日本格付研究所(JCR)、フィリピンの格付を「A-」に据え置き、見通しを「安定的」に変更
堅実な回復を支える健全なマクロ経済のファンダメンタルズが評価される
日本格付研究所(JCR)は、フィリピンの対外収支状況、財政状況、銀行部門が健全であること、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大からの力強い経済回復に向けた取り組みを理由に、フィリピンの信用格付けを「A-」に据え置き、見通しを「安定的」としました。
これにより、世界的に格下げが相次いでいる状況にもかかわらず、フィリピンはこれまでのところ、地域および国際的な主要信用格付機関による投資適格格付けをすべて維持しています。
JCRは、月曜日(9月6日)に発表したレポートの中で、フィリピンの健全なマクロ経済のファンダメンタルズを背景に、コロナ禍が落ち着けば、フィリピンは良好な成長見通しを得られると述べています。
JCRは、新型コロナウイルスのデルタ株が短期的にはフィリピン経済の回復に困難をもたらすものの、「フィリピン政府は、コロナ禍前の比較的強固な財政状態を基盤に、公衆衛生関連支出の増加、ワクチン接種の加速、雇用プログラムの継続など、適切な対策を迅速に実施している」と指摘しています。
フィリピン政府の最新の予測では、フィリピンの経済成長率は今年4.0〜5.0%、来年7.0〜9.0%、2023年に6.0〜7.0%になると予想されています。
フィリピン共和国 カルロス・ドミンゲス(Carlos G. Dominguez)財務大臣は、JCRによるフィリピンの最新の格付け決定を受けて、次のように述べています。
「JCRが、フィリピンが直面している短期的な課題を見抜き、経済を高成長軌道に戻すために行っているドゥテルテ政権のスケールアップした取り組みを評価してくれたことに感謝します。これらの回復プログラムには、新型コロナウイルスのワクチン接種の迅速化、インフラ整備の加速化、経済の活性化と税制の近代化に向けた更なる改革を議会で推進することなどが含まれています。フィリピン政府は、赤字と債務の管理能力を維持する一方で、優先プログラムと生産的投資への持続的な支出を通じて、強力かつ迅速な経済回復を達成することを目指しています。中長期的な強固な成長見通しの実現に向けた経済回復や、コロナ禍への対応に多くの支出を続ける中でも、持続不可能な負債を将来世代に先送りすることはありません。」
フィリピン中央銀行 ベンジャミン・E・ディオクノ(Benjamin E. Diokno)総裁は、次のように述べています。
「当行は、銀行規制の緩和策を数多く打ち出し、コロナ禍による脆弱なセクターへの影響を和らげるためにさまざまなことに取り組んできました。また、金融システムにおいて潤沢な流動性を確保するために多くの施策を実施し、その結果、コロナ禍の間でも、フィリピンに対する市場の信頼を維持することができました。今後も引き続き、完全に回復したという確かな証拠を目にするまで、必要に応じて経済を支援していきます。現在、フィリピンは対外的なショックに対して十分なバッファーを有しており、1年分以上の輸入をカバーできる総外貨準備高(GIR)を保有しています。これらのバッファーは、フィリピンの良好な信用格付けとともに、引き続きフィリピンペソの支えとなるでしょう。当行は、引き続きフィリピンの対外収支を慎重に管理していきます。そうすることで、米国連邦準備制度理事会の政策正常化が待たれる中での資本逃避など、世界がコロナ禍に直面する中での外的ショックによる重大な損害から経済を守ることができると考えています。」
JCRは、フィリピンの高い対外支払い能力とともに、同国の総外貨準備高が対外債務を上回っていることについても言及しています。本年7月末時点で1,072億ドルに達した総外貨準備高は、同国の短期対外債務の7.7倍に相当します。ディオクノは、次のように述べています。「このように、JCRの評価では、世界的なリスクオフの動きが再び起こっても、フィリピンは高い回復力を発揮すると考えられています。」
JCRは、フィリピンの銀行セクターについても、不良債権の増加にもかかわらず、銀行は信用損失を吸収するための十分なバッファーを有しているとし、具体的には平均自己資本比率(CAR)は15%台で推移しており、フィリピン中央銀行の規制要件である10%や国際的に規定されている8%をはるかに上回っていると評価しています。
JCRは、フィリピン政府がインフラ整備を推進していることを背景に、「国の潜在成長率は回復し、経済は高成長路線に戻ることが期待される」と述べています。
フィリピン政府のインフラ支出は、2011年から2016年の間、国内総生産(GDP)の平均2.9%だったところ、2019年には5.4%、昨年は4.8%と近年大幅に増加しており、政府の「Build, Build, Build」プログラムでは今年に5%を超えることが計画されています。
JCRはまた、フィリピンの財政政策の健全性にも言及しており、新型コロナウイルス感染症の救援・対応策に莫大な費用がかかるにもかかわらず、政府の債務はGDPの50%の水準内に収まると予測しています。
日本のファンドの中には、「A-」以上の格付けを受けた国の国債にしか投資しないものもあるため、JCRの「A-」格付けは、フィリピン政府が今後サムライ債(円建て外債)を発行する際に有利に働くと考えられます。
フィリピンは2021年3月に、総額550億円(240億ペソ)のゼロクーポンサムライ債を発行しています。
JCRは、月曜日(9月6日)に発表したレポートの中で、フィリピンの健全なマクロ経済のファンダメンタルズを背景に、コロナ禍が落ち着けば、フィリピンは良好な成長見通しを得られると述べています。
JCRは、新型コロナウイルスのデルタ株が短期的にはフィリピン経済の回復に困難をもたらすものの、「フィリピン政府は、コロナ禍前の比較的強固な財政状態を基盤に、公衆衛生関連支出の増加、ワクチン接種の加速、雇用プログラムの継続など、適切な対策を迅速に実施している」と指摘しています。
フィリピン政府の最新の予測では、フィリピンの経済成長率は今年4.0〜5.0%、来年7.0〜9.0%、2023年に6.0〜7.0%になると予想されています。
フィリピン共和国 カルロス・ドミンゲス(Carlos G. Dominguez)財務大臣は、JCRによるフィリピンの最新の格付け決定を受けて、次のように述べています。
「JCRが、フィリピンが直面している短期的な課題を見抜き、経済を高成長軌道に戻すために行っているドゥテルテ政権のスケールアップした取り組みを評価してくれたことに感謝します。これらの回復プログラムには、新型コロナウイルスのワクチン接種の迅速化、インフラ整備の加速化、経済の活性化と税制の近代化に向けた更なる改革を議会で推進することなどが含まれています。フィリピン政府は、赤字と債務の管理能力を維持する一方で、優先プログラムと生産的投資への持続的な支出を通じて、強力かつ迅速な経済回復を達成することを目指しています。中長期的な強固な成長見通しの実現に向けた経済回復や、コロナ禍への対応に多くの支出を続ける中でも、持続不可能な負債を将来世代に先送りすることはありません。」
フィリピン中央銀行 ベンジャミン・E・ディオクノ(Benjamin E. Diokno)総裁は、次のように述べています。
「当行は、銀行規制の緩和策を数多く打ち出し、コロナ禍による脆弱なセクターへの影響を和らげるためにさまざまなことに取り組んできました。また、金融システムにおいて潤沢な流動性を確保するために多くの施策を実施し、その結果、コロナ禍の間でも、フィリピンに対する市場の信頼を維持することができました。今後も引き続き、完全に回復したという確かな証拠を目にするまで、必要に応じて経済を支援していきます。現在、フィリピンは対外的なショックに対して十分なバッファーを有しており、1年分以上の輸入をカバーできる総外貨準備高(GIR)を保有しています。これらのバッファーは、フィリピンの良好な信用格付けとともに、引き続きフィリピンペソの支えとなるでしょう。当行は、引き続きフィリピンの対外収支を慎重に管理していきます。そうすることで、米国連邦準備制度理事会の政策正常化が待たれる中での資本逃避など、世界がコロナ禍に直面する中での外的ショックによる重大な損害から経済を守ることができると考えています。」
JCRは、フィリピンの高い対外支払い能力とともに、同国の総外貨準備高が対外債務を上回っていることについても言及しています。本年7月末時点で1,072億ドルに達した総外貨準備高は、同国の短期対外債務の7.7倍に相当します。ディオクノは、次のように述べています。「このように、JCRの評価では、世界的なリスクオフの動きが再び起こっても、フィリピンは高い回復力を発揮すると考えられています。」
JCRは、フィリピンの銀行セクターについても、不良債権の増加にもかかわらず、銀行は信用損失を吸収するための十分なバッファーを有しているとし、具体的には平均自己資本比率(CAR)は15%台で推移しており、フィリピン中央銀行の規制要件である10%や国際的に規定されている8%をはるかに上回っていると評価しています。
JCRは、フィリピン政府がインフラ整備を推進していることを背景に、「国の潜在成長率は回復し、経済は高成長路線に戻ることが期待される」と述べています。
フィリピン政府のインフラ支出は、2011年から2016年の間、国内総生産(GDP)の平均2.9%だったところ、2019年には5.4%、昨年は4.8%と近年大幅に増加しており、政府の「Build, Build, Build」プログラムでは今年に5%を超えることが計画されています。
JCRはまた、フィリピンの財政政策の健全性にも言及しており、新型コロナウイルス感染症の救援・対応策に莫大な費用がかかるにもかかわらず、政府の債務はGDPの50%の水準内に収まると予測しています。
日本のファンドの中には、「A-」以上の格付けを受けた国の国債にしか投資しないものもあるため、JCRの「A-」格付けは、フィリピン政府が今後サムライ債(円建て外債)を発行する際に有利に働くと考えられます。
フィリピンは2021年3月に、総額550億円(240億ペソ)のゼロクーポンサムライ債を発行しています。
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