「顔のない碑」に魅せられた気鋭の作家・坪本知恵の初となる個展がYUKIKOMIZUTANIで開催
安藤正楽の「日露戦役記念碑」との出会いは、坪本知恵に強烈なインパクトを残しました。愛媛県四国中央市土居町藤原の八坂神社境内にある「日露戦役記念碑」- 政治的、歴史的背景から文字が削られたまま次世代へと受け継がれるこの石碑が、彼女を作品制作へと誘います。刻印された文字とその消失をテーマに、東京・天王洲のTerrada Art ComplexⅡ 1階にあるギャラリー、YUKIKOMIZUTANIにて自身初の個展を行います。
Inscription(no,20-A,B) 2023年 各F100(1620×1303mm) パネル、綿布、膠、顔料
ステンシルを用いて何度も塗り重ねられた文字は意味が読み取れない形になります。しかし、白い下地の間に見え隠れする「とめ・はね・はらい」からそれらが文字であると認識することができます。坪本は過去を「伝わる」と「伝わらない 」の連続であると表し、その認識齟齬の上に今があるのだと考えます。そのような不確定で不確実な現実とどう付き合うのか、制作の中で模索しているのです。
字と形の間で認識を揺さぶる作品から、坪本のフィロソフィーが垣間見えます。
YUKIKOMIZUTANIでの初の個展となる本展を是非ご高覧下さい。
Inscription(No.8) 2023年 455×380mm パネル、綿布、膠、顔料
個展「間の形 – undetermined forms –」開催概要
場所:YUKIKOMIZUTANI
住所:東京都品川区東品川1-32-8 TERRADA ART COMPLEX Ⅱ 1F
会期:2023年6月16日(金)~7月8日(土)
初日6月16日(金)17:00-19:00 オープニングレセプション
時間:火曜~土曜|12時~18時
※日曜、月曜、祝日 休廊
Inscription(No.26) 2023年 1167×910mm パネル、綿布、膠、顔料
坪本知恵プロフィール
1997年 愛媛県生まれ
2020年 京都芸術大学(旧:京都造形芸術大学) 美術工芸学科修了
言葉の保存と伝達をテーマに作品を制作。近作は安藤正楽による日露戦争記念碑からインスピレーションを受け作品制作を行う。現在は京都を拠点に活動。
2019年公益財団法人クマ財団3期生、2018年「OSTEN BIENNIAL of DRAWING Skopje 2018」ではファイナリストに選出。2017年「ULTRA GLOBAL AWARD 2017」後藤繁雄賞。
コーポレートコレクションにおおさか創造千島財団(大阪)、OCA Tokyo(東京)、OSTEN(北マケドニア)がある。
作家、作品に関して報道関係の方の問い合わせ先
YUKIKOMIZUTANI プレス担当:八神
Mail : office@yukikomizutani.com Tel : 03-6810-3885
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