クリエイティブ・ユニット SPREAD「Red Dot Design Award」にて2年連続グランプリ受賞
受賞作品 「Tsubame-Sanjo Factory Museum」「Mesh Virus-Control Flag Partition」
山田春奈と小林弘和によるクリエイティブ・ユニット SPREADは、世界三大デザイン賞の一つとされる「Red Dot Design Award 2022」のブランド&コミュニケーションデザイン部門において、デザインを手掛けた「Tsubame-Sanjo Factory Museum」が Red Dot グランプリを、「Color Jungle」が Red Dot を受賞しました。
また、 SPREADは、昨年の「Red Dot Design Award 2021」において、同じくデザインを手掛けた「Mesh Virus-Control Flag Partition」がRed Dot グランプリを受賞しており、2年連続のグランプリ受賞となりました。
また、 SPREADは、昨年の「Red Dot Design Award 2021」において、同じくデザインを手掛けた「Mesh Virus-Control Flag Partition」がRed Dot グランプリを受賞しており、2年連続のグランプリ受賞となりました。
SPREADは、2022年10月28日(金)、ドイツ・ベルリンにおいて開催された『Red Dot Design Award 2022』の授賞式に参列し、受賞トロフィーを受け取りました。2022年のグランプリは、部門最高賞である「Best of the Best」に選ばれた作品の中でも特に優れた作品に与えられる賞で、今年は、約50の国から応募総数 9,000超から6件がグランプリに選出されています。
- Tsubame-Sanjo Factory Museum / Red Dot Design Award 2022 グランプリ
Tsubame-Sanjo Factory Museum(主催:「燕三条 工場の祭典」実行委員会)は、金属加工の産地「燕三条」のものづくりにまつわる展覧会。燕三条のものづくりの歴史や文化を伝えることを目的に、イタリア、イギリス、スイス、シンガポール、台湾、日本と国内外で開催してきた展覧会を発展させ、開催したものです。
会場には、かつて研磨機を製造していた広さ2,000㎡超の廃工場を探し出し選定しました。
この空間を最大限に活かしながら、産地の歴史文化、職人の技術や製造のプロセスを映像と組み合わせ、録音された工場の音響の中で紹介しています。展示什器は、実際に工場で使用される金属コンテナを活用し、ツヤ消し加工のアルミ板を組み合わせました。映像スクリーンにも鉄板を使用し、最大8m幅ものサイズを実現しました。会場中央には全体を見渡すことができるベンチ機能も備えた曲面スクリーンに展覧会のシンボルである炎の映像を投影しました。
来場者は、製造の生々しさが残る工場跡地の中で、工場での状況を覗き込んでいる様な音と映像による臨場感を体感しながら、実際に製造された品物やプロセスを鑑賞することできました。
また、使用した金属コンテナや金属板は、会期終了後に地域の工場等で再活用されています。
■記録映像
https://www.youtube.com/watch?v=pUMuEtyNQ00
■Tsubame-Sanjo Factory Museum 開催概要
タイトル:Tsubame-Sanjo Factory Museum(英) / 燕三条 ファクトリーミュージアム (日)
会 場:新潟県三条市西大崎1-1-18(旧 野水機械製作所 工場)
会 期:2021年11月5日(金)~21日(日)火曜日休館 開館時間:10:00-20:00
主 催 :「燕三条 工場の祭典」実行委員会
実行委員長:山田 立(玉川堂)
全体監修:山田 遊(method)
アートディレクション・デザイン:小林 弘和、山田 春奈(SPREAD)
撮影:神宮巨樹、古平和弘
プロジェクション:岸本智也
編集:山田泰巨
施工:斎藤 巧(SPACE DESIGN TAKUMI) / 斎藤 和也(ストカ)
プロジェクトマネジメント:横山 裕久(side)、坂井 小夜香(method)
プレス:小池 美紀(HOW INC)
- Color Jungle/ Red Dot Design Award 2022
Color Jungleは、東京ミッドタウン「MIDTOWN CHRISTMAS 2021」にて実施されたインスタレーション。
合計約8万㎥の吹き抜けの3つの空間に大きなリボンのような布を渡して、色のジャングルの様な景色が来場者を包み込みました。3階から地下1階まで様々に変わる眺めはまるで鳥の視線のようで、見る場所によって人の想像力が働き、森林や巨木、リボンやクラッカーなど、多様な印象を与えました。
コロナ禍が続く2021年の終わりに、クリスマスを祝祭し人々の心に色で喜びを生み出したいと考え制作された本インスタレーションは、約1,500,000人の来場者を記録しました。
使用した布を反物状に巻くとコンパクトな量になり、構成した広大な空間に対し少量の材料に収められました。
■記録映像
https://youtu.be/uMTvS-AlGIs
■Color Jungle 開催概要
タイトル:Color Jungle
会 場:東京ミッドタウンガレリア館内他 / 東京都港区赤坂9-7-1
会 期:2021年11月18日(木)~12月25日(土)
主催&企画:東京ミッドタウン
アートディレクション・デザイン:SPREAD
施工:株式会社ノムラデュオ
プレス:川村 美帆(デイリープレス)
- Mesh Virus-Control Flag Partition / Red Dot Design Award 2021 グランプリ
Mesh Virus-Control Flag Partitionは、人の心に喜びを生み出す色の力と、ウイルス抑制新技術を組み合わせた新しいパーティション。
素材には医療分野でもフィルターとして使用されているメッシュを採用し、ウイルスを99.9% 抑制する新技術のナノ粒子を塗布することで、飛沫感染の抑制機能を実現しました。スチールフレームは燕三条の工場で制作し、細く軽いことで空間に溶け込み、かつ高い強度を持ちます。新たな日常を応援する旗をイメージした色鮮やかな模様は、素材特性により見る角度によって色彩濃度が変化し、空間に動きを与え演出します。
コロナ禍でも人々が同じ空間に再び集え、安全で喜びのある時間を生み出しています。飲食とギャラリーを併設した施設「INTERSECT BY LEXUS - TOKYO」と協業し開発され、2020年7月29日より使用されています。使用された素材は、全てリユース可能なものです。
■記録映像
https://youtu.be/LMFvQcnFuxo
■Mesh Virus-Control Flag Partition 概要
タイトル:Mesh Virus-Control Flag Partition
会 場:INTERSECT BY LEXUS ‒ TOKYO / 東京都港区南青山4-21-26
プロデュース:滝澤弥香
デザイン:SPREAD
製造:NBCメッシュテック / ストカ
プレス:川村 美帆(デイリープレス)
- Red Dot Design Awardについて
プロダクトデザイン、ブランド&コミュニケーションデザイン、デザインコンセプトの三つのセクションに分かれ、審査は年に一度、国際的なデザインの専門家により、革新性、機能性、人間工学、エコロジー、耐久性などの9つの基準から審査されます。
2022年授賞式の様子
左から2人目:滝沢亮(三条市市長)
左:Peter Zec氏(Red Dot Design Award FOUNDER & CEO)
右:Jean Jacques Schaffnersi氏(Red Dot Design Award 審査員)
中央:「燕三条 工場の祭典」実行委員会メンバー
2022年 授賞式会場
- SPREAD プロフィール
山田春奈と小林弘和によるクリエイティブ・ユニット。長い時間軸で環境を捉えるランドスケープデザインの思考と鮮烈な印象を視覚に伝えるグラフィックデザインの手法を融合。環境・生物・物・時間・歴史・色・文字、あらゆる記憶を取り入れストーリーを「SPREAD=広げる」クリエイティブを行う。「カラー」を特徴にグラフィック、プロダクト、エキシビションのデザイン & ディレクションに広く関わり、常に社会提案を心がける。主な仕事に、「国立新美術館開館10周年」記念ビジュアル、ジャパン・ハウス ロンドン展覧会「The Carpenters' Line」、工場見学イベント「燕三条 工場の祭典」、コスメブランド「Celvoke」、東京ミッドタウン「六本木カラー渓谷」インスタレーション、空間デザインツール「HARU stuck-on design;」、「相対性理論」CDジャケット、「Dance BaseYokohama」VI など。2004年より、生活の記録をストライプ模様で表す「Life Stripe」を発表して注目を集め、ミラノ、バーゼル、東京などで展覧会を開催。主な受賞歴に、2度のレッドドット・デザイン賞グランプリ、D&AD賞、ドイツデザイン賞、アジアデザイン賞、グッドデザイン賞ほか。
- 受賞にあたってのコメント / SPREAD
かれこれ12年前、はじめてレッドドット・デザイン賞を獲得できたのは、家族経営の小さな工房と一緒に立ち上げた織物ブランドのパッケージデザインでした。そのブランドの品物は100年前の織機で新しい織物をつくる職人の技術の賜物で大変良く仕上がっていましたが、その価値を伝える力がどうしても不足していた時期でした。そこで、品物の認知と価値と向上のためにデザインが出来る手助けはないかと苦慮して行ったことが、レッドドット・デザイン賞へのエントリーだったことを今でもよく覚えています。
レッドドット・デザイン賞は、社会課題の解決策を導くデザインへの評価を大切にしていることで信頼されるデザイン賞です。デザインが当たり前に社会に必要な力であることへの認識を推し進めているアワードでもあります。そのため、デザインを依頼した人や団体と、その回答を出したデザイン、両方に対してこの賞は授与されます。よく勘違いされますが、デザイナーのためだけの賞ではないのです。現代社会を前に推し進めるべくデザインを依頼した人、実施した人へのグローバル視点での高い評価でもあります。この統括的なプロジェクトへの評価は、信頼を生み、信頼は価値に変わり社会を動かします。デザインは、社会を動かす大きな要因の一つである経済とも直接関わっています。レッドドット・デザイン賞を受賞することはゴールではなくプロセス、経済活動を含め次の活動を繋げ築くための手段なのです。
12年前の初受賞後、ロゴ、プロダクト、インスタレーションなどで評価をいただき、今回いただいた2つを入れると8回目の受賞となりました。参加した授賞式は、あらゆる細部まで目的を持って入念に準備されたクオリティの高いイベントでした。大変華やかなセレモニーである一方で、コロナ、戦争、気候変動…地球で起きている切実な問題にデザインで向き合う姿勢を感じるものでした。
今年グランプリを獲得したのは、2,000㎡超の工場跡を舞台にした金属加工の産地の営みを伝え世に問う展覧会「Tsubame-Sanjo Factory Museum」。昨年グランプリを獲得できたのは、ウイルス抑制新技術を組み合わせたメッシュ素材を用いコロナ禍の状況に提案した新しいパーティション「Mesh Virus-Control Flag Partition」。時代の変わり目といっても過言ではない状況の中で2年連続のグランプリを獲得できたことは、社会課題に向き合った証である喜びを噛みしめられると同時に、身の引き締まる出来事です。 世界最大のデザインイベント「ミラノサローネ」への10年を通した出展、ロンドンやパリでの展覧会と展示会、スイスやシンガポールでの文化教育活動、すべての成功と失敗、依頼者と実施者と共に行ってきたこれまでの経験が私たちの思考の土壌を耕した成果でもあります。私たちは、社会と人々に向き合いデザインすることで、未来を手繰り寄せるための状況を生み出してきました。今回の受賞を誇りとし、より一層、 社会と向き合ったデザインを推し進める想いです。
SPREAD 山田春奈 小林弘和
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