実家の親の介護にまつわる予備知識を得るグットタイミングは、帰省から戻った数日後の今です! それを逃すとまた考えるのを先延ばしにしてしまう。
介護保険制度を上手に活用しつつ介護する時代ですから、それにまつわる予備知識を持っていたほうが、具体的なイメージを持って親の介護を考えることができ、それを元に親と現実的な相談をしておくことができ、そのときがきた際に「どんな介護保険サービスが現状に合っているか」「予算に合う介護の形はなにか」といった詰めた点の検討に集中することができます。
しかし予備知識がない状態でいきなり親の介護をはじめることになったなら、「要介護ってなに?」「ケアマネって誰?」といった初歩的な疑問を数多解消しながら大事な判断や選択をすることになり検討の負担が大きくなります。
予備知識を得る好機が、帰省から戻って少し経った今ごろ。日々の仕事と生活に戻りながらも、まだ帰省の余韻が残っているため、自分の現実と親への思いのバランスをとりながら親の介護を考えることができます。この機を逃すと、考えるのを先延ばしにしてしまいがちです。
しかし予備知識がない状態でいきなり親の介護をはじめることになったなら、「要介護ってなに?」「ケアマネって誰?」といった初歩的な疑問を数多解消しながら大事な判断や選択をすることになり検討の負担が大きくなります。
予備知識を得る好機が、帰省から戻って少し経った今ごろ。日々の仕事と生活に戻りながらも、まだ帰省の余韻が残っているため、自分の現実と親への思いのバランスをとりながら親の介護を考えることができます。この機を逃すと、考えるのを先延ばしにしてしまいがちです。
介護にまつわる知識量に大きな差がある時代
現在は、介護保険制度の知識なしでは介護の現実を語れない時代といっていいでしょう。
この介護保険制度がスタートしてもうすぐ20年、その内容はまだ広く一般に浸透していません。
たとえば小多機(しょうたき)とは介護保険サービスのひとつである「小規模多機能型居宅介護」を略した通称ですが、介護当事者や関係者などこの制度に接点がある知識有り群の人たちは、「しょうたき」という言葉にぴんときます。一方、知識無し群の人たちは、なんのことか見当がつきません。知識無し群のある医療者から「小多機」という文字を見て「コタキって何?」と問われたこともありました。
知識無しの状態でいきなり親と介護について話し合うのは危険
介護が必要になったとき、どんな場所でどんなふうに過ごしたいか、などなど親の意向や都合を訪ね、いざというときの相談をしておくのはとても大事です。
しかし、前述したように介護保険制度などの予備知識がないと、
「もし入院した場合。病院を退院しても、家で療養するのは不安だから、どこか介護施設に入れてもらうしかないだろ」
「そうだな」
というふうに話が終わってしまう可能性があります。
予備知識があれば、
「容態に応じて、介護施設に通ったり、自宅で訪問サービスを受けたり、ときに施設に泊まったりを組み合わせて利用できる小多機っていう介護保険サービスもあるらしいよ」
「へえ」
「だから絶対に施設に入らなきゃ、って思わなくてもいいいのかも」
「それなら、基本的には家、みたいに考えることもできるなあ」
というふうに、さまざまな選択肢があることを確認しながら具体的で広がりのある話し合いができることでしょう。
そもそも介護の捉え方には幅があることを認識した上で話し合わなければ、勘違いや誤解が生じ「介護できるのか?」「できる」「仕事辞めさせてまで世話になりたくない」などといった極端なやりとりになってしまう恐れがあります。介護の意味にまつわる記事を茨城新聞「論壇」(2018.12.15)に書きました。
https://twitter.com/kobayashimitsue
帰省から戻った数日後が予備知識を得る好機である理由
これは、東京都に住み、およそ30年間茨城の実家に帰省を繰り返した筆者の実感です。
帰省の際には両親と介護の話をするきっかけがみつからず(というか、きっかけがないことを祈る感覚で)に過ごし、帰省から戻った直後はいつもの仕事の日々にギアを戻すことにエネルギーが必要で、帰省から戻った1~2週間後くらいに、日々の暮らしのなかで帰省の際に感じたことや親の老いについて考えるタイミングが訪れたのでした。しかし、振り返ってみるとその好機をなんとなく感じていたからか、それを打ち消すように忙しい気分になってやり過ごしてきました。
知識を得てみると漠然とした不安がなくなり、自然に両親とも介護の話ができるようになり、もっと早くにそうしていればよかったと思っています。
予備知識を得るためのおススメの本
2018年12月に筆者が出版しました書籍『介護はケアマネで9割決まる!』(扶桑社)は、おもに知識無し群のみなさまが予備知識を得るためにたいへん役立つ内容です。
介護保険制度の申し子・ケアマネージャー(介護支援専門員)の存在や役割を知り、身近に感じることを入り口に、介護保険制度や介護保険サービスについて紹介すると同時に、介護には人の営みの一部としての感動もあるのだということも伝えたいと考えて介護の体験談も盛り込んだ本です。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784594081164
小林光恵: 著述業。看護師、編集者を経て現職に。マンガ『おたんこナース』ドラマ『ナースマン』の原案著者。著書に『死化粧 最期の看取り』『限りなくキョーダイに近いフウフ』など多数。「エンゼルメイク研究会」代表。「看護に美容ケアをいかす会」代表。行方大使。
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