アメリカ画壇の騎手トム・クリストファー展、ギャルリーためながにて開催

現代アメリカ画壇の旗手として名高いトム・クリストファーの新作展を開催致します。高輝度の色調と大胆な筆致で、リアルタイムのニューヨークを独自の視点で描き続けるトム・クリストファーの作品は、アメリカはもとより世界の人々を魅了しています。

摩天楼、イエローキャブ、自転車メッセンジャー、そして行き交う個性豊かな人々を、ニューヨーク独特の人工と自然の光が乱反射するまばゆい煌きの中に、躍動感溢れる筆致で映し出します。写実性をベースにしながらも、少し不自然な色彩、定まらない視点、車にねじれのある動きなど、わずかなデフォルメを画家は好んで加え、この都市が抱える不安定な緊張感を表現すると同時に、混沌に帰すことのないニューヨークの真の魅力を鮮烈に描きだしています。

1952年カリフォルニア州ハリウッドに生まれ、パサディナ・アート・センターにて美術を学んだクリストファーは1981年よりニューヨークに居を構え、この大都市を描き始めます。作品は、ニューヨーク市立美術館、CBS社、タイムワーナー社のコレクションを始め、前ニューヨーク市長であるルドルフ・ジュリアーニ氏や、前アメリカ大統領夫人のローラ・ブッシュ氏もコレクターに名を連ねております。1995年には、ロックフェラーセンター、1998年にはタイムズスクエアに巨大壁画を制作し、2001年9.11テロ事件後には、ワールドトレードセンターを題材に描いた作品が全米に感銘を与え話題となり、作品はニューヨーク市立美術館に買い上げられ展覧されています。また、昨年は美術のコレクションで名高いバトラー美術館で個展を開催し、画家としての名声を更に高めるに至っております。

私どもが、トム・クリストファーと出会い作品を紹介し始めてから20年の歳月が経過いたしました。共に歩んできたこれまでの20年を記念し、今展を企画開催する運びとなりました。東京店に先立ち今春催したパリ店の展覧会では、ヨーロッパでの絶大な人気を反映し、大変な好評を戴きました。とりわけ色彩とフォルムの変化が注目され、両者がより円熟したことで、今まで以上に自由闊達な表現に到達したと大絶賛を頂戴いたしました。

今展は新作40余点のお披露目となります。皆様のご高覧を賜りたくご案内申し上げます。