農家向け家庭雑誌『家の光』が創刊100周年!
100周年記念号(5月号)を4月1日に発刊。「台所」をテーマにこれまでの歩みをたどる特別企画や、読者が参加する100周年記念のダンスコンテストも開催
JAグループの一般社団法人家の光協会(東京都新宿区、代表理事会長:栗原隆政)が発行する農家向け月刊家庭雑誌『家の光』が、5月号(4月1日発刊)で創刊100周年を迎えます。

5月号は100周年記念号として、農村の家庭にとって田畑と食卓をつなぐたいせつな場所である「台所」をテーマにこれまでの歩みをたどる特別企画と別冊付録を掲載。また、スペシャルインタビュー企画として、連載「美輪明宏の人生相談」でおなじみの美輪明宏さんのインタビュー、100周年の記念企画として、農家を中心とした読者を対象にした動画投稿によるダンスコンテストや、暮らしや農作業に役だつグッズなどが当たる豪華プレゼント企画も実施します。
美輪明宏さんからのメッセージ(5月号記事抜粋)
『家の光』は今年で100歳なんですね。おめでとうございます。この100年で大きく変わったのは、住環境ではないでしょうか。昭和初期ごろまでの建物は、木材を主として、土壁、しっくい、かやぶき屋根などすべて日本の資材でできていました。障子やいろりがあって、冬はこたつ、夏になれば、よしずやすだれがどこの家にも掛かっていて、日本の風土に合っていました。このような日本家屋の建築や生活様式が、美しさや温かみを生み出し、情緒を育んでいたのです。
人生100年時代、わたしは平和な世の中で健康でいられればなにより幸せです。読者のみなさんも長生きしてください。長生きするには、長生きさせてくれる人間性の優れた人たちに囲まれることですし、そういう人たちに愛想を尽かされないように自分の人間性を高めていきましょう。これこそが人生における修行です。最後に、『家の光』も次の200周年を迎えられるよう、息の長い雑誌でいてください。

『家の光』ってどんな雑誌?

大正14年にJAの前身組織から発刊。農家に長年読み継がれてきた総合家庭雑誌
『家の光』は大正14年、JA(農業協同組合)の前身組織である産業組合中央会より発刊された月刊の家庭総合雑誌です。
創刊号の巻頭言である「共同心の泉」では、「力の弱い一人一人がとてもできない仕事でも、二人が一人となりてしっくり組み合えば案外たやすく成し遂げられる。ゆえにわれらの理想は同心協力の精神であり、共存同榮の社会である」と、家庭や地域で助け合い、力を合わせて暮らしていくことの大切さを説いています。
農家のための大衆家庭雑誌として、特に戦後は生活改善普及運動をはじめとした農村の民主化、近代化に貢献し、昭和36年1月号には発行部数が180万部に達し、農家にとってはなくてはならない雑誌として歴史を重ねてきました。
「食と農」「健康」を中心に今も愛読の輪が広がる
現在も全国のJAを通じて販売され、「食と農」「暮らし」「協同」「家族」をテーマに、人生100年時代を農村や地域社会で元気に生き抜く知恵を伝えています。
食と農に関心のある地方在住の女性を中心に、子どもからお年寄りまで家族みんなが読める家庭雑誌です。読者層は20代から80代と幅広く、中心的な読者層は50~70代の女性です。気の合う仲間同士のグループで持ち寄って記事活用されているのも特徴です。
近年は、SDGsや農村地域の課題解決につながる記事とともに、読者ニーズの高い「健康」「料理」「家庭園芸」などの生活実用記事に力を入れています。発行部数は約36万部、日本ABC協会の調査では月刊誌で第2位となっています。

別冊付録は、『家の光』が100年間伝えてきた「台所の知恵」を現代風にリメイク
別冊付録『いま、よみがえる『家の光』台所の知恵ベストセレクション~料理・健康・手芸~』(B5判68ページ)


右ページには過去の記事、左ページには現代版にアレンジした知恵を掲載
これまで『家の光』では、料理、健康、手芸、家事、園芸など、たくさんの生活に役立つ実用記事を掲載してきました。そこで、ニーズの高い「料理」「健康」「手芸」について、読者から人気の高いテーマごとに、100年分の記事を発掘。アイデアが光る過去の記事を、現代にマッチした内容にアップデートしました。
毎日食べる野菜を自給する農家にとって悩みの種は、季節の野菜が一度にたくさん取れすぎてしまうこと。現在の『家の光』でも、たとえば畑でとれた夏野菜のナス、トマト、キュウリなどをいかに長くおいしく食べきるかをテーマにした料理記事が人気です。その悩みは、じつは100年前の読者も同じ。一度に大量調理したり、漬け物などで保存したりする方法などは、昔から人気の記事でした。そうしたかつての技を掘り起こし、リメイクして現在に伝えます。
また、『家の光』の記事を作ってきたのは、農家のお母さんたちが暮らしの中で編み出してきた知恵です。かつての人気連載の投稿企画「わが家の実験」をはじめとした読者のアイデアも多数紹介しています。
台所の歴史は『家の光』の歴史そのもの。特別企画「わたしと家族の台所物語」

そこに暮らす人たちの思いがこもった6つの台所を紹介
台所は家族の歴史がいっぱい詰まった場所です。記事に登場いただくのは、料理研究家の杵島直美さんときじまりゅうたさん親子。りゅうたさんの祖母は料理研究家の草分け的な存在で2004年に亡くなった村上昭子さんです。三世代に渡り、『家の光』でも数々の料理レシピを考案いただきました。日々の暮らしや仕事の中心だった台所の思い出を二人が語ります。
次に登場いただくのは、静岡県御前崎市の農家・増田蔦子さん。農家に嫁ぎ、義母から料理とともに家計簿を受け継ぎました。長年台所で書き続けてきた家計簿と、義母の教えを書き留めた「我が家の味ノート」を見ながら、義母への思いを語ってくれました。そのほか、地域の伝統食を伝える女性グループ、シェアハウスで毎日食卓を囲む人たちなど、地域の仲間の物語なども伝えます。
短期連載「『家の光』と台所」第1回 農村の女性たちと台所改善
『家の光』が伝えてきた日本の食。これまでの『家の光』に掲載された記事と共に農村の食文化を振り返る短期連載を4回に渡って掲載します。連載第1回は台所改善運動を機に大きく変化した農家の台所を見つめます。
かつて、暗くて寒い土間の一隅にあった農家の台所を大きく変えたのが、戦後の生活改善運動でした。昭和20~30年代の『家の光』の記事でも、たびたび台所を衛生的かつ効率的なものに変えるための具体的な方法や読者の実践が紹介されています。当時、農村住宅の改善に深くかかわったのが「考現学」の生みの親である建築家の今和次郎さんでした。今さんが提唱した土間を生かした台所改善案は、農家の炊事場の動線をよく観察して提案されており、持続可能性や共同性が問われている現代に通じるものがあります。

パパイヤ鈴木さんの振り付けで、オリジナル曲の読者参加型ダンスコンテスト
創刊100周年を記念したダンスコンテストを開催
創刊100周年を記念して作成したオリジナル曲『Rice vegetable meat』。食と農のたいせつさ、食卓を囲む家族や仲間のすばらしさを歌ったこの曲に、パパイヤ鈴木さんが振り付けたダンスの動画を投稿する「家の光100周年ダンスコンテスト」を開催中です。
作曲は数々のアイドルソングやCMソングを手がける作曲家のツキダタダシさん、ボーカルは透明感のある歌声の歌手・こぴさん。いちど聴いたら思わず口ずさみたくなるリズミカルでポップな曲です。応募はサビの30秒間の振り付けを踊る動画を撮影して、SNSで投稿するだけ。応募部門は、規定の振り付けを踊る公式ダンス部門と、振り付けにこだわらず自由に表現するフリーアレンジ部門の2つ。大賞には賞金20万円が授与されます。応募の対象は全国の愛読者およびその関係者や知人で、大人から子どもまで年齢も問いません。

ツキダタダシさん

こぴさん

パパイヤ鈴木さん
応募の〆切は10月31日(金)。
詳しくは、こちらの特設サイトまで。
『家の光』は農家の暮らしにこんな役割を果たしてきました
「衣」 着物で農作業をしていた女性のために働きやすい作業着を考案

もんぺにヒントを得た「婦人働き着」が注目を集めました

昭和35年6月号ではかぶりやすい作業帽子2種を掲載
『家の光』で人気の手芸記事。そのルーツは大正15年8月号「簡単にできる婦人労働服」の記事にさかのぼります。当時、農村の女性たちは着物で農作業をすることが多く、作業の効率や衛生面でも問題があり、働きやすい作業着が求められていたのです。
昭和30年代には専門家考案の「家の光婦人作業服」を発表。読者が実際に作って工夫を加えることで、読者発のすぐれたアイデアがたくさん生まれました。とくに農作業に欠かせないかぶりものは、記事で紹介されたのをきっかけに、全国各地で作られるようになったヒット作品が多くあります。
「食」 戦前戦後の栄養改善から、5000を超えるレシピを紹介した「家の光料理カード」、夏野菜の大量消費まで

戦争の只中、昭和17年掲載の「栄養パン」

5000を超えるレシピを紹介した「家の光料理カード」

『家の光』平成13年7月号「ナスを食べつくす」
かつて「飢饉がきても3年生きていける」といわれた農村の台所。田畑で作った野菜を、日々の料理や保存食に加工して有効活用していました。その一助となったのが『家の光』の料理記事です。
戦前、農村部の食事は一汁一菜の献立が基本でした。さらに戦中・戦後は限られた食材で栄養をとるための料理や長期保存できる漬け物が繰り返し登場しました。高度経済成長期の真っただ中の昭和38年には、旬の農産物を使った料理を毎月紹介する「家の光料理カード」がスタート。平成13年には、トマトやナスなどの夏野菜の食べつくし企画が大好評を博しました。
「住」 農村の女性たちの「台所改善運動」の奮闘を伝える

『家の光』昭和24年6月号「炊事場改善の実際を秋田静岡の二県にみる」では、炊事場の改善前と改善後の違いをイラストで比較
戦後、民主化を図るGHQの指示のもと、農村の人々が主体で進められた「生活改善運動」。まず着手したのが台所の改善でした。各都道府県の生活改良普及員が地域の婦人会や農協婦人部と連携し、すすや煙で室内が真っ黒になっていたかまどの改装に取り組みました。
『家の光』では女性たちの奮闘や建築家の今和次郎による「理想の台所」などを紹介。暗い土間にあった台所を、明るく清潔で使い勝手のよい空間に変え、農村女性の暮らしを変えるきっかけになりました。
一般社団法人 家の光協会について

【会社概要】
社名:一般社団法人 家の光協会
本社所在地:東京都新宿区市谷船河原町11
代表理事会長:栗原 隆政
事業内容: 協同組合の家庭雑誌『家の光』、農業・地域・JA組織リーダーのオピニオン雑誌『地上』、食農教育をすすめる子ども雑誌『ちゃぐりん』、農的情報を発信する家庭菜園雑誌『やさい畑』、および農業、料理、健康を中心とした新刊図書の刊行と販売。それらの媒体を使った生活文化教室(料理、手芸、健康)や愛読者のイベント等の文化活動の企画、運営。その他、各種調査活動や国際交流活動。
設立: 1944年(昭和19年)
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