【東広島市立美術館】難波平人―世界集落、その魂を描く【10月12日開幕】
一貫して国内外の集落・遺跡などの“世界集落”を描くことで独自の作品世界を創りあげてきた画家・難波平人(1941-)。山口県熊毛郡上関町の長島や祝島の風景のなかで生まれ育った難波は、学生時代から約25年間、画家の原風景である海岸線の集落を題材に日本全国を訪ね歩き、その後約35年あまりにわたって世界の集落・遺跡を求め100か国以上を取材してきました。そして、80歳を過ぎた今も制作拠点である東広島市八本松町で自身の表現を追求しています。
本展は、難波の60年以上の画業を、学生時代の郷里を描いた作品から、欧州、アフリカ、アジア、中南米など国内外の集落や遺跡を描いた迫力ある大作、また取材時のスケッチや写真などの関連資料まで併せてご紹介するものです。
集落・遺跡の姿に画家の心象を重ね、そこに内在する普遍的な人間の存在や、過去から現在、そして未来へと続く時間ーまさしく世界集落の“魂”を描き続ける難波平人の現在までの軌跡をご覧いただきます。
難波平人(なんば・ひらと/1941ー)
1941年山口県熊毛郡上関町白井田生まれ。
1964年に広島大学教育学部美術科を卒業、翌年同大学の研究生修了。その後、安井賞展、二紀展などの公募展に出品、入選や受賞を重ねながら、広島大学教授として35年間勤務し、後進の育成に励むなど地域の芸術文化振興と発展に尽力する。1986年ヒロシマアートグラント’86受賞。1995年文化庁芸術家派遣でトルコ、翌年には文部省在外研修員派遣でフランス、イタリアを取材。2002年広島文化賞受賞。2004年中国文化賞受賞。2013年広島県地域文化功労者表彰。2014年文化庁地域文化功労者文部科学大臣表彰。2016年ウンベルト・マストロヤーニ国際芸術賞(イタリア)。ミハイ・エミネスク国際芸術賞(ルーマニア)。現在、二紀会理事、広島大学名誉教授、広島大学名誉博士。
- “世界集落”を描いた迫力ある大作、約25点が集結!
画業を代表する国内外の集落・遺跡を描いた大作を一堂に展示します。ブラジル・リオデジャネイロの貧困街を描いた《リオのファヴェーラ》など、約2mを超える大作群をお見逃しなく。
- 大作だけではない、60年にわたる難波平人の画業を一望
■ 展示構成
- 第 1 章「 郷里を描く—画家の原風景 」
難波が生まれ育った山口県上関町白井田を中心とした長島、祝島は、画家にとっての郷里であり、その漁村風景は現在までつづくイメージの根源となっています 。 第1 章 では、学生時代のデッサン、版画などの初期作品から1970年代はじめの油彩作品まで、郷里の姿を描いた作品を中心に、写真やスケッチも併せて紹介し、画家の原風景である郷里とそのイメージを探ります 。
- 第 2 章「 日本の海岸線を巡る —画家の出発 」
1970年代以降 、難波は 郷里を出発し、祝島を超える強いイメージを求めて日本の海岸線の集落を訪ね歩き、制作に没頭していきます 。第2章では、安井賞展や現在理事を務める二紀展などの出品や入選、受賞などを重ねることで画家として歩み始めた1980 年代までの作品を中心に紹介します 。また、併せて東広島や広島を描いたスケッチ、中国新聞の挿絵などを展示し、広島との関わりや地域 文化への貢献について、その 一端を紹介します 。
- 第3 章 「 トルコ・フランス・イタリア 、拡がる旅- 画家の想い 」
1990年代から、難波の旅は世界へと拡がります。ここから、人が住んでいる集落だけでなく、かつてそこに営みが在った遺跡も描くようになりました。入念な事前準備をして取り組む取材で対峙した遺跡の、時代を超え、人の生活が消え去った姿に、難波はより普遍的な“人間の存在” を感じたのです。
また、作品制作だけでなく、その想いを言葉にして綴り、妻・英子との共著で『トルコ83日の旅』(中国新聞社出版部1997年)、『フランス・イタリア美術紀行』(中国新聞社1999年)を出版します。第3章では、書籍としてまとめた特に思い入れの深いトルコ 、フランス 、イタリアを中心に、1980年から2000年代の作品を展示し、書籍に綴られた言葉も併せて展示することで、難波の旅における現地の人々との交流についても触れます。
- 第 4 章 「 世界集落を描き続ける —画家の今とこれから」
世界の集落・遺跡と対峙することで、郷里のイメージから発展し、より普遍的な“世界集落”の姿を表現するようになった難波平人。現在に至るまで、時には危険な状況に身を置きながら、世界を巡り、自身の表現したいイメージを追求してきました。これまで 訪れた国 は108ヶ国 にも及び 、 その作品群によって独自の画業を築いています。第4章では、長年勤めた広島大学退官後、原風景である集落や遺跡を描くことを通じて自らの内なるイメージを具現化し、より画業に集中しはじめる2000年代以降の作品や、近年取り組んでいるアクリル絵の具による作品、スケッチや写真の資料も交えて 、画家の現在地を示します 。
- 関連イベント
①講演会「世界集落を追って」
難波平人氏に本展出品作を中心にこれまでの画業についてお話しいただきます。
日時|2022年10月15日(土曜日) 14:00~15:30
会場|当館1階アートスペース
定員|40名(事前申込制、参加無料) ※お申込は1組4名まで
申込締切|10月1日(土曜日)必着
②ワークショップ「美術館周辺を描こう!」
東広島市立美術館周辺の景色を水彩画で描いてみましょう。完成した作品は当館アートギャラリーで11月8日から13日まで展示します。
日時|2022年10月22日(土曜日)9:30~12:30
講師|難波平人氏(出品作家)
会場|西条中央公園(北側)、当館1階アートスペース
定員|25名(参加無料、事前申込制、小学生以下は保護者同伴)※お申込は1組4名まで
申込締切 |10月11日(火曜日)必着
③コンサート「世界の歌を一緒に歌いましょう」
難波平人氏が取材した国の歌を参加者の皆さんと一緒に歌って楽しむコンサートです。
日時|2022年11月12日(土曜日)14:00~15:30
講師|難波英子氏 (ギタリスト)、「シャコンヌ」メンバー、難波平人氏(出品作家)
会場|当館1階アートスペース
定員|30名(参加無料、事前申込制)※お申込は1組4名まで
申込締切|11月1日(火曜日)必着
④対談「画家が旅した集落と作品を語り尽くす」
瀬戸内から世界の辺境までを描いてきた画家・難波平人氏と、フィールドワークを通じ「風景美学」を探求する美学者・桑島秀樹氏による対談イベントです。
日時|2022年11月19日(土曜日)14:00~15:30
講師|難波平人氏(出品作家)、桑島秀樹氏(広島大学大学院人間社会科学研究科教授)
会場|当館1階アートスペース
定員|40名(参加無料、事前申込制)※お申込は1組4名まで
申込締切|11月7日(月曜日)必着
- 撮影・SNSシェアについて
本展は作品における撮影、またSNSへの投稿が可能です。
Instagram:https://www.instagram.com/hhmoa_photo/
- 開催概要
●開館時間|9:00~17:00(入館は閉館30分前まで)
ただし、10月12日(水曜日)は10:00開館/10月28日(金曜日)、11月25日(金曜日)は19:00まで開館
●休館日|月曜日
●会場|東広島市立美術館 3階展示室
●観覧料|一般800円、大学生500円*、高校生以下無料*
(*学生証をご提示ください/20名以上の団体は2割引き)
後期高齢者医療被保険者証・身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳の交付を受けられている方は、無料でご観覧いただけますので、受付で各手帳等をご提示下さい。(スマートフォンアプリ「ミライロID」も利用可能)
※11月3日(木・祝)は無料開館
主催 |東広島市立美術館、中国新聞社
後援 |中国放送、広島テレビ、広島ホームテレビ、テレビ新広島、広島エフエム放送、(株)広島リビング新聞社、プレスネット、KAMONケーブル、FM東広島89. 7MHz、尾道エフエム放送、広島大学
■東広島市立美術館について
東広島市立美術館は、市内黒瀬町出身の大久保博によって建物が寄贈されたことを契機に1979年に開館しました。近現代版画、現代陶芸、郷土ゆかりの作品を中心に継続的な作品収集をしています。
2020年11月、「暮らしとともにあるArt、生きる喜びに出会う美術館」をコンセプトに、東広島の市街地・西条に新築移転オープンしました。「ふれる」「はぐくむ」「つくる」「つなぐ」の4つを基本理念としています。2階展示室では主としてコレクションを展示。この他に市民の創作活動のためのアートギャラリーなども備えています。
また特別展では、国内外の優れた美術作品を紹介する展覧会をはじめ、1982年から続く「現代絵本作家原画展」、郷土ゆかりの美術やテーマ展示による自主企画展などを開催。展覧会に関連した講演会やワークショップといった様々なイベントに加え、学芸員らよる美術館講座や作品解説、美術鑑賞や学校授業への協力など、地域の芸術文化振興のため幅広い活動を展開していきます。
公式サイト:https://hhmoa.jp/
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一般の方からのお問い合わせ:082-430-7117(9:00-17:00)
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