インド人水泳コーチ200人参加!チェンナイにて水泳指導者を対象に日本の老舗スイミングスクールが水難訓練を開催。
水害が盛んな島国・日本だからこそ蓄積された知識がある。2/3が泳げないインドにて水難訓練を実施し、インド水泳界の未来を担う指導者たち200名が参加。これまでに無い規模での訓練開催となりました。
「泳げない国」インドの水泳コーチを対象に岡崎市の老舗スイミングスクールが水難訓練を実施
水害大国ニッポンだからこそ提供できる独自の水難訓練のノウハウやカリキュラムで、人口の2/3が泳げないインドにて「命を守る訓練」を実施しました。
株式会社岡崎竜城スイミングクラブの子会社である、一般社団法人パワーストロークは、10月1日(日)午前10時より、チェンナイ市アクアティック・コンプレックスのダイビングプールにて、タミル・ナードゥ州水泳協会登録コーチを対象に水難訓練を実施しました。当初参加者は50名を予定していたところ、当日は指導者198名が集まり、インド及びタミル・ナードゥ州において水難に関する関心の高さを表す数字となりました。本イベントは、在チェンナイ日本国総領事館、そしてタミル・ナードゥ州スポーツ庁(Sports Development Authority of Tamil Nadu)の後援のもと行われ、当日は在チェンナイ総領事 夛賀政幸閣下にもご参加いただきました。チェンナイは10月中旬から雨季に入り水害が増加することが予測されますが、その前に水難訓練の実施を叶えることができました。
在チェンナイ総領事 夛賀政幸閣下
「浮いて待て」や「エレメンタリーバックストローク(通称イカ泳ぎ)」を練習する様子
開催した施設、アクアティック・コンプレックスの館長であるThiru S. Aruna氏は、「水泳の大会や合宿以外で、これだけの数の指導者が集まる機会は殆どありません。各々がライフガードの免許を取得したり、各プールでの安全教室などは開催していますが、この規模での水難訓練はこれまでありませんでした。タミル・ナードゥ州として、州の水泳指導者に対して水難訓練を実施できたことは、大きな財産になるでしょう」とコメントしました。
水難訓練をオブザーブするThiru S. Aruna氏
参加者のうち最年少は2006年生まれの17歳、最年長は1973年生まれの50歳と、幅広い年齢層の指導者の方々がご参加くださいました。参加者198名のうち、13名が女性でした。
参加した指導者たちからは「とても楽しかった」「改めて水難に関する知識を得られてよかった」「生徒たちに対して、普段の練習メニューに組み込める水難のドリルを知れて勉強になった」など、非常にポジティブなフィードバックをいただきました。
参加者にはパワーストロークから参加証が配られました。
講習終了後にはタミル・ナードゥ州スポーツ庁よりカレーが振る舞われました。
【一般社団法人 パワーストロークについて】(所在地:愛知県岡崎市/理事長:大森久美)
一般社団法人 パワーストロークは、50年以上の歴史を持つ、愛知県岡崎市に所在する岡崎竜城スイミングクラブを親会社として持ち、竜城スイミングがこれまで30年以上続けてきた着衣泳を含む水難訓練のカリキュラムを広めることに特化した一般社団法人です。2021年に設立して以降、地元・愛知県岡崎市の幼稚園や小学校にて、子どもを対象に水難訓練を行う他、企業向けに水難訓練を実施してきました。プールで行う着衣泳のみならず、コロナ禍、プールに足を運ぶことが難しくなったことに加え、プールがない地域や入水が困難な方に向けてプログラムの必要性を感じ、「陸でもできる水難訓練」を考案。卓上で水難時の対応を学ぶことで、入水を要せずに必要な知識を身に着けることができます。国内の活動に加え、パワーストロークはアメリカやシンガポールにも展開しており、この度インドでの活動を開始いたしました。
【なぜインドで水難訓練を行うのか】
多くの水害を経験するにも関わらず、国民の2/3が泳げないインド(Swimming Skills Around the World, OECD. 2022)にて、水難訓練を行うことは水害時に失われる命の数を一つでも減らすために必須です。特に、2004年にスマトラ島沖地震を経験し8000人近くの犠牲を経験しているチェンナイは、都市の東部にベンガル湾に面した海岸が南北100km近く続いており、サイクロンや大雨による洪水などを含む莫大な被害が多発しています。しかしながら、水難に対する目立った対策はこれまで取られておらず、このままでは次に水害が起きた際に、また多くの命が失われることが想定されます。
WHOの発表によると、インドでは毎年5万人近くが溺死しており、そのうち3割は15歳以下の子どもが被害に遭っています(WHO 2021, Regional Status Report)。人口比で見てみても、これは日本の3倍の数字です。インド政府が毎年発表する国民の死因調査によると、事故死のうち9.1%が溺死によるもので、事故死因の中で三番目に多いことがわかっています。しかし国内での溺死に対する意識は低く、これまで十分な調査はおろか、水害時のプロトコールも存在していません(Veetil, et.al, 2017)。
急激な経済成長を遂げているインドでは、中流階級の増加により、「予防」への関心が高まっています。日本で積み上げられてきた経験値をインドの皆さんと共有することは、これからも人口が増え続け、さらに地球温暖化により水難の増加が予定されている今、とても大きな意味を持つと確信しています。
パワーストロークでは今後も国内外で水難訓練が当たり前に行われる社会に向けて様々な取り組みを進めていく予定です。
イベント概要
・名称:TNSAA登録コーチに向けた水難訓練
・主催:一般社団法人 パワーストローク
・共催:タミル・ナードゥ州水泳協会(Tamil Nadu State Aquatic Association)
・後援:在チェンナイ日本総領事館
タミル・ナードゥ州スポーツ庁(Sports Development Authority of Tamil Nadu, SDAT)
・実施日/時間:2023年10月1日(日)10:00 - 13:00
・開催場所:チェンナイ市 アクアティック・コンプレックス内 ダイビングプール
SDAT, Velachery Rd, Chennai, Tamil Nadu 600032, India
・指導者 :・大森玲弥
《略歴》
・一般社団法人 パワーストローク 理事
・株式会社 岡崎竜城スイミングクラブ 社員
・対象者 :TNSAA登録コーチ
・参加者数:198人
※当日パワーストロークが撮影した画像・映像は共有可能です。
法人概要
・名称:一般社団法人 パワーストローク
・目的:水難事故ゼロに向けて、水難訓練の実施、水難訓練士などのプロフェッショナルの育成
・設立:2021年5月
・理事長:大森久美
・所在地:愛知県岡崎市日名南町19-14
・電話番号/FAX番号:0564-24-7778 / 0564-24-7731
・公式サイトURL:https://powerstroke.or.jp/
・グループ公式サイトURL:https://tatsuki-group.com/
・事業内容:水難訓練(着衣泳・陸でもできる水難訓練)、水難訓練士・着衣泳訓練士認定
お問い合わせ先
一般社団法人 パワーストローク
〔担当者〕 理事 大森 玲弥
〔TEL〕0564-24-7778
〔FAX〕0564-24-7731
〔E-mail〕info@tatsuki-sc.jp
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