ADVERTISING WEEK ASIA 2018 「視聴率見える化元年 マーケティングはどう変わる?」をテーマに議論
日本アドバタイザーズ協会(JAA)顧問 土橋代幸氏が登壇
2018年5月14日(月)~17日(木)で開催されているADVERTISING WEEK ASIA 2018の5月15日(火)のセッションにて、日本アドバタイザーズ協会(JAA)顧問の土橋代幸氏と全国CMデータベースの新サービス「Madison」を提供開始する株式会社PTP(本社:東京都新宿区)代表取締役社長の有吉昌康氏がスピーカーとして登壇し、ブルーカレント・ジャパン株式会社 代表取締役社長の本田哲也氏をモデレーターとして迎え「視聴率見える化元年 マーケティングはどう変わる?」をテーマに議論するセッションが実施されました。
<イベント詳細>
・イベント名:ADVERTISING WEEK ASIA 2018
・会 場:東京ミッドタウンHall B-2「エージェンシーステージ」 (〒107-0052 東京都港区赤坂9丁目7−1)
・日時(登壇日):5月15日(火)16:40~17:25
・タイトル:視聴率見える化元年 マーケティングはどう変わる?
■土橋 代幸氏(デルフィス株式会社 常務執行役員 /全日本シーエム放送連盟(ACC)新事業検討委員長 / 日本アドバタイザーズ協会(JAA)顧問)
1984 (昭和59)年4月トヨタ自動車株式会社 入社(財務部)
1990 (平成02)年10月 宣伝部
2008 (平成20)年1月 レンタリース部
2011 (平成23)年1月 (株)トヨタマーケティングジャパン
2012 (平成24)年1月 (株)トヨタマーケティングジャパン 取締役
2018 (平成30)年1月 (株)デルフィス 常務執行役員
■有吉 昌康氏(株式会社PTP 代表取締役社長)
株式会社野村総合研究所に入社。マーケティングを専門にコンサルティング業務に従事。2000年に同社を退職し、株式会社パワー・トゥ・ザ・ピープル(現 株式会社PTP)を創業。2006年に日本初の全録型HDDレコーダー SPIDERを販売開始。日本、米国、韓国、中国等で多数の特許を取得。2012年「日経チェンジメーカー2011」経営者部門にノミネートされた。一橋大学商学部卒、ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院卒。
■本田 哲也氏(ブルーカレント・ジャパン株式会社 代表取締役社長/CEO)
1970年生まれ。戦略PRプランナー。「世界でもっとも影響力のあるPRプロフェッショナル300人」にPRWeek誌によって選出された日本を代表するPR専門家。99年、世界最大規模のPR会社フライシュマン・ヒラードの日本法人に入社。2006年、ブルーカレント・ジャパンを設立し代表に就任。2009年に『戦略PR』(アスキー新書)を上梓し、広告業界にPRブームを巻き起こす。『広告やメディアで人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい。』(田端信太郎氏との共著、ディスカヴァー刊)などの著作、国内外での講演実績多数。2015年よりJリーグマーケティング委員。2015年の『PRWeek Awards』にて「PR Professional of the Year」を受賞。「カンヌライオンズ2017」PR部門審査員。
<講演内容>
1.果たすことができなかったテレビCMの説明責任、“効果がわからないならテレビCMはやめるべき”という声も
テレビCMの視聴率が見えるようになることで、マーケティングはどう変わるのか?というテーマで行われた今回のセッション。まずテーマに挙がったのは広告主から見たテレビCMの現状でした。日本で最も大きな広告主のひとつであるトヨタ自動車のハウスエージェンシー・デルフィスの常務である土橋氏は、「事業部から億単位の広告予算を預かる宣伝部長は大変。広告出稿に対してベストパフォーマンスを生み出せているかを説明する責任があり、それが十分でなければ“効果のわかりにくいテレビCMはやめるべきでは”という声が事業部から上がる」と窮地に置かれているテレビCMの現状を説明。JAAが宣伝部長108名に行った調査では約36%が「効果がわからないならテレビCMはやめるべきでは」と指摘された経験があるとの回答結果も紹介。スマートフォンの普及による消費者の行動変化とデータドリブンの進化がこうしたムードの加速を生み出しているといいます。
こうした現状に対して、テレビCMの放映データをエリア別に把握できるソリューション「Madison」を3月末にリリースしたばかりのPTPの有吉氏は、「外資系企業からは、日本ではエリア別のテレビCM視聴データがないことに驚かれる。海外では広告主が当たり前に持っているもの。(PTPのデータを見て)やっと見つけたと言われる」と説明。マーケティングのデータドリブンが進む中で、最も大きな予算が動くテレビCMが最も見える化できていなかったという日本の現状が浮かび上がりました。
2.マス広告がなければ、新規需要の広がりは生み出せない
議論はここで、テレビCMをはじめとするマス広告とネット広告をはじめとするデジタルマーケティングの果たすべき役割について及びます。土橋氏はこの点について、「オウンドメディア(自社サイトや自社SNSアカウント)の役割が強くなってきており、これまでのペイドメディアに対して強い影響力を持ってきた」と説明。マスとデジタルの対比ではなく、オウンドメディアとペイドメディアの対比で考えるようになってきている現状を紹介しました。ただ土橋氏は、「オウンドメディアに投資を集中すると効率は上がるが、新しい需要の広がりは生み出せない」と語り、マス広告が新規顧客獲得に果たす役割の大きさを明確にしました。「マス広告がしっかりしていると多様なデジタル施策の効率は担保できるが、マス広告を縮小してデジタルだけで新規顧客へのコンタクトを生み出していくことは手間が掛かって厳しい」(土橋氏)。
3. テレビCMのデータ検証ができることで、マーケティング最適化が加速する
このように、テレビCMの視聴実績がデータとして見えづらく、重要な手段であるにも関わらず、そのマーケティング貢献度を説明することが難しいという現状を大きく変えることができる新しいソリューションとして、PTPが開発した「Madison」を有吉氏が紹介しました。「Madison」では競合他社のCMの出稿状況をエリア別に把握してエリア毎に自社CMのシェアを出せたり、自社で持っている売上データなどと連携することで、今までテレビCMではできなかった効果測定ができるようになると説明。さらには、先進事例として大手飲料メーカー(KIRIN)の事例を紹介しながら、すでにエリアに合わせて素材やCM投下量を変えるといった実験が始まっていると話しました。「重要なのは、テレビCM施策をデータに基いて、しかも、量や素材というレベルまで分解し、効果検証ができるようになったということ。また、テレビCMがデジタル施策と並んでデータ分析できるようになったことで、機動力が高いデジタルの特徴も活かせることになり、価値も上がる。マーケティング最適化が加速するのではないか」
4. 視聴率見える化元年、業界全体で広告の新時代をつくっていくべき
Madisonの登場は、今後テレビCMにおける視聴率の見える化=テレビCMのデータドリブン展開の加速を期待させるものです。では、これによってテレビCMはどのように変化していくのでしょうか。土橋氏は「様々なデータが活用できて柔軟なプランニングができても、テレビCMの出稿の運用が迅速に柔軟にできなければ意味がない。メディアサイドのユーザービリティが劇的に変わる必要がある」と提言。加えて、「テレビCMとデジタル施策を共通で測れるKPIが必要だ」と語り、広告主、メディア、ソリューションプロバイダが垣根を越えて新時代の広告のあり方を生み出していく必要性を提言しました。一方で有吉氏は「マス広告の見える化が進み説明力が上がるとマーケティング施策の幅やスピードが広がる。見えるようになったことで様々な実験がはじまり、データドリブンマーケティングのノウハウを蓄積する競争が始まっており、コンビニ業界のように一番手が競争優位を勝ち取るのではないか」と予想した。
・イベント名:ADVERTISING WEEK ASIA 2018
・会 場:東京ミッドタウンHall B-2「エージェンシーステージ」 (〒107-0052 東京都港区赤坂9丁目7−1)
・日時(登壇日):5月15日(火)16:40~17:25
・タイトル:視聴率見える化元年 マーケティングはどう変わる?
<登壇者略歴>
■土橋 代幸氏(デルフィス株式会社 常務執行役員 /全日本シーエム放送連盟(ACC)新事業検討委員長 / 日本アドバタイザーズ協会(JAA)顧問)
1984 (昭和59)年4月トヨタ自動車株式会社 入社(財務部)
1990 (平成02)年10月 宣伝部
2008 (平成20)年1月 レンタリース部
2011 (平成23)年1月 (株)トヨタマーケティングジャパン
2012 (平成24)年1月 (株)トヨタマーケティングジャパン 取締役
2018 (平成30)年1月 (株)デルフィス 常務執行役員
■有吉 昌康氏(株式会社PTP 代表取締役社長)
株式会社野村総合研究所に入社。マーケティングを専門にコンサルティング業務に従事。2000年に同社を退職し、株式会社パワー・トゥ・ザ・ピープル(現 株式会社PTP)を創業。2006年に日本初の全録型HDDレコーダー SPIDERを販売開始。日本、米国、韓国、中国等で多数の特許を取得。2012年「日経チェンジメーカー2011」経営者部門にノミネートされた。一橋大学商学部卒、ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院卒。
■本田 哲也氏(ブルーカレント・ジャパン株式会社 代表取締役社長/CEO)
1970年生まれ。戦略PRプランナー。「世界でもっとも影響力のあるPRプロフェッショナル300人」にPRWeek誌によって選出された日本を代表するPR専門家。99年、世界最大規模のPR会社フライシュマン・ヒラードの日本法人に入社。2006年、ブルーカレント・ジャパンを設立し代表に就任。2009年に『戦略PR』(アスキー新書)を上梓し、広告業界にPRブームを巻き起こす。『広告やメディアで人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい。』(田端信太郎氏との共著、ディスカヴァー刊)などの著作、国内外での講演実績多数。2015年よりJリーグマーケティング委員。2015年の『PRWeek Awards』にて「PR Professional of the Year」を受賞。「カンヌライオンズ2017」PR部門審査員。
<講演内容>
1.果たすことができなかったテレビCMの説明責任、“効果がわからないならテレビCMはやめるべき”という声も
テレビCMの視聴率が見えるようになることで、マーケティングはどう変わるのか?というテーマで行われた今回のセッション。まずテーマに挙がったのは広告主から見たテレビCMの現状でした。日本で最も大きな広告主のひとつであるトヨタ自動車のハウスエージェンシー・デルフィスの常務である土橋氏は、「事業部から億単位の広告予算を預かる宣伝部長は大変。広告出稿に対してベストパフォーマンスを生み出せているかを説明する責任があり、それが十分でなければ“効果のわかりにくいテレビCMはやめるべきでは”という声が事業部から上がる」と窮地に置かれているテレビCMの現状を説明。JAAが宣伝部長108名に行った調査では約36%が「効果がわからないならテレビCMはやめるべきでは」と指摘された経験があるとの回答結果も紹介。スマートフォンの普及による消費者の行動変化とデータドリブンの進化がこうしたムードの加速を生み出しているといいます。
こうした現状に対して、テレビCMの放映データをエリア別に把握できるソリューション「Madison」を3月末にリリースしたばかりのPTPの有吉氏は、「外資系企業からは、日本ではエリア別のテレビCM視聴データがないことに驚かれる。海外では広告主が当たり前に持っているもの。(PTPのデータを見て)やっと見つけたと言われる」と説明。マーケティングのデータドリブンが進む中で、最も大きな予算が動くテレビCMが最も見える化できていなかったという日本の現状が浮かび上がりました。
2.マス広告がなければ、新規需要の広がりは生み出せない
議論はここで、テレビCMをはじめとするマス広告とネット広告をはじめとするデジタルマーケティングの果たすべき役割について及びます。土橋氏はこの点について、「オウンドメディア(自社サイトや自社SNSアカウント)の役割が強くなってきており、これまでのペイドメディアに対して強い影響力を持ってきた」と説明。マスとデジタルの対比ではなく、オウンドメディアとペイドメディアの対比で考えるようになってきている現状を紹介しました。ただ土橋氏は、「オウンドメディアに投資を集中すると効率は上がるが、新しい需要の広がりは生み出せない」と語り、マス広告が新規顧客獲得に果たす役割の大きさを明確にしました。「マス広告がしっかりしていると多様なデジタル施策の効率は担保できるが、マス広告を縮小してデジタルだけで新規顧客へのコンタクトを生み出していくことは手間が掛かって厳しい」(土橋氏)。
3. テレビCMのデータ検証ができることで、マーケティング最適化が加速する
このように、テレビCMの視聴実績がデータとして見えづらく、重要な手段であるにも関わらず、そのマーケティング貢献度を説明することが難しいという現状を大きく変えることができる新しいソリューションとして、PTPが開発した「Madison」を有吉氏が紹介しました。「Madison」では競合他社のCMの出稿状況をエリア別に把握してエリア毎に自社CMのシェアを出せたり、自社で持っている売上データなどと連携することで、今までテレビCMではできなかった効果測定ができるようになると説明。さらには、先進事例として大手飲料メーカー(KIRIN)の事例を紹介しながら、すでにエリアに合わせて素材やCM投下量を変えるといった実験が始まっていると話しました。「重要なのは、テレビCM施策をデータに基いて、しかも、量や素材というレベルまで分解し、効果検証ができるようになったということ。また、テレビCMがデジタル施策と並んでデータ分析できるようになったことで、機動力が高いデジタルの特徴も活かせることになり、価値も上がる。マーケティング最適化が加速するのではないか」
4. 視聴率見える化元年、業界全体で広告の新時代をつくっていくべき
Madisonの登場は、今後テレビCMにおける視聴率の見える化=テレビCMのデータドリブン展開の加速を期待させるものです。では、これによってテレビCMはどのように変化していくのでしょうか。土橋氏は「様々なデータが活用できて柔軟なプランニングができても、テレビCMの出稿の運用が迅速に柔軟にできなければ意味がない。メディアサイドのユーザービリティが劇的に変わる必要がある」と提言。加えて、「テレビCMとデジタル施策を共通で測れるKPIが必要だ」と語り、広告主、メディア、ソリューションプロバイダが垣根を越えて新時代の広告のあり方を生み出していく必要性を提言しました。一方で有吉氏は「マス広告の見える化が進み説明力が上がるとマーケティング施策の幅やスピードが広がる。見えるようになったことで様々な実験がはじまり、データドリブンマーケティングのノウハウを蓄積する競争が始まっており、コンビニ業界のように一番手が競争優位を勝ち取るのではないか」と予想した。
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