「肺がん コンパクトパネル(R) Dxマルチコンパニオン診断システム」(医療機器プログラム)の製造販売承認のお知らせ
株式会社DNAチップ研究所(代表取締役社長:的場亮)は、2022年11月16日に「肺がん コンパクトパネル(R) Dxマルチコンパニオン診断システム」(以下、肺がんコンパクトパネル)の高度管理医療機器製造販売承認を取得したことをお知らせいたします。
本承認は、2021年10月28日に開示いたしました「肺がんコンパクトパネルの国内の製造販売承認申請」が承認されたことを示します。
弊社は肺がんに重要な遺伝子(ドライバー遺伝子*1)に特化した高感度一括遺伝子検査の開発に取り組んでまいりました。この度の「肺がんコンパクトパネル」の製造販売承認取得により、肺がん、特に非小細胞肺癌患者*2のコンパニオン診断*3として、代表的ドライバー遺伝子である4遺伝子(EGFR、ALK、ROS1、MET)の変異検出及び薬剤の適応判定を行うことが可能となります。本品は、奈良先端科学技術大学院大学と大阪国際がんセンターの共同研究成果をもとに開発を進めてきました。
本承認は、2021年10月28日に開示いたしました「肺がんコンパクトパネルの国内の製造販売承認申請」が承認されたことを示します。
弊社は肺がんに重要な遺伝子(ドライバー遺伝子*1)に特化した高感度一括遺伝子検査の開発に取り組んでまいりました。この度の「肺がんコンパクトパネル」の製造販売承認取得により、肺がん、特に非小細胞肺癌患者*2のコンパニオン診断*3として、代表的ドライバー遺伝子である4遺伝子(EGFR、ALK、ROS1、MET)の変異検出及び薬剤の適応判定を行うことが可能となります。本品は、奈良先端科学技術大学院大学と大阪国際がんセンターの共同研究成果をもとに開発を進めてきました。
遺伝子変異等 | 関連する医薬品 |
EGFR遺伝子変異 | ゲフィチニブ、エルロチニブ塩酸塩、アファチニブマレイン酸塩、オシメルチニブメシル酸塩 |
ALK融合遺伝子 | クリゾチニブ、アレクチニブ塩酸塩、ブリグチニブ |
ROS1融合遺伝子 | クリゾチニブ |
MET遺伝子エクソン14スキッピング変異 | テポチニブ塩酸塩水和物 |
DNAチップ研究所では、肺がんドライバー遺伝子の研究分野において、国内の日常臨床のニーズに応え、使いやすく確実性の高いコンパニオン診断検査の提供をコンセプトに、次世代シークエンス技術*4による遺伝子パネル検査*5の事業化に取り組んでいます。その先陣として、「肺がん コンパクトパネル」が肺がんの代表的ドライバー遺伝子8種類(研究的遺伝子も含む)に対するがん遺伝子パネル検査として開発され、現在、臨床試験に導入、その成績が明らかにされようとしています。本検査の特長として、主要な複数の遺伝子を効率的に一括して測定できること(マルチ診断)、劣化した検体や腫瘍細胞含有量がごく微量な検体も鋭敏に検出できること(高感度)、液性細胞診検体にも対応可能であることが示され、これまでのパイロット試験でその臨床的有用性が発表されています。従来の遺伝子パネル検査では、単一遺伝子検査と比較して十分量の腫瘍細胞を含む組織検体が必要でした。腫瘍細胞がごく微量な組織検体や、細胞診検体しか得られないケースにおいて、上述の4遺伝子の変異に対しコンパニオン診断が可能となったことは大きな進歩と考えます。肺がんコンパクトパネルが、肺がん診療のアンメット・メディカル・ニーズ(いまだ満たされていない医療ニーズ)に応える検査として精密個別化医療のさらなる推進及び治療成績向上の一助になると大いに期待されます。
【今後の展開】
肺がんの領域では分子標的薬が次々と上市されその種類は増え続けており、対応するコンパニオン診断も複雑になっています。すべての薬剤を包含した一括のコンパニオン診断が望まれますが、各々検査に対応する薬剤群が異なっており、依然として複数の遺伝子検査を実施せざるを得ないケースもあります。そこで今後は、非小細胞肺癌におけるAll-In-Oneの一括コンパニオン診断を目指し、本品に新たにBRAF、KRAS、RETの3つのドライバー遺伝子の検査機能を加え(計7遺伝子)、追加承認及び保険適用に向けて開発を進めています。
最先端の遺伝子解析技術で医療現場のニーズに応えることで、患者さんの治療成績とQOLの向上に貢献できるよう引き続き努めてまいります。なお、本年度業績には織り込み済みです。
検査概要
販売名: 肺がん コンパクトパネル(R) Dxマルチコンパニオン診断システム
一般的名称:体細胞遺伝子変異解析プログラム(抗悪性腫瘍薬適応判定用)
承認番号:30400BZX00263000
対象国:日本
対象検体:非小細胞肺癌患者から手術又は生検により採取された組織(FFPE組織、未固定組織又は細胞診)
対象遺伝子: EGFR、ALK、ROS1、MET
※詳しくは掲載予定の添付文書をご確認ください。
※肺がんコンパクトパネル検査URL:https://www.dna-chip.co.jp/gene/compactpanel/
【用語解説】
*1 ドライバー遺伝子:
がんの発生や進行などに直接的な役割を果たす遺伝子。
*2 非小細胞肺癌:
肺がんは大きく非小細胞癌と小細胞癌に分けられ、前者は85-90%を占める。
非小細胞肺癌は、腺癌が過半数を占め、ほかに扁平上皮癌、大細胞癌が含まれる。
*3 コンパニオン診断:
特定の薬剤(分子標的薬)が有効かどうかを判別するために、投与前に行う遺伝子変異を検出する検査。
たとえば、EGFR遺伝子変異が検出されれば、その遺伝子変異に適した分子標的薬が投与され、その治療効果が期待されることになる。
*4 次世代シークエンス技術(Next Generation Sequencing; NGS):
核酸の塩基配列を決定し遺伝情報を解析する高度な技術。特定の遺伝子の変異解析を行う場合、同時に複数の検体を高感度、高効率に検査を行うことができる。
*5 遺伝子パネル検査:
複数の遺伝子変異を次世代シークエンス技術で同時に検出する検査。
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