ZIAI、東京都教育庁と不登校・ひきこもり対策を目的に、生成AIを活用した子どもの悩みを早期発見・解決するモデル実証を始動。
東京都の「スタートアップによる事業提案制度」採択プロジェクト。東京都立桐ヶ丘高等学校の生徒限定で最新AIシステムを開放。
◾️背景
令和4年における日本のいじめ認知件数は過去最多68万1948件。不登校は10年連続増加、児童虐待は32年連続で増加しております。また、ひきこもりは全世代で146万人にのぼり、その3人に1人が、小中学校時代に不登校やひきこもりを経験していると言われております(「社会的ひきこもり」に関する相談・援助状況実態調査報告 / 厚生労働省)。つまり、子どもが抱える悩みを早期発見し、有事を予防することは教育現場だけにとどまらず、世代を超えた大きな社会的インパクトに繋がります。また、学校現場における人手不足・働き方改革も考慮し、教員やスクールカウンセラーの業務量を増やさずに、これを達成できる新たな手法の開発が急務です。
*「社会的ひきこもり」に関する相談・援助状況実態調査報告:https://www.mhlw.go.jp/topics/2003/07/tp0728-1f.html
◾️モデル実証の概要
傾聴AIアルゴリズムを活用した「悩みチャット相談システム」を学校内生徒に開放します。悩みを吐露することによるストレス緩和に加え、必要があれば現場の教員やスクールカウンセラーに繋ぐことで課題を早期発見することを目的としております。加えて、それら悩みデータを学校にフィードバックすることで、さらに魅力的な学校づくりや学校全体のフォロー力向上を狙います。
実施期間:2024年2月20日〜3月31日
対象:東京都立桐ヶ丘高等学校 全生徒
◾️コメント
東京都教育庁 総務部教育政策課 課長 小川 謙二
加速度的に変化する現代社会では、学校や地域、家庭において、様々に生きづらさや困難さを抱えた子供たちが多く存在しています(当然、多くの大人も感じている問題です。)。こうした子供たちに、官民が協力して先端技術を活用しながら、いつでも、どこでも、安心して相談できる環境を作っていくことはとても重要だと感じています。どんな背景があっても、どんな環境に生きていても、子供たちに寄り添い、大人になっても寄り添える環境、そういったいわゆる共生社会を実現させていくためにも、今回のモデル的な取組から、子供たちの生きづらさや困難さを少しでも解決できればと考えています。
株式会社ZIAI 代表取締役 櫻井 昌佳
これまで自治体の福祉相談窓口を生成AIによりDXする取り組みを通じて、月間数千名から寄せられるチャット相談に対応してきました。そこでわかったのは、約7割が中学生と高校生であり、彼らは誰にも話せない悩みを抱えているという事実でした。チャット相談により一時的なストレス緩和に役立てるだけでなく、現場の教員や養護教員、スクールカウンセラーとも連携しながら子どもの伴走支援まで実現する、さらに一歩先のモデル構築を実現することが本取り組みの目的です。東京都教育庁や桐ヶ丘高等学校の皆様にご協力いただきながら、全関係者にとって有益な仕組みの構築に向けてモデル実証を進めてまいります。
東京都立桐ヶ丘高等高校について
東京都教育委員会は、多様なタイプの都立学校を開設しており、その一つにチャレンジスクールがあります。チャレンジスクールである都立桐ヶ丘高校は、これまで小・中学校で不登校の経験があったり、高校で中途退学を経験したりして、能力や適性を十分に生かしきれなかった生徒が、自分の目標を見付け、それに向かってチャレンジする定時制(昼夜間三部制)・単位制・総合学科の高校です。少人数できめ細やかな指導が行われ、体験的な学習を通して社会生活のマナーを学び、コミュニケーション能力や社会性を身に付けることができます。総合学科の特色を生かし、福祉教養、アートデザイン、情報ビジネスの3系列を設定し、一人一人の学ぶ意欲や熱意を引き出します。スクールカウンセラーやユースソーシャルワーカー、さらに外部機関と連携した教育相談体制が充実しており、「今から、ここから」のキャッチフレーズの下、生徒の「夢・挑戦・感動」を応援しています。
株式会社ZIAIについて
“カウンセリングの再発明”を掲げるヘルスケアAIスタートアップ。自殺対策を目的にしたAI研究開発を行う非営利団体として設立されたのが起源。最大の強みは、最先端の自然言語処理技術と蓄積された悩み相談データにより開発する”傾聴AIアルゴリズム”。これまでにない傾聴体験を提供することで人々の心を支え、誰もが『まずは自分自身を愛せる社会』を目指している。
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