カーディナル ヘルス ジャパン、高出血リスクPCI患者に対し抗血小板療法投与期間の選択を可能にする薬剤コーテッドステント「BioFreedom™」(バイオフリーダム)を新発売
Cardinal Health Japan合同会社(本社:東京都新宿区、社長:茂呂太一)の心臓・血管関連デバイス事業部門であるコーディスは、この度PCI※1(経皮的冠動脈形成術)後に、医師による二剤抗血小板療法(DAPT)の投与期間の選択が可能となる、薬剤コーテッドステント(DCS)※2 「BioFreedom™」※3(製造:Biosensors, Inc.)を新発売いたしました。BioFreedom™は、世界で初めて高出血リスク(HBR:High Bleeding Risk)患者だけを対象に1ヵ月の二剤抗血小板療法※4をベースに大規模臨床試験※5が実施された唯一のステントです。
この度、新発売したBioFreedom™は、薬剤をステント表面に塗布するにあたり、ポリマーを使用することなく、ステントの血管壁面にのみ微細粗面構造(Selectively Micro-structured Surface:SMS)を施すことで、再狭窄を抑制する薬剤バイオリムスA9™を塗布することに成功しました。(図1)
BioFreedom™はポリマーフリーによるベアメタルステント(BMS)の安全性と、バイオリムスA9™塗布による薬剤溶出ステント(DES)の有効性を兼ね備えた、本邦初の薬剤コーテッドステントです。
本邦では全12施設において、HBR患者140名に対し、1ヵ月のDAPTという条件下で臨床試験が行われました。※5その結果、心臓死、ステント血栓症は0%でした。BioFreedom™は、欧州において最も短い期間の1ヵ月DAPTという条件下で行われたLEADERS FREE試験において、BMS群と比較し有効性のみならず、主要安全性評価項目においても優位性を示しました。※6
Cardinal Health, Inc.は、Biosensors, Inc.と日本における同社の経皮的冠動脈インターベンション(PCI)製品に対するコーディスによる独占販売契約を2016年11月に締結しています。
心疾患について・・・心疾患は日本人の三大疾病の一つで、狭心症や急性心筋梗塞などがその代表例です。また高齢化が進むにつれ、ガンや不整脈など、複数の疾病を併発した患者さんが増加しています。
ステント治療の変遷・・・虚血性心疾患に対するステント治療は、狭くなった冠動脈内に筒状の金属であるステントを留置することで、血管内腔の血流を確保し、胸の痛みを和らげる低侵襲な治療方法です。DESはステントに塗布された薬剤をポリマーを介して一定期間放出することで、薬剤の塗布されていないBMS時代に問題となっていた、治療後に再び血管が狭くなる「再狭窄」を激減してきました。※7
【PCI治療後の合併症】
ステント血栓症・・・DES治療においては、治療後にステントに塗布された薬は消失するものの、ポリマーは一定期間体内に残留することなどから、ステント内で血栓が詰まってしまう「ステント血栓症」が懸念されていました。これを予防する為に、DES留置後は、長期にわたる抗血小板剤のDAPTをすることが推奨されています。※7
出血性合併症・・・DAPTの長期化は血栓症の予防に寄与する一方で、75歳以上の高齢者・経抗凝固療法を受けている方など、出血性リスクが高い患者さんにとっては出血性合併症の一因となっています。この為、患者さん個別に出血性リスクと血栓症リスクを鑑みたDAPT期間調整の必要性が求められています。※8
複数の疾患を抱えるなど、出血性リスクを持つ患者さんはPCI治療患者の20%と言われています。※9出血性合併症を起こした患者さんの多くが重篤な転帰を迎えています。※10
カーディナルヘルスについて
世界中で総合的ヘルスケアサービスと医療製品を取り扱うカーディナルヘルス(Cardinal Health, Inc.)は、病院・クリニック・診察室・臨床検査室・医療保険・薬局などお客様にあわせたソリューションを各国で提供しています。臨床成績に裏付けされた医療機器や医薬品だけでなく、費用対効果の高いソリューションも、病院や家庭へお届けします。また、シームレスな医療連携とより良い看護に向けて、患者様と医療従事者、保険機関、薬剤師、製造者とを繋ぎます。
全世界約60カ国で5万人を超える社員と、100年近くに及ぶ経験を持ち、フォーチュン500のトップ15にランクインしています。
最新情報は、cardinalhealth.com、Twitterの@CardinalHealth、LinkedInにてご確認ください。
Cardinal Health Japan合同会社について
Cardinal Health, Inc.の日本法人。2015年に設立。
詳細はこちらのリンク先http://www.cardinalhealth.jp をご覧ください。
※1 PCI:Percutaneous Coronary Intervention 経皮的冠動脈形成術の略称
※2 DCS:Drug Coated Stent 薬剤コーテッドステントの略称
※3 薬事承認2017年8月1日、発売2017年9月1日
※4 DAPT:Dual Antiplatelet Therapy 2剤の抗血小板療法の略称
※5 BioFreedom国内治験:CVIT2017 Late Breaking Trial
※6 Polymer-free Drug-Coated Coronary Stents in Patients at High Bleeding Risk. N Engl J Med 2015 373:2028-2047
※7 安定冠動脈疾患における待機的PCIのガイドライン(2011年改訂版)
※8 The Task Force for dual antiplatelet therapy in coronary artery disease of the European Society of Cardiology (ESC) and of the European Association for Cardio-Thoracic Surgery(EACTS). EHJ 2017.1-48
※9 LEADERS FREE two Year Outcomes of High Bleeding Risk Patients after Polymer-Free Drug-Coated Stents. Philip Urban et al. TCT2016
※10 2-Year Outcomes of High Bleeding Risk Patients After Polymer-Free Drug-Coated Stents. JACC 2017 162-71
図1 製品カタログ
BioFreedom™
■販売名:BioFreedom薬剤コーテッドステント ■承認番号22900BZX00251000
■クラス分類:Ⅳ ■JMDNコード:36035004 ■製造販売元:日本バイオセンサーズ株式会社■販売元:Cardinal Health Japan合同会社
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザーログイン既に登録済みの方はこちら
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像