開幕3日で来場者数2,000人を記録!「バッジュ・シャーム・キョウト」インスタレーション・ビューとバッジュ・シャーム氏、滋賀県立美術館ディレクター(館長)保坂健二朗氏によるコメント公開のお知らせ
【8/11〜8/29まで絶賛開幕中】タラブックスからの絵本出版で知られ、インドの国民栄誉賞を受賞した現代ゴンド・アーティスト Bhajju Shyam(バッジュ・シャーム) 日本初の展覧会
開幕3日で述べ来場者数人2,000人を記録!「バッジュ・シャーム・キョウト」 インスタレーション・ビュー(Photo: helvetica)
「バッジュ・シャーム・キョウト」は、“森の民”とも呼ばれるインド中部の少数民族であるゴンド族のアーティスト「バッジュ・シャーム」の日本初となる個展です。世界遺産 京都・東寺内にある、平安時代からの床も残される建造物 食堂(じきどう)内に、新たな展示空間を構築し、現代ゴンド・アートの第一人者 バッジュ・シャームの作品約40点を公開。開幕3日にして延べ来場者数が2,000人を記録、展示販売されている原画も大半がSoldとなるなど大きな盛り上がりを見せています。
なお、本展の開催に伴い初来日を果たし、現在京都に滞在中のバッジュ・シャームは、アーティスト・イン・レジデンスにて新たな作品制作に着手しています。彼が京都の街や自然、そして人々の暮らしや伝統、文化から何を感じ、作品に昇華していくのか、注目が集まります。
バッジュ・シャーム氏によるコメント
初めて日本を訪れた感想について
日本は、インドとは違い騒音が少なく静かで穏やかだという印象を受けました。人々は規律正しく、みんな「どうも」と会釈していますね。
(写真:手前から、奥様のディーパ・シャーム氏、バッジュ・シャーム氏)
本展で注目いただきたい点について
全体として、森羅万象や人、動物の日常を扱っています。その中でも会場正面に展示している「探索(Search)」という作品は、ゴンド族に伝わる創世物語を描いています。神の遣いとして、大きな鳥たちは水に覆われた地球上で陸を探すように命じられ、旋回しながら飛翔しています。また、キャンバスの全面を覆うように描かれた膨大な量のハチ達は、新たな陸へと蜜(新たな生命の種)を運んでいる様子を表しています。
これらは、私がテーマとしている自然や人、動物の日常の基礎となる不可欠な要素であり、世の中の最も本質的な部分を描いた作品です。
まずはこの作品を鑑賞した上で、展示室内の作品をご覧いただけると嬉しく思います。
開幕3日で述べ来場者数が2,000人を記録したことについて
多くの方々に、ゴンドアートに興味をお持ちいただき、足を運んでいただいたことを嬉しく思います。
来場された皆さまが、自分が描いた作品を鑑賞し笑顔になってくれることに日々幸せを感じています。
これからも老若男女を問わず、多くの方々に我々ゴンド族の伝統と文化をアートを通して感じていただきたいと考えています。
滋賀県立美術館(SMoA) ディレクター(館長)保坂健二朗氏によるコメント
「トライバル・アート」(部族のアート)などというと、「ほっこり系?」なんて思われそうですが、バッジュ・シャームの場合は〈絵画〉として見ても相当面白いんです。たとえばメインビジュアルともなっているライオンの絵。全体の形はほぼ左右対称です。普通それだと、静的な感じになります。でも、彼の場合は違う。背中の肩のあたりを見てください。肩の部分の模様はほぼ左右対称です。それに対して、肩甲骨のあたりは違う。非・対称になっていて、しかも、そこを満たしている模様がゆるやかなうねりを生みだしている。これだけでも結構すごいと思うのですが、それ以上に見逃してほしくないのが、背中を縦に貫く細長いパート。その内側の模様は黒の線で描かれています。それに対して、パート自体を象る線(上下方向の線)は赤なのです。とーーーーっても繊細な処理がなされていて、そんな細部に及ぶ配慮の結果に、ライオンのかわいさが生まれている。絵画って、そういうものなんです。他にも、髪の毛を媒介にして女性と動物とが自然に一体化している作品があったりと、とにかく巧みな絵画が連続するのが今回の展覧会。実物を見ないと気づけないところも多々あるので、この機会をどうぞお見逃しなく!
保坂健二朗(ほさか・けんじろう)
滋賀県立美術館(SMoA) ディレクター(館長)1976年生まれ。慶應義塾大学大学院修士課程(美学美術史学分野)修了。2000年より20年まで東京国立近代美術館(MOMAT)に勤務。2021年より現職。企画した主な展覧会に「フランシス・ベーコン展」(2013年、MOMAT)、「声ノマ 全身詩人、吉増剛造展」(MOMAT、2016年)、「日本の家 1945年以降の建築とくらし」(MAXXI国立21世紀美術館およびMOMAT、2016-17年)、「人間の才能 生みだすことと生きること」(SMoA、2022年)、「AWT FOCUS 平衡世界 日本のアート、戦後から今日まで」(大倉集古館、2023年)など。
Photo by Keizo Kioku
『Bhajju Shyam KYOTO』開催概要
・タイトル:Bhajju Shyam KYOTO(バッジュ・シャーム・キョウト)
・会期 :2023年8月11日(金・祝)~8月29日(火)
・会場 :世界遺産 真言宗総本山 東寺[教王護国寺]・食堂(じきどう)
・住所 :京都市南区九条町1番地
・開館時間:9:30~16:30
・入場料 :無料
・URL :https://bhajju-shyam.jp
・Instagram:@Bhajjushyam_kyoto
・主催 :バッジュ・シャーム・キョウト実行委員会
・企画 :JAPANDIA, VISIONS
・協賛 :京都信用金庫、宗教法人 日本ヨーガ禅道院、THE SWEETS CARAMEL SAND COOKIES
・特別協力 :河岸ホテル、Indian Restaurant Thilaga.
・協力 :京都市動物園
・後援 :京都市、京都市教育委員会、エフエム京都、KBS京都、在大阪・神戸インド総領事館、NPO法人 日本インド文化経済センター(NICE)
・会場デザイン:NEW DOMAIN, VISIONS
バッジュ・シャーム プロフィール(Photo: helvetica)
インド中部の森にあるゴンド族の村 パタンガル⽣まれ。
ゴンド族に伝わる表現や物語を受け継ぎながら⾃⾝の視点で昇華し、現代的な感覚やシンプルなストーリーテリングを交えて表現することで、師匠であり叔⽗であるジャンガル・シン・シャームが確⽴した現代ゴンド・アートの表現を拡張し続けている。
1998年パリ装飾美術館でのグループ展参加を⽪切りに、ロンドン、ベルリン、ミラノ、オランダなど世界各国の美術館やギャラリーで個展が開催されている。代表作に、南インドの出版社タラブックスと制作した『The Night Life of Trees』(ドゥルガー・バーイー、ラーム・シン・ウルヴェーティとの共著。邦訳:『夜の⽊』⻘⽊恵都訳、タムラ堂、2012年)、『Creation』(邦訳:『世界のはじまり』ギーター・ヴォルフ文、⻘⽊恵都訳、タムラ堂、2015年)、『The London Jungle Book』(邦訳:『ロンドン・ジャングルブック』ギーター・ヴォルフ、シリシュ・ラオ文、スラニー京⼦訳、三輪舎、2019年)など。2018年には⽇本の国⺠栄誉賞に相当するパドマ・シュリ賞をゴンド・アーティストとして初めて受賞し、モディ⾸相から表彰された。
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