放置竹林再生事業「竹コミュニティ事業」始まる
デザイン性の高い竹内装材の実験に続き、第2弾では放置竹林再生をテーマとして、本格的な事業性と公益性を両立する事業「MICHIKU-竹コミュニティ事業」を開始します。
全国各地で放置竹林が増加し、周辺の生態系を破壊するなど社会問題となっています。原因は、生産者の高齢化・後継者不足であり、その根本は需要の減衰でした。しかしながら昨今、同社においてはむしろ原竹の供給不足が深刻化しています。
なぜこのようなアンバランスが生まれているのか。
それは、近年の伝統文化がもつ“ストーリー”という付加価値への注目と、デザイン分野の成長に関連していると、同社では見ています。実際に、同社が得意とする特注内装材製造に関して、この様な価値を付した受注が増えています
加えてここ数年にわたり、伝統的竹製品の制作を下支えする業種の衰退により、一貫生産を基盤とする同社に、全国から竹部材作成の注文が集まっています。
つまり、再び上昇する需要と、大きく下降する供給の二線が交差しているのが、現在の状況です。この問題に着手するか否かが、古くから続く竹産業において“消滅”か“再興”かのターニングポイントとなるでしょう。
そこで竹定商店では、京都府広域振興局、南丹市、京都商工会議所と連携して、生産者を育成し、山間地域の放置竹林を再生することで、「良質な竹の安定供給」、「放置竹林問題の解決」「山間地域の所得創出」を実現することを目的とした「MICHIKU-竹コミュニティ事業」を開始しています。
―スキームー
「MICHIKU-竹コミュニティ事業」は以下の方法で運営が始まっています。
- 竹定商店が加工適性等に合致するための造林・育成・伐採ノウハウを提供し、次世代の伐り子を育成します。
- 産出された原竹は、安定した需要を背景に持つ竹定商店が適正価格で全量を買取ります。
- 原竹は、品質・サイズに応じた製品に加工して販売します。
- 竹加工時に排出された竹粉は、竹定商店の流通背景を通して土壌改良剤、保湿剤として農家の方々が消費します。
―今後の展望―
同社の成長分野であるデザイン内装材と、部材生産需要の増加に追随して、生産地とする放置竹林の整備地拡大を行っていく予定です。合わせて、第2世代、第3世代と“伐り子として生きる”中山間地域での持続可能なライフスタイルの確立をサポートしていきます。また、伐り子や地域、同社の取り組み先企業を巻き込みながら、整備された竹林を有効活用するコミュニティビジネスの立ち上げ、及び他地域への水平展開を想定しています。
―株式会社竹定商店について―
竹の一生と向き合い、竹と対話しつづけている、京都・太秦の職人集団です。約140年の間、京都太秦の地で竹と関わり合ってきた竹定商店が持つ経験・技術を活用し、竹の未知の可能性を探っています。歴史に学び、伝統に敬意を払いながら、従来の発想に捉われずに様々な試みを行っています。
―MICHIKUプロジェクトについて―
竹定商店が運営する、竹の未知の可能性を探求するプロジェクト。
第1弾ではデザインの実験を行いました。
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