太陽光発電システム、年間発電量の多さを重視する:81.9% でも、カタログに出ている年間発電量って、実際に1年間使った場合の数字じゃないってホント ?
太陽光発電システムがエコで経済的なこれからのエネルギーライフに欠かせないことは、すでに多くの人に知られるようになりました。しかし、その一方で、まだあまり知られていない事実もたくさんあります。
正しい知識をもって、それぞれの住まいにあった太陽光発電システムを選んでいただくことが、豊かなエネルギーライフにつながるのではないでしょうか。
そこで、知っていそうで知らない太陽光発電についての話を消費者調査の結果とともにご紹介します。
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■太陽光発電システムを導入するとしたら、メーカーや商品を決定する際、何を重視する?
年間を通しての発電量の多さ:81.9%
太陽光発電システムに興味がある全国の男女1,500人に「導入するとしたら、メーカーや商品を決定する際、何をどの程度重視しますか」とたずねたところ、「年間を通しての発電量の多さ」を「とても重視する」、「まあ重視する」と答えた人の合計は、全体の81.9%。カタログなどに記載されている年間発電量の数字を、やはり大半の人が重視しているということがわかりました。
■太陽光発電システムは夏場の高温時は発電量が低下することを知っていますか?
知らなかった:71.8%
また太陽光発電システムについて、「夏場の高温時は発電量が低下することを知っていましたか」の問いに対して「知っていた」と回答した人は、全体のわずか28.2%。実に7割を超える人が、その事実を「知らなかった」ということに。
「年間を通しての発電量の多さ」がとかく重視されがちな太陽光発電システムですが、高温時の発電量の低下について積極的に情報を発信しているメーカーは、そう多くないという現実を、指し示す実に皮肉な結果となりました。
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私が、お話します!
●尾間 紫 (住宅リフォームコンサルタント/一級建築士)
「家は生活を変える、人生を変える」 を信条にライフスタイルに合わせた住まい方を提唱。 現在は、住宅リフォームコンサルタントとして、企業へのビジネスサポートを始めとするコンサルタント、また住宅リフォームガイドとして、テレビ・雑誌・講演会などで活躍中。
■メーカーによっては、異なる基準で算出
カタログに表記されている数字だけで比較するのは危険 !
発電量の大小を決めるのは、設置したパネルの数と日照時間、そして変換効率です。この変換効率は、メーカー各社のカタログを見ると約6%~19%まで、製品によって大きく開きがあります。そこで、この変換効率の数値を重視する人が多い、と言う訳なのですが、この数値を出す条件がメーカーによって違っているとしたらどうでしょうか。
実は、各メーカーのカタログに書かれている数値は、国内メーカーから発売されているものであっても、全て同じ基準で算出されたものではなく、単純な数字の比較はできないのです。また、発電量のシミュレーションもメーカー毎に細かい条件が異なるため、例え同じ基準で算出されたものであっても、測定環境など全て同じ条件で出されているというわけではありません。
単純なカタログ上の数字の比較だけではわからないことが、この太陽光発電システムに関しては沢山あるのです。これらのことからも、カタログ上の数字は、あくまでも目安として考えることをおすすめします。
■表面温度が75℃を超えると、実は落ち込む発電量
日照時間の長い夏場の表面温度は70℃を超えることもザラなのに、カタログの数値は、表面温度25℃で算出ってホント !?
カタログに掲載されている発電効率などは、あくまでも表面温度が25℃であることを前提にした数値ですが、実際、日本の大半の地域では、日照時間が長いとされる夏場の表面温度は、70℃を超えることもザラです。
太陽光発電システムは真夏の炎天下に大活躍!といったイメージをお持ちの方も多いと思いますが、実は太陽光発電システムのパネルは、高温に弱く、真夏は、変換効率のロスが一番多いのです。
ちなみに、一般的な多結晶シリコン型の太陽電池では、表面温度が75℃になると、25℃のときと比べて、その出力は7割強まで落ち込みます。これらの数値は、カタログなどでは意外に見落としがちなものです。
ちなみに、同じ太陽光発電システムのパネルでも、単結晶系ハイブリッド型と呼ばれるものは、同じ条件下であっても、8割強をキープできることが実証されています。
つまり、高温時に強い太陽電池と、そうでない太陽電池では、実際の使用時、年間を通した発電量に、カタログ上のシミュレーションには出てこない、大きな違いが出るということです。
■パネルの出荷時の出力は、±10%まで許容範囲
公称出力数が同じでも、最大で20%も出力が違うことがある ?
これも意外と知られていない事実ですが、パネルの出荷時の出力は、±10%までが許容範囲としてJIS規格で認められています。極端な話をすると、公称出力数が同じパネルでも、-10%のものと、+10%のものがあり、その場合、最大で20%も実際の出力数が違うということがありえるわけです。とは言っても、国内メーカーのほとんどは、公称出力数より+性能のものだけを出荷しています。しかし、海外メーカーとなると、事情がやや異なるようです。
太陽光発電システムは、10年以上使い続けるものです。初めはわずかな差であっても、長い目で考えれば大きな差につながります。製品を選ぶ際は、そのメーカーが信頼のおけるメーカーかどうか、しっかり見極めたいものです。
■面積の限られた屋根に、極力省スペースで付けたい太陽光発電
せっかく選ぶなら、実使用時に高い実力を発揮できるものを !
ただでさえ、日本の住宅の屋根は狭いと言われています。その狭い屋根を最大限活かすためには、限られたスペースで、効率よく発電する太陽光発電システムを選ぶことも非常に重要です。また屋根や家自体への負担のことを考えても、できるだけシステム全体が軽量であることが望まれます。
ちなみに、最近では、狭小屋根や複雑な形状の屋根に対応したものも次々に登場しています。
限られた屋根の面積を最大限に活かし、住まいに負担を掛けないためには、省スペースで効率よく発電できるシステムが理想です。
小さな屋根でも、発電効率の高いパネルを選び、さらに効率よくパネルを配置できれば、しっかり発電できるのです。
<調査概要>
実施時期 :2012年3月 実施形態 :オンライン調査 調査主体:パナソニック株式会社
調査対象 :太陽光発電システムに興味がある全国の男女1,500人 ※上記数値は、小数点以下の四捨五入の関係で、合計が100.0%にならないデータもございます
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