【フィリピン台風】 深刻なコメ不足の危機が目前 ― 早急に被災コメ農家の支援を
コメを主食とするフィリピンにおいて、台風30号(ハイエン)の被災地では数百万人が数か月後に食料不足に陥る危険が高まっています。台風によって広範囲にわたり田畑が破壊され、多くの農家が種籾(たねもみ)や肥料、農具を失いました。被災した地域ではコメの二期作が行われており、台風30号が直撃したのはまさに収穫が行われていた時期でした。今回の台風により、当該地域の年間収量のうち、約50%が失われてしまいました。
現在、NGO等は、可能な限りの被災農家への支援を行っており、オックスファムは、コメの生産地であるサマール島とレイテ島で農地の復旧支援を行っています。
被災地における、次のコメの種まきの時期は12月と迫っています。農作業を再開できなければ農家は来年3月にコメを収穫できず、収入は激減し借金苦に陥る危険性が高いと考えられます。さらに、農村だけでなく、都市部でも深刻なコメ不足の影響があることが懸念されます。
しかし、国際社会全体で見ると、農業分野への支援不足は深刻です。オックスファムは各国政府に対して、国連の発表したフィリピンの被災者支援のための行動計画の中の農業分野への資金拠出を呼び掛けています。計画全体に対しては目標額の42.9%の資金が集まっていますが、農業分野へ集まったのは11.9%にとどまっています(11月21日現在。 国連人道問題調整事務所(OCHA)の発表による)。
一刻も早く、より多くの農業分野への支援を実施することが必須です。そうすることにより、コメ生産を再開し、更に作物を多様化させ、農業インフラを整備して、次の自然災害に備えることができます。
以上
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資料統計・補足
◆国連食糧農業機関(FAO)によれば、台風30号(ハイエン)により、フィリピン全土のコメ耕作地のうち3分の1が被災した。台風30号を受けて、FAOはフィリピンのコメ収穫量の2013年度予測を1890万トンから1800万トンに下方修正した(11月19日現在。 FAO Global Information and Early Warning System – GIEWS)。
◆上記90万トンの減少は被災地において端的にあらわれる見込みである。台風30号の深刻な被害を被った東ビサヤ地方は全農地の22%にあたる157,632ヘクタールで米作が行われ、2012年のコメの収量994,972トンは東ビサヤ地方の主食として消費された。
◆オックスファムは1987年から継続してフィリピン各地で小規模農家や漁師の支援を行っている。
◆日本政府の支援総額は5210万ドル(約52.1億円)。内訳は3000万ドル(約30億円)の緊急無償資金協力(国際機関を通じ、食料、水・衛生、緊急シェルター等の分野等)、緊急援助物資 約60万ドル(6000万円相当)、NGO(ジャパン・プラットフォーム)からの支援 約150万ドル(1.5億円)、アジア開発銀行(ADB)を通じた緊急支援 2000万ドル(約20億円)。 ※外務省HPより(11月15日現在)
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被災地の再生のためにオックスファムは長期的に支援活動を行っていく予定です。
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