世界初!パラ選手から見える卓球台を具現化 “変形する卓球台”

岩渕「僕がどのように見えているか、健常者の方にも知ってもらうきっかけになれば」

 日本肢体不自由者卓球協会 (本社:東京都港区、会⻑:畠山講史郎 ※以後、パラ卓球協会)は、11月19日(月)より、変形する卓球台のデザインを協会HPにて公開いたします。
 通常、卓球台は長方形ですが、実は、パラ卓球の選手がプレーした時、障がいによって違った大きさに感じています。
変形する卓球台は、パラ卓球選手が自身の障がいと向き合い、自分から卓球台がどのように見えるかを具現化いたしました。

 ニールセンスポーツが2017年に調査したデータによると、パラスポを観戦したことがある人は1%という衝撃的な調査結果が発表されました。障がい者スポーツは、体験できる場も限られており、一般層が競技に触れる機会はごく僅かなためです。
※参考記事 https://azrena.com/post/9295/
 このような調査結果がある中、協会として、変形する卓球台を一般の方にも体験してもらうことで、1人でも多くの人にパラ卓球の楽しさを知ってもらい、試合を見ていただきたいと思っております。
パラ卓球公式HP https://jptta.or.jp/

1.岩渕幸洋選手の卓球台
 左足に踏ん張りがきかない岩渕選手の卓球は、左サイドのカドが遠くなっています。岩渕選手は左足ではステップの反動に耐えることができず、一度右側に踏み込んだら元のポジションに戻りづらいと感じています。そのため、上下左右に振られないように前でプレーするよう意識しています。勝負をすると決めた時に思い切り踏み込んで仕掛けていきます。

 

 

 

 

 

■岩渕選手インタビュー
ーー自分の障がいとこれまでの人生
 僕は生まれつき障がいがありました。ただ、体育とかも出来ないことはなかったので、自分が障がい者だという意識はありませんでした。中学生の時、部活で道具を使うスポーツがしたいと思い卓球を始めましたが、この時はまさか自分が卓球選手になりパラリンピックに出場できるなんて思いもしませんでしたね。

ーー自身の障がいについて
 両足首に障がいがあるので、左右に振られた時にハンデを感じます。特に左足は自分の力では動けないので、左に振られた時は卓球台が遠く感じます。

ーー自分から見える卓球台のカタチについて
 左足に踏ん張りがきかないので左側がとても長く感じます。なので、卓球台は左側がとても長くなっています。

ーー障がいを克服するためにどのようなチャレンジをしてきましたか?
 左右に振られた時にハンデを感じるので、振られないように前でプレーするよう
意識しています。勝負をすると決めた時に思い切り踏み込んで仕掛けていきます。

ーー変形する卓球台の話しを聞いて
 正直、今まで障がい者の意識があまりなかったので、無意識だったのですが、今回お話をいただいてみえるようにすることが出来てよかったです。

ーー卓球台に期待すること
 僕の場合、一見するとハンデがないように見えるんですけど、この卓球台によって可視化することで、僕がどのように見えているか健常者の方にも知ってもらうきっかけになればと思っています。

ーー最後に、パラ卓球について
 パラ卓球というスポーツは、障がいを攻めるのはセオリーで、障がいを巡る駆け引きがあります。そこを楽しんでもらえたらと思います。

2.茶田ゆきみ選手の卓球台
 前後左右の動きが限られる車イスでプレーする卓球台は、ものすごく遠く感じます。ネット際のボールは、どんなに手を伸ばしても届きません。そのため茶田選手の卓球台はとても奥行きがある卓球台になっています。
そのため、茶田選手は手前に打たせないよう、台の手前に打ち込んでチャンスを伺っています。


■茶田選手インタビュー
ーー自分の障がいとこれまでの人生
 小4の時に足が動かなくなり、障がいを患って落ち込んでいたのですが、その時出会ったのが卓球です。健常者と同じ卓球部入ったところ、先輩の紹介でパラ卓球があることを知りパラ卓球を始めました。


ーー自身が感じる障がいについて
 車イスの卓球は立っている人とは全然違います。前後左右の動きが限られてきます。
車イス同士でも外国の選手とは違い日本の選手はリーチが短いので、届く範囲が違ってくるんですよね。だいたいラケット2個分は変わってくる感覚です。

ーー自分から見える卓球台のカタチについて
 ネット際が届かないので、ネットまでがものすごく遠く感じます。どんなに手を伸ばしても届きません。卓球台で表すなら奥行きが長くなる感じです。

ーー障がいを克服するためにどのようなチャレンジをしてきましたか?
 手の届かないネット際に打たせないようにミドル(体の真ん中)深め、に打ち込んでいます。体に近く腕を折りたたんでスイングしないとならないのでコースを狙いにくいんです。もちろんネット際も狙いますがそこはとてもコントロールが難しい為日々練習に取り組んでいます。

ーー変形する卓球台の話しを聞いて
 おもしろいと思いました。健常者にパラ卓球のここが大変だと言っても伝わらないんです。この卓球台があることによって難しさを感じてもらいやすくなったと思います。

ーー変形する卓球台に期待すること
 私達から見える卓球台をプレーしていただくことで、どういう大変さがあってプレーしているのか感じてもらいたいです。

ーー最後に、パラ卓球について
 とても奥深いスポーツです。様々な障がいをもった選手がプレーするので、プレースタイルにはそれぞれ弱点があります。それは難しさでもあり個性でもあります。今後は、たくさんの方にも知ってもらい、試合を観に行こうと思っている人を増やしていきたいと思っています。また、障がいを持った子どもたちにもやってみたいと思える人を増やしていきたいと思っています。

3.八木克勝選手の卓球台
 手を伸ばすという手段を持たない八木選手の卓球は、手前や左右のボールが届きません。そのため、卓球台は下が大きく丸になっています。手でカバーできない分は足でカバーしています。足は動くので、フットワークを軽くする練習を中心にしています。


■八木選手インタビュー
ーー自分の障がいとこれまでの人生
 中学1年から始めて今年で16年目になります。きっかけはスポーツがやりたくて、接触プレーがなく、怪我が少なそうなスポーツをしたいと考えていたら卓球だなと思った。ラリー続いたら楽しそうだし。


ーー八木選手が感じる障がいによってうまれる困難
 僕は手が短く曲がっていて、手首が動きません。手が短いので、ボールに届かないんです。また、手首が動かないので、ラケットをかたむけて打つのに時間がかかります。

ーー自分から見える卓球台のカタチについて
 僕の卓球台は下が大きく丸になっています。理由は、リーチがなく、走り回らなければならないからです。

ーー障がいを克服するためにどのようなチャレンジをしてきましたか?
 手でカバーできない分足でカバーしています。足は動くので、フットワークを軽くする練習を中心にしています。たぶん、健常者の方よりも動いていると思います。

ーー変形する卓球台の話しを聞いて
 可視化出来たのはいいなと思った。卓球はラリーが早く見ている人にはあっという間なので、こういう風にも見えるんだということを知ってもらいたいです。

ーー変形する卓球台に期待すること
 なにか目指しているものに、あとちょっと足りない人に使ってもらいたいです。
何かの手段を使えば、きっと達成できる。それを実感できる台になったらいいなと思います。

ーー最後に、パラ卓球の魅力について
 卓球というスポーツは、健常者も障がい者も楽しむことができるスポーツです。子供からおじいちゃんおばあちゃんまで楽しめることが魅力だと思っています。僕は、卓球を通して多様性であること、こんな人もいるんだということを知ってもらいたい。

●卓球台制作者の思い
 競技用として、きちんとバウンドする卓球台を作りたいと思いました。この卓球台はリオ五輪と同じ技術が使われています。板の層を9層、1層1層ごと違う材質を入れたり、木目の方向をずらしたりして、より反りにくい天板を目指しています。
(株式会社三英 吉澤今朝男)

●開発に込めた思い
 パラ卓球はパラスポーツの中でも稀で、様々な障がいを持つ選手が混在し同じ台で競い合うスポーツです。
障がいを想像力でカバーし生まれていくプレースタイル。 そんな個性あふれる「もう一つの卓球」を一般のみなさまに知ってもらうことを目指しています。各選手が日頃から障がいを克服するために努力していることや、それゆえに存在するパラ卓球のおもしろさをこのパラ卓球台でお伝えし、みなさんが知っている卓球を超えていくこと目指しています。
(日本肢体不自由者卓球協会 広報 立石イオタ良二)

■選手プロフィール
岩渕幸洋 いわぶちこうよう
Class9
リオ2016パラリンピック代表
両足に先天性の障害があり、左足膝下に装具を使用しプレー。中学一年の時、卓球を始め、中学三年時パラ卓球と出会う。平成26年度(大学二年時)からナショナルチームに選出され、2014年世界選手権、2016年リオパラリンピックに出場。リオではメダル獲得を目標にするも予選敗退。2018年アジアパラで銀メダル、先日の世界選手権では個人銅メダルと勢いにのり2020年東京パラリンピックで金メダルを目指す。 

茶田ゆきみ ちゃだゆきみ
Class3
幼少時より椅子生活となり、中学1年から卓球を始める。
2015年より、日本代表として国際大会出場し、日本肢体不自由者卓球協会のナショナルチーム育成選手に選出される。国際大会で活躍し、2016年にはナショナルチーム選手となり、2020年東京パラリンピックを目指す。 

八木克勝 やぎかつとし
Class7
生まれつき先天性両橈骨欠損症という障害を持っている。卓球と出会ったのが中学1年のときで始めたきっかけは接触プレーが無く、他の競技に比べて怪我が少ないこと、また、自分の障害でもできるということで始めた。
現在、2020年東京パラリンピック金メダルを目標に練習中。障害者スポーツの発展、障害者の地位向上のための活動に参加したいと考えている。
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