん、適切な住宅予算は、収入、自己資金、家族構成、年齢、将来設計によって異なります。

5,000万円という数字そのものが、すべての人にとっての正解ではありません。

重要なのは、住宅のために人生全体を過度に圧迫しないこと。

そのために、何を優先し、何を手放すのかを自分たちで決めることです。

中間層のための住宅ソリューションブランド「Anabar!」
穴場こそ、希望の場所になる。

4.中間層のための住宅ソリューションブランド「Anabar!」

ここまで見てきた通り、現在の東京において、平均的な所得のファミリーが「23区内で無理なく住宅を取得する」という選択肢は、さらに狭まっています。

それでも東京に住み続けたいのであれば、

「すべてを手に入れる」という前提そのものを手放す必要があります。

立地・広さ・価格。

この3つのうち、何を取り、何を捨てるのか。

その「トレードオフ」を引き受けることが、現在の都市住宅における一つの現実解だと、私たちは考えています。

MADRE株式会社は、この構造的な問題に対して、単なる物件紹介やリノベーション提案ではなく、「選択の軸」そのものを提示するブランドとして、Anabar!(アナバー)を立ち上げました。

穴場こそ、希望の場所になる。

Anabar!は、「都心」という前提を手放し、「新築」というスペックを手放すことで、その代わりに、無理のない返済と生活の余白を取り戻すための住宅ソリューションです。

対象とするのは、立川以西や多摩モノレール沿線をはじめとする、都心から適度な距離にある、まだ過度に評価されていない「穴場エリア」。

人気エリアであることを住宅選びの基準にするのではなく、

自分たちの予算で、きちんと暮らせる場所か。

その視点から東京をもう一度見直します。

その中からポテンシャルのある中古マンションを選び、現実的な予算の中で、暮らしの質を最大化するリノベーションを行います。

私たちは、「夢を叶える住宅」を提供することはできません。

しかし、現実の中で後悔しないための選択肢と、その判断材料を提示することはできます。

それが、Anabar!です。

構造的な問題に対して「選択の軸」そのものを提示するブランド  Anabar!(アナバー)

人気エリアであることを住宅選びの基準にするのではなく、自分たちの予算で、きちんと暮らせる場所か。その視点から東京をもう一度見直します。

注釈・出典

※1 東京23区・新築マンション価格
株式会社不動産経済研究所「首都圏 新築分譲マンション市場動向 2025年のまとめ」等を参照。2025年の東京23区における新築分譲マンション平均価格は1億3,613万円、中央値は1億1,380万円。

※2 東京23区・中古マンション価格
株式会社東京カンテイ「三大都市圏・主要都市別/中古マンション70㎡価格月別推移」等を参照。2026年6月の東京23区における70㎡換算価格は1億2,741万円。

※3 「平均的な世帯年収600万円台」について
本リリースにおける「平均的な世帯年収600万円台」は、東京都の勤労者世帯の平均年収を示すものではなく、日本の一般的な現役・中間所得層を想定したモデルケースとして設定しています。厚生労働省「国民生活基礎調査」では、高齢者世帯以外の1世帯当たり平均所得金額は600万円台となっています。

※4 世界主要都市のPrice-to-Income Ratio
Numbeo「Property Prices Index 2026」を参照。Price-to-Income Ratioは、住宅価格と所得の関係から住宅取得難易度を相対的に示すNumbeo独自の指標です。第1章で示した「東京23区マンション平均価格÷モデル世帯年収」とは算出方法が異なり、両数値を直接比較するものではありません。

ブランド情報

ブランド名: Anabar!(アナバー)
運営会社: MADRE株式会社
所在地: 東京都立川市錦町 1-14-2REX 立川ビル2階
ブランドサイト: https://anabar.tokyo/ 

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会社概要

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業種
建設業
本社所在地
東京都立川市錦町1-14-2 REX立川201
電話番号
042-512-5969
代表者名
大野 弘行
上場
未上場
資本金
-
設立
2024年02月