日本のものづくりに原点回帰

~ジヤトコ掛川工場跡地に新工場、グローバル時代に国内投資を選ぶ理由~

矢崎総業株式会社

 矢崎総業株式会社(以下、当社)は、世界46の国と地域に拠点を展開するグローバル企業でありながら、近年、日本国内での設備投資を積極的に推進しています。その一環として、2025年3月27日に静岡県掛川市のジヤトコ掛川工場跡地(96,000㎡)を取得しました。2026年中の稼働開始を目指し、隣接する掛川ティーライフの施設も賃借することで、生産能力の強化を図ります。

【新工場設立の背景】

 電動車の普及に伴い、自動車部品の電動化対応が急務となっています。

 電動車に必要な高圧部品は、電流に耐え、発熱を抑える必要があるため、従来の低圧部品に比べて大型化する傾向があり、より広い生産スペースが求められます。

 この課題に対応するため、当社は2023年頃から新たな土地の取得を含めた検討を開始いたしました。ジヤトコ掛川工場跡地は、既存の開発・生産拠点との位置関係が良好で、幹線道路や高速道路へのアクセスにも優れていることから、新工場の設立地として選定いたしました。

【原点回帰の理由】

1.電動化対応とものづくり力の強化

 電動車の普及は加速すると言われていますが、そのスピードや規模の見通しは依然として不透明です。こうした状況下でも、変化に迅速に対応できなければ競争力を失うリスクがあるため、当社は電動化対応を重要な戦略課題と捉えています。

 当社では、モーター、バッテリー周辺機器等、電動化に関連する製品を幅広く取り扱っています。現在、バッテリーメーカーの主要開発拠点は中国・韓国・日本に集中しており、これらの近傍に拠点を構えることで、バッテリーメーカーとの協業などを通じて開発力・技術力を磨き、顧客の海外展開の際には、当社も共に進出できる体制も整えていきたいと考えています。

2.リスク分散に向けた土台づくり

 海外事業には、関税、自然災害、地政学的リスクなど、さまざまな不確実性が伴います。こうしたリスクの影響を最小限に抑えるためには、各地域で完結して生産できる体制の構築が重要です。

 その備えとして、まずは本社機能や開発拠点が集約されている日本国内で、生産体制の基盤を整えることが合理的であると考えています。これにより、将来的にニーズが高まった地域で迅速に事業を展開できる柔軟性を確保できます。

 こうした背景から、地域ごとに個別対応するよりも、まずは日本で一元的な体制を整えることで、設備投資や開発リソースの分散を抑えつつ、本社や開発部門と連携しながら、ものづくりの競争力を高めていくことができ、将来的な海外展開にも柔軟に対応できると考えています。

 また、人件費の高い日本に生産拠点を戻すことが可能となった背景には、自働化の進展があります。

 今回の投資は、「いつでも(マルチパスウェイ等のトレンド変化)」「どこでも(国内外の各拠点)」「なんでも(多様な製品)」に対応できる体制を国内で再構築する、10年・20年先を見据えた戦略的な取り組みです。

【今後の見通し】

 新工場で生産する高圧部品類の売上は、今後5年間で現在の約3倍の拡大を計画しています。また、掛川ティーライフで生産予定のCCS*についても、同期間で約2.4倍の売上を見込んでいます。

 さらに、2028年には開発機能も新工場に移転し、開発機能と製造機能の密接な連携を図る計画です。

*Cell Contacting System

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会社概要

矢崎総業株式会社

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URL
https://www.yazaki-group.com/
業種
製造業
本社所在地
東京都港区港南1-8-15 Wビル7F
電話番号
-
代表者名
矢﨑陸
上場
未上場
資本金
31億9150万円
設立
1941年10月