北九州市後援 児童養護施設などを巣立つ若者と地域をつなぐ「支エール麻雀ひろば」を毎週土曜日に開催

~当事者が立ち上げたNPO法人が、「居場所」と「住まい」の両面から若者の自立を支援~

特定非営利活動法人支エール

支エール麻雀ひろばでは、世代を超えた交流を通じて、地域との自然なつながりを育んでいます。

NPO法人支エール(福岡県北九州市)は、児童養護施設や里親家庭、自立援助ホームなどを巣立った若者をはじめ、地域とのつながりを必要とする若者と地域住民が交流できる「支エール麻雀ひろば」を毎週土曜日に開催しています。

 

本事業は北九州市の後援を受けて実施しており、多世代交流を通じて、若者が孤立することなく安心して地域とつながれる環境づくりを目指しています。

 

 


 

設立の背景

 

近年、児童養護施設や里親家庭などを巣立つ若者への支援は、措置延長や自立支援事業の充実などにより広がっています。18歳だけでなく、20歳、大学等へ進学した場合は22歳頃まで支援につながるケースもあり、退所後の支援体制は以前より整備が進んできました。

 

しかし、自立とは年齢だけで実現するものではありません。

 

進学、就職、住まい、人間関係、お金――。

 

人生のスタートラインに立ったばかりだからこそ、多くの課題と向き合うことになります。

 

特に、就職先は決まっていても、アパートを借りる際に必要となる敷金・礼金・仲介手数料・保証会社利用料・火災保険料などの初期費用を準備できず、新生活を始められない若者も少なくありません。また、困ったときに相談できる相手や地域とのつながりが少ないことで、不安や孤立を抱える若者もいます。

 

施設職員の皆さんも、退所後の若者をできる限り支え続けようと日々尽力されています。しかし、新たに入所する子どもたちへの支援も担う中で、退所者一人ひとりを長期にわたり継続して支え続けることには、現実的な難しさがあります。

 

だからこそ私は、施設の支援を置き換えるのではなく、施設だけでは支えきれない部分を地域で補い、若者が安心して相談できる居場所や人とのつながりをつくる存在が必要ではないかと考えるようになりました。

 

私自身、社会的養護のもとで育ちました。しかし、退所後の人生は決して順調ではありませんでした。

 

20歳から27歳までひきこもりと無職の状態が続き、生活保護を受給していた時期もあります。社会との接点を失い、「働くこと」や「生きること」の楽しささえ見失っていました。

 

そんな私の転機となったのが、若者支援プログラムを通じて出会った高齢者健康麻雀教室でした。

 

教室だけで終わるのではなく、地域の麻雀クラブや高齢者の皆さんとの交流が続き、一緒に食事へ行ったり、季節の花を見に行ったり、地域のさまざまな場所へ連れ出していただいたりと、何気ない時間を積み重ねる中で、少しずつ社会とのつながりを取り戻していきました。

 

この経験から私が実感したのは、人を変えたのは麻雀そのものではなく、人と人とのつながりだったということです。

 

社会的養護を経験した若者だけではありません。ひきこもり状態にある若者、無職から一歩踏み出そうとしている若者、生活に困難を抱える若者など、さまざまな背景を持つ人たちに共通して必要なのは、「支援が終わった後も地域とつながり続けられる場所」だと考えています。

 

その思いから、2026年4月にNPO法人支エールを設立しました。

 

「支エール」という名前には、「支える」と「YELL(応援)」を組み合わせ、「支えられる側から支える側へ」という願いを込めています。

 

支援を受けるだけで終わるのではなく、地域の一員として誰かを支え、応援する存在へ。そのような循環を地域の中に生み出し、誰もが安心して「ただいま」と言える地域社会をつくること。それが、支エールの目指す姿です。

 


 

地域との接点を生み出す「支エール麻雀ひろば」

 

初心者から経験者まで、それぞれのペースで交流しています。

支エール麻雀ひろばは、麻雀を通じて地域とのつながりを育む多世代交流事業です。

 

私たちが目指しているのは、麻雀をすることではありません。若者と地域住民が自然につながり、お互いを知り、支え合える関係を育むことです。

 

対象は地域住民だけではありません。児童養護施設や里親家庭、ファミリーホーム、自立援助ホームなど社会的養護のもとで育った若者をはじめ、ひきこもり状態にある若者、就労や進学など社会への一歩を踏み出そうとしている若者、就労支援機関や若者支援機関を利用している若者、地域との接点が少ない若者など、さまざまな背景を持つ人が安心して参加できる居場所を目指しています。

 

近年、若者支援機関や就労支援機関では、コミュニケーション能力や人間関係を育むプログラムとして麻雀を取り入れる事例が増えています。麻雀は、自然な会話や相手との距離感を学ぶことができるツールとして注目されています。

 

一方で、多くは支援機関の利用者同士の交流にとどまり、地域社会との接点まで広がる機会はまだ多くありません。

 

支エールが目指すのは、その「次のステップ」です。

 

若者支援機関で培ったコミュニケーションを、実際の地域社会で生かすこと。地域の高齢者や社会人と同じ卓を囲み、世代や立場の異なる人と自然に会話を重ねることで、距離の取り方や相手への配慮、社会の中での関わり方を実践的に学ぶ機会をつくっています。

 

社会に出れば、関わる相手の多くは年齢も経験も異なる人生や社会の先輩です。だからこそ、支援機関の中だけで完結するのではなく、地域で人とつながる経験を積むことが、自立した生活や就職後の人間関係にもつながると考えています。

 

また、高齢者にとっても若者と交流する機会となり、お互いの価値観や経験を共有しながら、世代を超えて学び合い、支え合える関係が生まれます。

 

麻雀が終われば終わりではありません。

 

「今度、一緒にお茶でも飲もう。」 「地域のお祭りに来てみない?」 「困ったことがあれば相談してね。」

 

そんな日常の何気ないつながりが生まれることこそ、私たちが目指す姿です。

 

支エールは、若者を「支援を受ける人」としてではなく、「地域の一員」として迎え入れることで、孤立を防ぎ、誰もが自然につながれる地域づくりを目指しています。

 

麻雀が人を救うのではありません。

 

人と人とのつながりが、人を救う。

 

支エール麻雀ひろばは、そのつながりが生まれる最初の一歩となる場所を目指しています。

 

 


 

北九州市後援事業として実施

支エール麻雀ひろばは、北九州市の後援名義使用承認を受けて実施しています。

行政だけでは解決が難しい若者の孤立という課題に対し、地域住民、ボランティア、企業、支援機関など、それぞれの立場が連携しながら、若者を地域全体で支える仕組みづくりを進めています。

また、本事業は2026年8月、公益財団法人北九州市地域福祉振興協会の助成金事業にも採択されました。

行政からの後援と民間助成の両面から事業の公益性と継続性が評価され、地域福祉活動として取り組みを進めています。

支エールは、地域とのつながりを一過性のイベントで終わらせるのではなく、継続的な交流へと発展させることで、若者が地域の一員として安心して暮らせる社会を目指しています

北九州市の後援名義使用承認通知書

 

 


 

次の取り組み「住まいスタート応援事業」

新生活の初期費用を支援する『住まいスタート応援事業』

支エールでは現在、児童養護施設や里親家庭、ファミリーホーム、自立援助ホームなどを巣立つ若者を対象とした「住まいスタート応援事業」を進めています。

就職先は決まっていても、アパートを借りるための敷金・礼金・仲介手数料・保証会社利用料・火災保険料などの初期費用を準備できず、新生活を始められない若者は少なくありません。

「働く場所は決まった。でも、住む場所がない。」

その現実を少しでも減らしたいという思いから、本事業では、新生活に必要となる初期費用の一部を最大15万円まで支援します。

支援金は利用者へ直接渡すのではなく、不動産会社へ直接支払う仕組みを採用し、透明性と適正な運営を確保しています。

また、この事業は単なる金銭的支援ではありません。

住まいは、新しい人生のスタート地点です。

地域とのつながりや相談できる人との関係を築きながら、「住む場所」と「つながる場所」の両方を支えることで、安心して新生活を始められる環境づくりを目指しています。

現在、事業開始に向けて寄付募集を進めており、地域住民や企業、支援者の皆さまとともに、若者の新しい人生のスタートを支える仕組みづくりに取り組んでいます。

 

 


 

理事長コメント

私は、児童養護施設のもとで育ちました。

退所後は、ひきこもりや生活保護も経験し、「支援が終わった後」の現実を身をもって知りました。

もちろん、施設や里親家庭、自立援助ホームなどの支援者の皆さんは、退所後もできる限り若者を支え続けています。しかし、それだけでは支えきれない場面があることも現実です。

社会に出ると、人とのつながりが少ないことが、そのまま孤立につながってしまう若者もいます。

だから私は、「施設か地域か」ではなく、施設と地域が一緒になって若者を支える仕組みが必要だと考え、NPO法人支エールを設立しました。

支エールという名前には、「支える」と「YELL(応援)」を掛け合わせ、「支えられる側から支える側へ」という願いを込めています。

麻雀ひろばも、住まいスタート応援事業も、目的は同じです。

若者を特別扱いすることではありません。

地域の一人として迎え入れ、自然につながり、困った時には「相談してみよう」と思える人がいる。

そんな当たり前の地域を一つずつ増やしていきたいと考えています。

私は、麻雀で人生を変えてもらいました。

地域の高齢者の皆さんとの出会いが、家から出るきっかけとなり、人と関わる楽しさや、働くこと、生きることの喜びを思い出させてくれました。

だから今度は、私がそのきっかけをつくる側になりたい。

一つの卓を囲むこと、一つの住まいを支えること。

その小さな一歩の積み重ねが、若者の未来を変え、地域をもっと温かくすると信じています。

これからも、地域の皆さまとともに、「誰も一人にしない地域づくり」を目指して活動を続けてまいります。

地域の皆さまからのご寄付は、若者の住まい・居場所・生活支援に活用しています。

NPO法人支エール 理事長 田中 義人

 

 本件に関するお問い合わせは、NPO法人支エールまでお気軽にご連絡ください。


 

法人概要

法人名

NPO法人 支エール

設立

2026年4月

所在地

福岡県北九州市

代表者

理事長 田中 義人

理念

「支えられる側から、支える側へ。」

活動目的

社会的養護経験者をはじめ、生きづらさや孤立を抱える若者が、地域とのつながりを通じて安心して暮らせる社会の実現を目指しています。

主な事業

・地域交流事業「支エール麻雀ひろば」

・住まいスタート応援事業

・若者の生活・自立相談

・地域との交流促進事業

・社会的養護経験者等への地域定着支援

毎週土曜日、ウェルとばたで開催しています。

主な対象者

・社会的養護経験者(児童養護施設・里親家庭・ファミリーホーム・自立援助ホーム等)

・ひきこもり状態にある若者

・生活困窮や孤立を抱える若者

・地域住民・高齢者・ボランティアなど

NPO法人支エール ロゴマーク

ホームページ

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会社概要

特定非営利活動法人支エール

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業種
医療・福祉
本社所在地
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代表者名
田中義人
上場
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資本金
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設立
2026年04月