一般財団法人 人工生命研究機構(Artificial Life Institute)設立のお知らせ
スマートニュース創業者・鈴木健、任天堂創業家・山内万丈が人工生命研究者らと設立。評議員に山極壽一氏(元京都大学総長)、谷家衛氏、芳川裕誠氏が就任

一般財団法人人工生命研究機構(所在地:京都府京都市、代表理事:岡瑞起、以下「ALife Institute」)は、これまで行ってきた人工生命(Artificial Life、以下ALife)に関する研究・教育活動を、このたび一般財団法人として法人化したことをお知らせします。ALife Instituteは、ALifeに特化した世界初の研究拠点として京都・五条で活動してきた研究者コミュニティを母体とし、人工生命研究者の岡瑞起、スマートニュース共同創業者の鈴木健、任天堂創業家の山内万丈が理事を務めます。
AIの開発力が一部の国と巨大企業に集中するいま、「生命とは何か」という問いからAIと社会の未来を考えるALife研究への関心は、シリコンバレーをはじめ世界のAI研究コミュニティで急速に高まっています。ALife Instituteは、大学にも政府系機関にも属さない独立の研究機関として、寄付と会費に支えられた研究運営のモデルを日本で確立し、生命の視点に立ったAIの思想・技術・人材を京都から世界へ送り出します。
また、評議員として山極壽一氏(総合地球環境学研究所 所長)、芳川裕誠氏(Treasure Data創業者)、谷家衛氏(SDG インパクトジャパン会長)の3名が就任しました。霊長類学、シリコンバレーの起業と投資、金融と教育。それぞれの第一線を歩んできた3名が、ALife Instituteの運営を支えます。
設立の背景
ALife Instituteは、人工生命研究者の岡瑞起、スマートニュース共同創業者の鈴木健、複雑系・人工生命研究の世界的権威である池上高志、京都大学の谷口忠大、International Society for Artificial Life会長のオラフ・ヴィトコフスキらを中心に、京都・五条に設立した研究拠点です。国内外の第一線の研究者を招いた滞在研究やセミナー、経営者・エンジニアを交えた勉強会を重ね、世界のALife研究者が京都に集まる流れをつくってきました。
ALifeは、「生命とは何か」を計算機の上でつくりながら理解しようとする学問です。人間を基準に知能を測ってきた人工知能に対し、ALifeは「ありうる生命のすべて」を問い、人間とその知能をそのひとつの形として捉え直します。大規模言語モデルやAIエージェントが社会に広がるいま、この視点は、AIの安全性や人とAIの共生を考えるうえで欠かせないものになりつつあります。
一方で、ALifeは特定の学部や学科に収まる学問ではありません。複雑系科学がサンタフェ研究所という独立した研究所から広がったように、ALifeも、生物学・物理学・計算機科学・哲学を横断し、大学の枠を越えて研究者が集まる場を必要としてきました。ALife Instituteには、国内外の大学や研究機関に所属する研究者に加え、起業家や投資家、エンジニアが集まっています。この多様な顔ぶれが腰を据えて探求を続けられる場を、寄付と会費に支えられた一般財団法人という形で、京都の文化観・自然観と世界の研究コミュニティを結びながら、次の世代に引き継いでいきます。
主な活動内容
研究活動:オープンエンド進化、人とAIの共生をめざす Symbiotic Alignment、AIエージェント集団に創発する社会構造や文化を解明する Collective AI Agents などの研究のほか、京都・五条の研究拠点に国内外のトップ研究者を招いた滞在研究・セミナーを実施。
コミュニティ:世界トップクラスの研究者・エンジニアとともに京都で研究の最前線を語り合い、今後の経営や人生に向けた学びを得る勉強会等を開催予定。
寄付プログラム:研究活動を支える一般寄付・研究寄付のほか、若手研究者の育成を支援する冠奨学金プログラムを設置。
共同研究:企業・大学・研究機関との共同研究を受付。
経営体制ならびに主要メンバーからのコメント
財団化に伴い、新たに評議員を迎えた体制となりましたことをご報告いたします。
各分野の第一線でご活躍される皆様にご参画いただくことで、研究機構としてのガバナンス体制を強化し、社会からの信頼性を高めて参ります
理事

岡 瑞起(代表理事)
「京都五条という場所を拠点に、世界中の第一線で活躍する研究者たちと『探求』そのものを楽しむ場をつくっています。今回、一般財団法人という形をとることで、この活動を一過性のものではなく、長く続く仕組みとして次の世代に引き継いでいけると考えています。
AIが急速に発展する時代だからこそ、効率や最適化だけでは測れない『生命らしさ』とは何かを問い続けることに、大きな意味があると信じています。評議員の皆様、コミュニティの皆様とともに育てていきたいと思います。」
(経歴)
ALife Institute代表理事兼共同創業者。千葉工業大学・デザイン&サイエンス研究科研究科長・教授。博士(工学)。IPA未踏IT人材発掘・育成事業PM。株式会社ConnectSphere代表取締役。Open-Endednessをテーマとする人工生命(ALife)研究に従事し、人間とAIが共創(co-creation)する未来社会の創出を目指している。特に、創造的でありながら安全性を兼ね備えたAIの開発を通じて、イノベーション促進や新たなコンテンツ創出に取り組む。大学での研究をベースに、社会実装にも力を入れる。著書に『ALIFE | 人工生命 ―より生命的なAIへ』『作って動かすALife ―実装を通した人工生命モデル理論入門』等。

鈴木 健(理事長)
「人工知能を考えるなら、人工生命から始めるべきです。知能も意識も、生命という現象から派生したものだからです。そしてあらゆる複雑な現象のなかで、生命ほど複雑なものはありません。人工生命は、その複雑さを削ぎ落とさずに扱うために、複雑系科学の運動から生まれました。人工知能はこれまで、人間に近づいたか、人間を超えたかと、つねに人間を基準に測られてきました。しかし人工生命が問うのは、ありうる生命のすべてであり、人間とその知能はたまたま実現したひとつの形にすぎません。この複雑な世界を複雑なまま生きるために、いまこそ人工生命の研究を推し進めたい。世界中の仲間たちと、この研究所から始めます。」
(経歴)
慶應義塾大学特任教授。1975年長野県生まれ。1998年慶應義塾大学理工学部物理学科卒業。2009年東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。国際大学グローバル・コミュニケーション・センター主任研究員、東京財団仮想制度研究所フェローを経て、2012年にスマートニュース株式会社を共同創業。著書に 『なめらかな社会とその敵』、共訳書に『現れる存在』など。専門は複雑系科学、自然哲学。

山内 万丈(理事)
「 幼い頃からSFや近未来の世界に夢中です。ゲームや漫画、アニメを通して、いつか実現するかも知れない未来の技術に胸を高鳴らせながら歳を重ねました。そんな技術のうち、AIは今まさにその花を大きく開こうとしています。傍観ではなく、この潮流に貢献できることはないか?ALifeは、人工生命研究を推進し、培ってきた知見をAIを含む様々な分野に提供します。これに京都で培われた文化観・自然観が呼応します。独創性を重んじる山内家イズムでALifeの成長を共に牽引します。」
(経歴)
2016年、早稲田大学政治経済学部卒業後、株式会社博報堂入社。2019年株式会社山内取締役執行役員就任。合同会社Yamauchi-No.10 Family Office代表。2021年一般財団法人山内財団設立。2023-24年、Stanford大学 APARCにて客員研究員。
評議員

山極 壽一
「私はこれまでゴリラを中心とした生態系の研究を行って参りました。人工生命と研究分野は異なりますが、AIが多くの方の日常にまで浸透する時代が到来した今、機械工学においても、生態系を理解し、応用していくという考えは、役に立つであろうと考えております。京都を中心に学びを深めてきた者として、研究の新たなあり方を示すという観点からも、この取り組みを応援しております。」
(経歴)
京都大学理学部卒、同大学院理学研究科博士後期課程単位取得退学。理学博士。ルワンダ共和国カリソケ研究センター客員研究員、日本モンキーセンター研究員、京都大学霊長類研究所助手、京都大学大学院理学研究科助教授、同教授、同研究科長・理学部長を経て、2020 年まで第 26 代京都大学総長。人類進化論専攻。屋久島で野生ニホンザル、アフリカ各地で野生ゴリラの社会生態学的研究に従事。 日本霊長類学会会長、国際霊長類学会会長、日本学術会議会長、総合科学技術・イノベーション会議議員、2025 年国際博覧会(大阪・関西万博)シニアアドバイザーを歴任。現在、総合地球環境学研究所 所長を務める。南方熊楠賞、アカデミア賞受賞。著書に『人生で大事なことはみんなゴリラから教わった』等。

谷家 衛
「UWC卒業生の岡さん、知的に尊敬している鈴木さん、同じ投資家の山内さんらとご一緒できて光栄です。金融を極めた立場から、事業と社会の間の資本環流の設計に従事して参りましたが、こちらのお話を伺って、今後の世界ならびにAIの潮流に大きな影響をもたらす取り組みと感じ、評議員をお引き受けいたしました。」
(経歴)
SDG Impact Japan の代表として、時代と社会の変化に応じたプロジェクトやサービスの創出をライフワークとしている。主な実績として、日本初のオンライン生命保険会社であるライフネット生命の立ち上げや、日本初のロボアドバイザリーサービスであるお金のデザインの設立などがある。また MNES および Discover Japan の会長も務める。三児の父親として、また実業家として、2005 年頃に ISAK のコンセプトを着想し、日本初の全寮制インターナショナルスクールである UWC ISAK ジャパンの発起人代表となった。ウェルビーイング、教育、そして長期的な社会的インパクトへの深いコミットメントがその活動の根底にある。1987 年東京大学法学部卒。

芳川 裕誠
「シリコンバレーでイノベーションに纏わる経営、投資に携わるなか、本当に面白い未来は、誰かが描いた計画の外側から生まれると感じてきました。人類の数多の歴史がこれを証明しているような気もしています。「生命とは何か」という問いのもとに、多様な人が集い、自由に探究する。そんな場が京都にあることに、大きな可能性を感じています。世界を追いかけるだけでなく、世界の才能が集まってくる場所を日本につくる。その挑戦を、日本と世界の研究者や起業家をつなぎながら、長い目で人類の発展の小さな一助になるような場所になるよう期待しています。」
(経歴)
シリコンバレーを拠点とする起業家・投資家。米Red Hat、三井物産の金融投資ファンドを経て、2011年にTreasure Dataを共同創業。CEOとして成長を牽引し、2018年の英Armによる買収を経て、現在は取締役会長を務める。2021年にCarbide Venturesを設立。
事務局長

野中 瑛里子
「これまで、金融や新規事業の経験を経て、スタートアップや非営利団体を介した様々な事業の展開をご支援して参りました。特にサイエンスの新興を金融がどう支えていけるのかと悩んでいた中で当研究所とのご縁をいただきました。日本はいま、基礎研究やDeeptechをどう推進していくかという岐路に立っています。これまでの経験を糧に、この取り組みを推進していければと思います。」
(経歴)
三菱UFJ銀行(市場部門)、SoftBank、Fintech協会事務局長を経て、多様な主体に向けた経営企画・事業開発支援にて起業。株式会社N.FIELD代表取締役。一般社団法人AIガバナンス協会リサーチフェロー。NPO法人Startup Weekend理事。NPO法人SHIFT80理事。一般社団法人LITTLE ARTIST LEAGUE理事。
組織概要
法人名:一般財団法人 人工生命研究機構(英語名:Artificial Life Institute / 通称:ALife Institute)
所在地:京都府京都市
設立年月日:2026年6月27日
代表理事:岡 瑞起
ホームページ:https://alife.institute
本件に関するお問い合わせ
ホームページの問い合わせフォームよりご連絡ください。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像
- 種類
- 経営情報
- ビジネスカテゴリ
- 財団法人・社団法人・宗教法人その他
- ダウンロード
- プレスリリース素材
このプレスリリース内で使われている画像ファイルがダウンロードできます