寄付金により先進的研究を推進、1型糖尿病の根治に向けた確かな前進―日本の寄付文化を変える端緒にも―
今注目の集まる “異種移植” の可能性を拓く
1型糖尿病の根治を目指す、認定特定非営利活動法人日本IDDMネットワークは 「ふるさと納税寄付金(助成金)贈呈式」を過日実施致しました。資金調達により 『バイオ人工膵島移植プロジェクト』 の推進を加速化。その研究概要と協力体制を発表し、根治に向けたさらなる前進を確実のものとしました。
1型糖尿病の根治を目指す認定特定非営利活動法人日本IDDMネットワーク(理事長・井上龍夫:事務局 佐賀市)では、平成26年度より、佐賀県庁への日本IDDMネットワーク指定ふるさと納税に取り組み、平成27年度においては1億900万円の実績となりました。この結果をもって、去る平成28年3月29日(火)、国立研究開発法人国立国際医療研究センター(東京都新宿区)にて「ふるさと納税寄付金(助成金)」贈呈式を開催致しました。会見では同センター霜田雅之膵島移植プロジェクト長による研究概要や今後の見通し等が語られ、日本IDDMネットワークの宿願である 「1型糖尿病の根治」 実現を見据えた資金調達の各種仕組みや目標についても発表がなされました。政府や製薬業界ではなくNPOによる先進研究の推進および治療法の開拓において、大きな注目を集めました。
明らかになった、「不治の病が治る病 へ」と近づいている事実
『バイオ人工膵島移植プロジェクト』 とは
今回の日本IDDMネットワークが行った資金調達は、バイオ人工膵島移植プロジェクトへの研究助成を主な目的としました。
このプロジェクトにおいて、かねてより課題の一つとされてきたのが、「拒絶反応を受けず」、「長期間に渡って膵島を生着できること」 でした。現在の研究において、豚を用いることでドナー不足をクリアし、膵島を免疫隔離のできるカプセルに封入し拒絶反応から護ることが可能であろうとされています。
研究プロジェクトを率いる国立国際医療研究センター霜田雅之氏は、「膵島移植という治療法は、血糖値が不安定な患者に対して移植を行うと効果が高いとされている。しかしドナー不足が課題である。大量に入手可能な新たな細胞源として、豚由来の膵島が有望である。機能も非常に人間に近く、これを特殊なカプセルに封入し、人間に移植する。この免疫細胞の抗体の攻撃をかわしてくれるカプセルに封入した膵島をバイオ人工膵島といい、この方法では免疫抑制剤が不要になると期待される。本研究ではバイオ人工膵島の開発を行っており、現在臨床研究に向けて取り組んでいる」 と会見で説明をしました。
また、研究に欠かせない感染症の問題をクリアした安全かつ清潔な豚の供給において協力・研究を進める、明治大学農学部生命科学科発生工学研究室の長嶋比呂志教授から、「これまで豚の臓器が人に移植できないか、豚の体の中に人の膵臓を作り出せないかなどといった、将来的に1型糖尿病治療に役立つような豚の開発のための基礎研究を行ってきた。ここ数年でバイオ人工膵島の研究が飛躍的に進んできたことで、実際に患者に移植できるような衛生レベルの高い豚が必要になった。医療用グレードの安全な豚を作ることや、豚の膵島の機能をレベルアップすることを通じて、将来的にプロジェクトに寄与していきたい」 とコメントを述べられました。
「ふるさと納税」 を活用した地方自治体との協力や多彩な資金調達で治療の前進をリードする
本寄付贈呈式においては、研究プロジェクトを推進している国立国際医療研究センター研究所臨床膵島移植プロジェクトをはじめとする研究者や糖尿病専門医の方々が出席。
なお贈呈式に登壇した日本IDDMネットワークの大村詠一専務理事より、「根治につながるソフト面と、それを実現するハード面で対策が必要である。どちらか一方だけでも完成しないプロジェクトであり、私たちは多彩な資金調達を行っている。研究に加えて、医療用に使える豚を育てる施設の建設、CPC(細胞加工施設)の整備など、この2年間で2億円の研究助成を目指す」 との今後の資金調達についても発表しました。
【団体概要】
〒840-0823 佐賀県佐賀市柳町4-13
認定特定非営利活動法人日本IDDMネットワーク
理事長 井上龍夫
http://japan-iddm.net/
明らかになった、「不治の病が治る病 へ」と近づいている事実
『バイオ人工膵島移植プロジェクト』 とは
今回の日本IDDMネットワークが行った資金調達は、バイオ人工膵島移植プロジェクトへの研究助成を主な目的としました。
このプロジェクトにおいて、かねてより課題の一つとされてきたのが、「拒絶反応を受けず」、「長期間に渡って膵島を生着できること」 でした。現在の研究において、豚を用いることでドナー不足をクリアし、膵島を免疫隔離のできるカプセルに封入し拒絶反応から護ることが可能であろうとされています。
研究プロジェクトを率いる国立国際医療研究センター霜田雅之氏は、「膵島移植という治療法は、血糖値が不安定な患者に対して移植を行うと効果が高いとされている。しかしドナー不足が課題である。大量に入手可能な新たな細胞源として、豚由来の膵島が有望である。機能も非常に人間に近く、これを特殊なカプセルに封入し、人間に移植する。この免疫細胞の抗体の攻撃をかわしてくれるカプセルに封入した膵島をバイオ人工膵島といい、この方法では免疫抑制剤が不要になると期待される。本研究ではバイオ人工膵島の開発を行っており、現在臨床研究に向けて取り組んでいる」 と会見で説明をしました。
また、研究に欠かせない感染症の問題をクリアした安全かつ清潔な豚の供給において協力・研究を進める、明治大学農学部生命科学科発生工学研究室の長嶋比呂志教授から、「これまで豚の臓器が人に移植できないか、豚の体の中に人の膵臓を作り出せないかなどといった、将来的に1型糖尿病治療に役立つような豚の開発のための基礎研究を行ってきた。ここ数年でバイオ人工膵島の研究が飛躍的に進んできたことで、実際に患者に移植できるような衛生レベルの高い豚が必要になった。医療用グレードの安全な豚を作ることや、豚の膵島の機能をレベルアップすることを通じて、将来的にプロジェクトに寄与していきたい」 とコメントを述べられました。
「ふるさと納税」 を活用した地方自治体との協力や多彩な資金調達で治療の前進をリードする
本寄付贈呈式においては、研究プロジェクトを推進している国立国際医療研究センター研究所臨床膵島移植プロジェクトをはじめとする研究者や糖尿病専門医の方々が出席。
糖尿病専門医である植木浩二郎同糖尿病研究センター長は「2型糖尿病にとっても画期的なこと。霜田先生とともに協力して取り組んでいく」。また、春日雅人同センター理事長は「日本に寄付文化は根付かないと思っていたが、ふるさと納税で善意がこの研究プロジェクトに結集された。日本の寄付文化を変える端緒になる。今後こういう方向で寄付の在り方が変わることを期待している。その最初のケースとして霜田先生には成果を出してもらいたい」と述べられました。さらに、本資金調達において活用されたガバメント・クラウドファンディング「ふるさとチョイス」を運営する㈱トラストバンクの須永珠代代表取締役社長からは、「オープンから3年を迎えた昨年、1億PVを突破した。佐賀県庁の先進的な仕組みと日本IDDMネットワークのわかりやすく“寄付の使い道”を示す努力が今回の結果にあらわれた。今後も多くの方々にふるさと納税が伝わるよう尽力したい」 といったコメントをいただきました。
なお贈呈式に登壇した日本IDDMネットワークの大村詠一専務理事より、「根治につながるソフト面と、それを実現するハード面で対策が必要である。どちらか一方だけでも完成しないプロジェクトであり、私たちは多彩な資金調達を行っている。研究に加えて、医療用に使える豚を育てる施設の建設、CPC(細胞加工施設)の整備など、この2年間で2億円の研究助成を目指す」 との今後の資金調達についても発表しました。
デジタルを活用した寄付推進による資金調達手法の多彩さ、またその積極的姿勢は現在治らない疾患である1型糖尿病を根治させるという明確な目標に基づいています。今後も目的を同じくする企業や団体との提携を積極的に進めて参ります。また、寄付というご支援により進めることができる研究に対し、支援者の方々に 「喜ばれる御礼の形」 についても今後一層本格的に実現していくことと致します。
【団体概要】
〒840-0823 佐賀県佐賀市柳町4-13
認定特定非営利活動法人日本IDDMネットワーク
理事長 井上龍夫
http://japan-iddm.net/
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