東京五輪の施設などでも注目される 環境にやさしい“CLT工法”
茨城の老舗建設会社が新築ホテルに導入し 間もなく竣工へ
CLT工法は東京五輪の関連施設に採用されるなど近年注目されている建設技法で、同社では今回が初めての導入です。
■ CLT工法とは
CLT(=Cross Laminated Timber)は、木材の繊維方向が直交するように重ね合わせて接着したパネル材のことで、
▼施工が容易で頑丈
▼シンプルな組み立て方法により工期短縮が可能
▼コンクリートに比べて軽量で、基礎工事などの簡素化が可能
といった特徴があり、欧米を中心にマンションや商業施設などの建築材料として普及しています(出典:林野庁)。
CLT工法による建築は、高い耐震性と安定性を有し、地震など自然災害の影響に強いとされています。
また、従来の木造建築物と比較して単位面積当たりの木材使用量が多いことも特徴のひとつです。木はCO2を吸収するため、建築資材として積極的に使用することでCO2排出量の削減 (具体的な数値は、CLTを使用した建築物の種類やサイズなどによって異なりますが、一般には25〜40パーセント削減が可能とされています。)
につなげられるほか、健全な森林の整備促進の観点からも、伐採期を迎えた国内の森林資源を有効に活用できます。
そのほか、
▼建築デザインにおける自由度が高いといった施工上のメリットもあります。
CLT工法による施工の様子
■ CLT工法を取り入れた物件
このたび、茨城県日立市に新築されるホテルにCLT工法を採用します。2023年5月中旬に完成予定で、竣工後は一般見学も可能です。
「ファール・プー・ラ・サンテ」
茨城県日立市大みか町4丁目401番
・地上3階建て
・建築面積 83.62㎡、延べ面積 182.72㎡
<特徴>
1階部分は複数の研修などに活用できる多目的ホールを整備。2~3階部分が宿泊施設のホテルになっています。
同社が長年培ってきた「無添加住宅施工ノウハウ」を活かし、人体にやさしい無添加素材を外壁、内装、天井に
採用しています。
■ 導入に寄せた思い
豊かな山の恩恵と言える良質な木材を使い、82年にわたって建設業を営んできましたが、森林環境の様々な変化を目にしてきた中で、「木を植え、育て、伐採し、活用する」という資源の循環利用をより推し進めることが今後の持続可能な社会にとって必要不可欠だと考えました。
今回のCLT工法における初受注をきっかけに、森と共に生きる責任ある企業として、さらに成長していきたいと考えています。
■ 株式会社オーヌキについて
1940(昭和15)年創業。材木業からスタートし、現在は建築工事、土木工事なども手がけています。
特に同社が進める「Design Wood ®」事業では、施主の思いを丁寧に反映し、材木のプロならではのこだわりが詰まった木造住宅を数多く提案しています。
■ 参考:CLT工法をめぐる動き
2050年の脱炭素社会実現に向け、国や各地方自治体においてCO2排出量の削減をねらいとした様々な取り組みが検討されています。
CLT工法はこうした脱炭素の観点から注目されており、民間では日本郵便や出光興産などの大手各社が、木造店舗の建設を全国的に進める戦略を打ち出しています。
株式会社オーヌキにおいても、特に非居住施設向けの建設技法として、環境に配慮した企業・団体等の選択肢のひとつとなるよう、同工法を強くアピールしていきたいと考えています。
■ 関連URL
株式会社オーヌキ:https://www.onuki-wood.com
「Design Wood ®」オンラインショップ: https://designwood15.base.shop/
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