産総研と「ギ酸からの高圧水素製造装置-小型化」の共同研究開発を開始
~水素製造コスト低減への取り組み~
1.背景と狙い
東京計器グループは、東京計器ビジョン2030における成長ドライバーの一つとして、水素・エネルギー事業の推進を図っています。
TPSはこれまで、油圧制御技術を応用して都市部を中心とした水素ステーション向けに水素圧縮装置を提供してまいりました。一方、水素ステーションをはじめとした水素の供給網が不十分な地方や、比較的小規模な水素利用を想定した、オンサイトで利用できる小型・低コストの水素供給システムについて検討を重ねてまいりました。
このたび、産総研が技術実証したギ酸による高圧水素生成(図1)に着目し、技術実証用水素製造装置(図2)を商用レベルに発展させることを目的に、2025年3月31日までの本研究開発契約を締結しました。東京計器グループは、本研究開発を通じて、水素エネルギーの更なる普及に取り組んでまいります。
2.本研究開発の内容
本研究開発では、ギ酸からの高圧水素製造装置に関する小型・実用化モデルの研究開発を行います。
産総研ではこれまで、ギ酸からの高圧水素製造技術と社会実装に向けた研究が進められ、ギ酸水溶液と触媒を反応させ高圧水素を生成する技術実証がなされてきました。
従来、水素を大量に貯蔵・輸送するためには圧縮(高圧化)が必要であり、多くの水素生成方式においては、大気圧と同等の圧力で得られた水素を圧縮装置によって高圧化しています。ところが、ギ酸を用いた水素製造においては、高圧水素が直接得られることから、圧縮工程を省略でき、高圧水素製造における装置の小型化と低コスト化が期待できます。また、本方式では副産物として液化二酸化炭素が生成・分離されますので、この効率的な分離と利活用についても同時に検証しながら、本研究開発を進めてまいります。
写真:産総研提供
3.ギ酸について
産業用途では家畜飼料の防腐剤や皮なめし剤、凍結防止剤などに広く利用される化学物質です。水素の貯蔵や輸送には多くのエネルギーを要するため、別の物質に変換して効率よく貯蔵・輸送するための水素キャリアの研究や開発が進められており、産総研では以前より水素の新たなエネルギーキャリアとしてギ酸に注目しています。
4.各社の概要
国立研究開発法人産業技術総合研究所 | ||
所在地 | : | 〒100-8921 東京都千代田区霞が関一丁目3番1号 |
業務内容 | : | 産業技術に関わる研究 |
URL | : |
東京計器株式会社 | ||
所在地 | : | 〒144-8551 東京都大田区南蒲田2-16-46 |
代表者 | : | 代表取締役 社長執行役員 安藤 毅 |
創立 | : | 1896年5月1日 |
資本金 | : | 7,218百万円 |
業務内容 | : | 船舶港湾機器、油空圧機器、流体機器、防衛・通信機器等の製造・販売及び修理を主な内容とし、更に各事業に関連する物流、その他のサービス等を展開 |
URL | : |
東京計器パワーシステム株式会社 | ||
所在地 | : | 〒327-0311 栃木県佐野市多田町168 |
代表者 | : | 取締役社長 白山 茂樹 |
設立 | : | 1970年10月17日 |
資本金 | : | 70百万円 |
業務内容 | : | 油圧応用装置および高圧ガス応用装置の製造および販売 |
URL | : |
□■本件に関するお問い合わせ先■□
東京計器株式会社
コーポレート・コミュニケーション室
〒144-8551 東京都大田区南蒲田2-16-46
TEL:03-3730-7013(直通)
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