Opensignal、2020年のモバイル・ネットワーク・エクスペリエンスを調査

5G時代へ突入し、1年が経過した世界の現状

Opensignal（本社：ロンドン）は、スマートフォン・ユーザーに向けた5Gサービスの商用化が2019年4月から開始され1年が経過する中、世界中の100の国々において、モバイル・ネットワーク・エクスペリエンスの6つの異なる測定を実施し、どのような変化が起きたのかをまとめた調査結果を公表しました 。

調査によって得られた主な特徴は、下記のとおりです。
・      カナダと韓国が、ダウンロード速度エクスペリエンス、トップ入り
・      ダウンロードエクスペリエンスを加速させるためには5G適応が必要
・      カナダと日本は、G7諸国に先んじてさらに加速
・      素晴らしいビデオエクスペリエンスを有する国は、1年前の0から15カ国まで飛躍
・      ダウンロード速度とビデオエクスペリエンスの相関関係がない
・      4Gの接続率が95％を超える国は、3カ国から6カ国へと倍増

5Gを導入した20カ国におけるダウンロード速度エクスペリエンスでは、韓国が59 Mbpsである一方、クウェートは16.6 Mbpsと差があります。5G導入国は、24.9％までに上昇していますが、2020年最初の四半期に5Gを導入した国については、23.9％の増加が見られます。

5Gユーザーは、非常に速いスピードを体感できますが、それはまだ一握りです。しかし、5G導入国は非常に良いパフォーマンスを保っており、ユーザーに対して6.4 Mbpsの増加が見られるのに対し、5G非導入国では1.9 Mbpsの増加に留まっています。

 G7諸国のダウンロード速度エクスペリエンスでは、カナダと日本をそれ以外の国と比較した際の差は10.2-15.9 Mbpsと広がっています。他のG7諸国（フランス、ドイツ、イタリア、英国、米国）では、カナダの50％以上遅く、日本の40％以上遅い結果となっています。

5G時代においても、4Gへのアクセスは重要です。5G最初のバージョン（非スタンドアロンアクセス）は、4G信号へ接続する必要のある5Gデバイスを指します。多くの国では、未だ5Gを導入していません。さらに米国、オランダ、台湾が4G接続率スコア95％を超える、国の排他的なクラブに参加しました。日本、韓国、ノルウェーと共に、このような国の合計が6カ国へと増加しました。昨年、12カ国から21カ国へと増加したユーザーが90～95％の範囲で4G接続率を報告しています。11カ国で4Gの接続率が2桁改善し、合わせて約6億8千万の人口を達成していることが確認されています。

アジア太平洋の特徴
·シンガポールは、日本からトップの座を勝ち取り、77.8のスコアで1番のビデオエクスペリエンスを得ました。 
·韓国は、世界的にダウンロード速度エクスペリエンスにおいてカナダと繋がりがあり、アジア太平洋地域で最速である平均59 Mbpsの速度を当社ユーザーが観測しています。

日本の特徴
·日本の4G接続率（4Gスマートフォン・ユーザーが4G信号に接続している時間の割合）は98.5％と世界で1番であり、0.1％差で韓国に勝っています 。
·2020年、第1四半期において、日本の平均ダウンロード速度は49.3 Mbpsまで上昇し（100カ国中、4位）、昨年の同時期から、16.3 Mbpsもの向上を見せています。この調査史上、2番目に規模の大きい増加でした（最大の増加は17 Mbpsのカナダの記録）。当社のユーザーが観測した増加も、49.3％という割合から考えるとかなり素晴らしいものでした。これは当社が記録している100カ国中、9位となります。 
·日本は、ユーザーが素晴らしいビデオエクスペリエンスを報告している15カ国中の1カ国です（2019年、最初の四半期には0であった項目です）。以前は、67.3スコアで「とても良い」の評価が、10.3点アップして77.6点までに増加しました（15.3％）。モバイルエクスペリエンスのこの測定において、日本は100カ国中6位であり、アジア太平洋地域においては2番目です（僅差でシンガポールが1番となっています）。 
·G7諸国のダウンロード速度エクスペリエンスを見る際、カナダと日本をそれ以外の国と比較した際の差は10.2-15.9 Mbpsと広がっています。他のG7諸国（フランス、ドイツ、イタリア、英国、米国）のダウンロード速度エクスペリエンスは、日本よりも40％以上遅い結果となっています。

レポート全文は下記URLよりダウンロードが可能です。https://www.opensignal.com/reports/2020/05/global-state-of-the-mobile-network