レザバーコンピューティングを含め人工生命研究の世界的な第一人者である池上高志氏(東京大学教授)がQuantumCoreの技術顧問に就任、世界最先端の多変量時系列データ解析技術開発を加速。
ディープラーニングの性能を超える多変量時系列処理ソリューションの開発に成功した株式会社QuantumCore(クアンタムコア、本社:東京都品川区、代表取締役:秋吉信吾、以下当社)が、レザバーコンピューティング(Reservoir Computing)を含め人工生命研究の世界的な第一人者であり、複雑系科学で多くの知見と実績を持つ東京大学の池上高志教授を2019年1月から技術顧問として迎え、世界最先端の多変量時系列データ解析技術開発を加速させます。
■レザバーコンピューティングとは
レーザーの波長や波動く水面など、ダイナミクス(ノイズソース)を持つさまざまな物質を利用したコンピューティングをリザーバコンピューティングと呼びます。このリザーバコンピューティングを活用したリカレントニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network:RNN)が、最近新たな機械学習方式として注目されています。入力層、中間層(リザーバ層)、出力層(リードアウトニューロン層)の3層で構成される教師あり学習です。この方式では、ディープラーニングと違い、中間層を溜め池(Reservoir:リザーバ)にして計算を回すことで特徴抽出を行います。そのためディープラーニングで必要だった特徴抽出機能を学習により強化する必要がなく、学習時の中間層の重み更新が不要となる特徴を有しております。このため、学習時の計算に必要なデータ量や計算力を著しく節約することができます。なお、溜め池にはダイナミクス(ノイズソース)を持つものであれば様々なものが利用でき、現在はロボットやタコの身体をノイズソースとして計算する仕組みが探求されています。このように狭い意味では人工の神経回路を使って様々なノイズソースを用意し、そこから適宜情報を取り出して加算し計算する新しい人工の脳型コンピュータです。
レザバーコンピューティングのメリットは上述の通りですが、ディープラーニングに比べて精度を出しにくいという課題を有しておりました。その技術的な課題を当社独自の技術(特許進行中)で解消することに成功、ディープラーニング(Long short-term memory:LSTM)の性能を圧倒的に超える精度、コスト、スピードを実現する多変量時系列処理(Recurrent Neural Network:RNN)ソリューションQore(コア)シリーズの開発に成功しております。
Qoreの特長は「データ波形を効率的に捉えることで、少ないデータ量でLSTMを超える分類ができる」ことにあり、個体差、環境差、時間差等の影響が大きい領域(=ルールベースの推論モデルが通用しにくい領域)において、特に力を発揮します。
例えば異常検知等においては、推論モデルを構築するためにデータを採取してみたものの、正常データこそ大量に得られるが異常データをほとんど得ることができず、LSTMではそこから有効な異常検知の推論モデルを確立することが難しいといった問題が考えられます。そのようなケースにおいてもQoreを活用することで少ない異常データから有効な推論モデルをリアルタイムに導くことができます。しかも、従来ディープラーニングで問題であった複雑なパラメータチューニングもQoreでは不要です。
さらには、Qoreを活用し、LSTMに比べて高い精度と圧倒的な速さを実現するWebAPIを開発いたしました。Web Qoreを使えば、学習用データをCSVファイル形式にしてアップロードするだけで、簡単に高精度な時系列処理APIを瞬時に生成できます。高価なGPUは不要なため、安価に構築可能です。
■池上高志氏からのコメント
この度、技術顧問として就任させていただきました。2019年の現在、Deep Neural Networkの登場によって、再び人間の脳が計算するシステムとして注目を集めています。少ない電力で大量の素子が非同期に動く計算システム、その神経集団が見せる新しい計算の世界はむしろ確率とゆらぎに満ちています。いま、量子コンピュータ、化学コンピュータ、かたちの(モルフォロジカル)コンピュータ、ダーウィン型・進化コンピュータ、微分可能神経コンピュータ(DNC)、そしてQuantumCoreが開発するリザーバコンピュータ(熱浴コンピュータ)など、さまざまに新しいコンピュータが探求されています。中でもリザーバコンピュータは、ロボットやタコの身体など、多様な物理システムを計算に変えていくパラダイムとして再評価されています。10年後、20年後にはまったく新しいコンピュータが出現し、見たこともない科学技術が作られているかもしれません。その時にはコンピュータも進んだ科学技術も、もっと生命的で野性化していることでしょう。QuantumCoreはそんな新しい計算パラダイムの先人を切るものと期待しています。
■池上高志氏プロフィール
東京大学大学院情報学環 教授
1961年、長野県生まれ。人工生命研究の世界的な第一人者。専門は、複雑系・人工生命研究。人工生命(ALIFE)に新たな境地を切り拓き、研究を世界的に牽引。メディアアーティストとしても知られ、Ars Electronicaやメディア芸術祭で受賞歴がある。著共書に『人間と機械のあいだ 心はどこにあるのか』『動きが生命をつくる』『生命のサンドイッチ理論』など。
池上高志研究室:http://sacral.c.u-tokyo.ac.jp/
■会社概要
社 名:株式会社QuantumCore
代表者:代表取締役 秋吉 信吾
所在地:東京都品川区西五反田二丁目14番13号
設 立:2018年 4 月
URL:https://www.qcore.co.jp/
お問合せ:info@qcore.co.jp
当社技術のベースとなっているのは、リザーバコンピューティング(詳細は後述)と呼ばれる技術であり、池上教授はその技術領域において世界最先端の研究を行っておられます。その知見経験を活かしていただき、当社技術のさらなる向上のためのアドバイスを行って頂きます。
■レザバーコンピューティングとは
レーザーの波長や波動く水面など、ダイナミクス(ノイズソース)を持つさまざまな物質を利用したコンピューティングをリザーバコンピューティングと呼びます。このリザーバコンピューティングを活用したリカレントニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network:RNN)が、最近新たな機械学習方式として注目されています。入力層、中間層(リザーバ層)、出力層(リードアウトニューロン層)の3層で構成される教師あり学習です。この方式では、ディープラーニングと違い、中間層を溜め池(Reservoir:リザーバ)にして計算を回すことで特徴抽出を行います。そのためディープラーニングで必要だった特徴抽出機能を学習により強化する必要がなく、学習時の中間層の重み更新が不要となる特徴を有しております。このため、学習時の計算に必要なデータ量や計算力を著しく節約することができます。なお、溜め池にはダイナミクス(ノイズソース)を持つものであれば様々なものが利用でき、現在はロボットやタコの身体をノイズソースとして計算する仕組みが探求されています。このように狭い意味では人工の神経回路を使って様々なノイズソースを用意し、そこから適宜情報を取り出して加算し計算する新しい人工の脳型コンピュータです。
■QuantumCoreのテクノロジー
レザバーコンピューティングのメリットは上述の通りですが、ディープラーニングに比べて精度を出しにくいという課題を有しておりました。その技術的な課題を当社独自の技術(特許進行中)で解消することに成功、ディープラーニング(Long short-term memory:LSTM)の性能を圧倒的に超える精度、コスト、スピードを実現する多変量時系列処理(Recurrent Neural Network:RNN)ソリューションQore(コア)シリーズの開発に成功しております。
Qoreの特長は「データ波形を効率的に捉えることで、少ないデータ量でLSTMを超える分類ができる」ことにあり、個体差、環境差、時間差等の影響が大きい領域(=ルールベースの推論モデルが通用しにくい領域)において、特に力を発揮します。
例えば異常検知等においては、推論モデルを構築するためにデータを採取してみたものの、正常データこそ大量に得られるが異常データをほとんど得ることができず、LSTMではそこから有効な異常検知の推論モデルを確立することが難しいといった問題が考えられます。そのようなケースにおいてもQoreを活用することで少ない異常データから有効な推論モデルをリアルタイムに導くことができます。しかも、従来ディープラーニングで問題であった複雑なパラメータチューニングもQoreでは不要です。
さらには、Qoreを活用し、LSTMに比べて高い精度と圧倒的な速さを実現するWebAPIを開発いたしました。Web Qoreを使えば、学習用データをCSVファイル形式にしてアップロードするだけで、簡単に高精度な時系列処理APIを瞬時に生成できます。高価なGPUは不要なため、安価に構築可能です。
■池上高志氏からのコメント
この度、技術顧問として就任させていただきました。2019年の現在、Deep Neural Networkの登場によって、再び人間の脳が計算するシステムとして注目を集めています。少ない電力で大量の素子が非同期に動く計算システム、その神経集団が見せる新しい計算の世界はむしろ確率とゆらぎに満ちています。いま、量子コンピュータ、化学コンピュータ、かたちの(モルフォロジカル)コンピュータ、ダーウィン型・進化コンピュータ、微分可能神経コンピュータ(DNC)、そしてQuantumCoreが開発するリザーバコンピュータ(熱浴コンピュータ)など、さまざまに新しいコンピュータが探求されています。中でもリザーバコンピュータは、ロボットやタコの身体など、多様な物理システムを計算に変えていくパラダイムとして再評価されています。10年後、20年後にはまったく新しいコンピュータが出現し、見たこともない科学技術が作られているかもしれません。その時にはコンピュータも進んだ科学技術も、もっと生命的で野性化していることでしょう。QuantumCoreはそんな新しい計算パラダイムの先人を切るものと期待しています。
■池上高志氏プロフィール
東京大学大学院情報学環 教授
1961年、長野県生まれ。人工生命研究の世界的な第一人者。専門は、複雑系・人工生命研究。人工生命(ALIFE)に新たな境地を切り拓き、研究を世界的に牽引。メディアアーティストとしても知られ、Ars Electronicaやメディア芸術祭で受賞歴がある。著共書に『人間と機械のあいだ 心はどこにあるのか』『動きが生命をつくる』『生命のサンドイッチ理論』など。
池上高志研究室:http://sacral.c.u-tokyo.ac.jp/
■会社概要
社 名:株式会社QuantumCore
代表者:代表取締役 秋吉 信吾
所在地:東京都品川区西五反田二丁目14番13号
設 立:2018年 4 月
URL:https://www.qcore.co.jp/
お問合せ:info@qcore.co.jp
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザーログイン既に登録済みの方はこちら
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像