コロナ禍で変わりつつある飲食業界 自前主義から外部資本を取り入れた新たな経営モデルが必要に

〜スパイラル・アンド・カンパニー、「飲食産業の実態とこれから」の最新レポートを発表〜

 株式会社スパイラル・アンド・カンパニー(本社:東京都渋谷区、代表取締役:太田諭哉)は、「飲食産業の実態とこれから」に関する最新レポートを発表いたしましたので、お知らせいたします。
 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行によって、特に厳しいと叫ばれる外食市場。同業界では以前より少しずつM&Aが盛んになって来ていますが、ここにきてより勢いが増すだろうとも言われています。では実際にどうなっていくのか、成長の差を決めるのは何か、これから競争力を持つためには何が重要かをレポートします。
 
  • もうすぐ底値が落ち着いてM&Aが増えてくる
 現在、飲食業界におけるM&A市場は「買いたいけど買えない」という状況です。なぜなら、ある程度資本がある上場企業も痛手を負っているからです。一方でファンドの場合、コロナ前に調達しているケースが、飲食に限らずも見られました。彼らファンドは今、投資はしたいものの、どの企業の収益状況が健全なのかを見定めている状況です。

 現在、買い手はこれ以上下がらないであろうという底値の金額を探っています。以前は、年間のEBITDAの8倍や10倍の値が付いたのが、コロナ後は4倍から6倍に評価額が変わってきており、その底が見えてくれば買収の動きはあるでしょう。 

 まだ底値になっていない背景には、以前からの借入金で運営ができていたり、雇用調整助成金などの助成金が背景としてあります。ただし、平常運転に戻ったとしても、もし来客数や売上が回復しない場合は、自前では生き残れないということで、さらなる融資のニーズが高くなります。どのような状況になっていくのか、それを経営者と投資家がお互いに探り合っている状況です。

 そのため、現状はまだ売り出されるケースは多くありません。最近相談が増えているのは「いつかそうして売りたいと思っている」というものです。数年後のゴールを見定めてはいるものの、今ではありません。

 IPOに関しても同様です。IPO自体が数年延びることとなり、コロナ前はIPOを目指していたが、このタイミングと今の年齢、また今後コロナのような状況にならないともいえず、そこまではやりきれない。それであればM&Aが良いのではないかと考えている飲食経営者は増えています。これは年齢にもより、30代や40代前半ならまだしも、それ以上になると気力や体力ともに厳しくなってきている、ということが背景にあります。

 冬を迎えるとわからないという声もありますが、世の中のコロナ禍はある程度落ち着いてきたといえます。その面では、飲食業界も底は脱却したと思いますし、数字の面でこのまま2~3カ月安定してくれば評価できるという状況になるでしょう。
 
  • 住宅街や郊外エリアに商機あり
 財務の面で各社の対応をみると、もともと経営効率の悪い店舗を閉じるという決断をコロナが早めた側面はあります。一方でまだ見込みがあるという店舗に関しては、助成金や家賃補助、融資などで持ちこたえ、これから攻めに転じるというケースもあります。

 ただ、店舗を閉じるか攻めるかというのはエリアや業態などで異なり、例えばオフィス街はワーカーが減っているのでシビア。業態でみると、大勢が集まったり長時間飲んだりすることを強みとするジャンルは厳しいでしょう。インバウンドに強みがあったエリアや業態、また普段使いではないハレの日向けの商業施設もシビアな状況です。

 逆に住宅街があるエリアや、飲食店でも日常的に利用されていた店舗は有利です。郊外型で、ファミリー需要があり、比較的短時間で楽しむような業態のファミリーレストラン、ロードサイドのファストフードやラーメン店などはビジネスモデルの評価が上がってくると思います。

 人材面でも、他業種に比べてもともと厳しかったのが外食業界です。ただしコロナ禍により閉じた店舗が増えたことで人材が流出し、やる気のある優秀な人材を集めやすくなった側面があります。景気が悪くなると労働者側は厳しい状況になりますが、外食業界では今まさに買い手市場になっています。また見方を変えれば、このタイミングで求人をしている企業は健全な経営ができているといえるでしょう。

 企業構造にも変化が出ており、昨今はデリバリーやテイクアウト需要が増えています。中にはゴーストレストランという、店舗としては営業せずにデリバリーやテイクアウト専用のキッチンで運営する店舗もあり、この側面でもビジネスチャンスや雇用創出が生まれています。対面での営業スタイルから切り替える店舗も出てきています。
 
  • 情報量とスピードと資金力が勝敗を決める
 今回、リサーチによりM&Aを考えている飲食企業は10%強、他社との提携を考えているという声を合わせれば約30%という結果が出ました。これに関しては、自社で業績を伸ばすより、外の力を借りたほうが効果的だと考えている経営者が多いのだと思います。

調査期間:2020年8月4日〜同年8月7日
調査方法:インターネット調査
調査目的:新型コロナウイルスによる事業の成長戦略の変化の調査
有効回答:飲食店の経営者・役員105名

 いちから店舗を立ち上げるのは自社で行うものの、特に既存店の立て直しに関しては、他社の力を借りたほうが得策だと思っているのではないでしょうか。飲食店の経営者はある意味クリエイターであり、繁盛店を創り上げることに長けた人がトップを務めています。一方で既存店の回復は、リカバーの分野に長けた人や専門の企業が立て直した方が賢明だともいえるでしょう。

 これからの立ち上がりで差が出てくるのは、情報量とスピードと資金力です。例えば、補助金ひとつにしても知っていたかどうかで違います。そういった結果として優位な決断ができ、成功の確率も上がっていくといえるでしょう。財務の専門家も、このような場面で重要になってきます。

 財務戦略から見た、経営や事業戦略面で必要な力は、先述したようなニーズやトレンドを読み取り具現化する力です。いちから作るのであれば、都心より郊外、郊外であればどういう業態がよくて、どんな立地がベストなのか。そこに的確にフォーカスし、経営資源を投下できる経営者が勝っていくと思います。

 その点ではやはり、キャッシュの確保や資本の増強も重要です。飲食は、外部から資本を入れるケースは少なく、内部留保が多い業界です。借り入れが増え債務過多になっているため、資本業務提携をするなども検討の余地はあるでしょう。このタイミングだからこそ、興味をもっているファンドもいるので、目を向けてみてもいいのではないでしょうか。

 たとえばIT企業であれば外部資本の活用は一般的ですが、飲食ではまだまだです。これは情報量の違いや、業界の文化の差が関係しています。これまで飲食業界は、借り入れた資金で利益を出して内部留保を貯め、そこから店舗を拡大してまた借り入れるという成長戦略がスタンダードでした。そのため、外部資本という手段があることはあまり知られていなかったかもしれません。

 ただしこの数年で新たな上場企業も増えており、国内企業が海外で活躍するようなグローバル化も進んでおり、M&Aも増えていくと思います。また、身近な経営者の中でM&Aで売却された例が出てくれば、その成功事例を追う形でどんどん増えていくでしょう。

 特に若い世代の飲食経営者にはチャレンジャーも多く、M&AやIPOからEXITを経るシリアルアントレプレナーも出てくると思います。飲食業界のエコシステムができ上がっていくともいえるでしょう。その切り口のひとつは、飲食業界におけるIT化と、海外への産業輸出。日本の食は、輸出で勝てる数少ない産業です。今は世界的なコロナ禍で止まっていますが、また必ず上がっていく分野です。特に東欧や南米、アフリカはほぼ未開の地であり、北米もまだまだ可能性があります。
 
  • 正しい判断をするために財務のアドバイスを
 財務全体で必要なことは、まずは店舗別月次の損益を把握できていることです。その次に、直接的な資本調達を施行できて相談できるかどうかです。銀行の借り入れだけに依存しない、資本業務提携を進められる飲食企業が強くなり、成長の差も出てくるでしょう。

 経営自体も筋肉質でないと、投資家が興味を示しません。筋肉質な会社はより筋肉質になり、強者はより強者になるのです。M&Aの成功事例が増えれば増えるほど、情報も資金力も、人材などのチームとしても差が付くようになります。

 これまでの飲食業界は多くが自前主義で、横並びで切磋琢磨していた状況でした。しかし遠くない未来にパラダイムシフトが起きたときに、時勢をキャッチアップして正しい方向性を見いだせるかどうか。それを決めるのもまた、財務の専門家の知見を得ることが有用だと考えています。
 
  • 会社概要
社名   : 株式会社スパイラル・アンド・カンパニー
URL     : https://www.spiralll.com
本社所在地: 東京都渋谷区道玄坂1-9-4 ODAビルディング3F
代表   : 代表取締役 太田諭哉
資本金  : 1,000万円
事業内容 : SCALE(M&A/IPOコンサルティング)
       TAX(税務コンサルティング)
       社事代行(管理業務アウトソーソング)
       出版事業・不動産事業
       その他
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