N-SIDEの電力マッチング・アルゴリズムが日本で前日市場の電力価格を決定
日本電力取引所(JEPX)が複雑で成長し続ける電力市場の需要と供給の最適化にN-SIDEのソリューションを採用。
独自の電力マッチング・アルゴリズムの日本での使用開始に向けて、N-SIDEはJEPXと共同で大規模な検証を行い、高度な数理モデルを活用した日々の市場取引における精度および信頼性について追求してまいりました。多数の市場参加者にも対応可能なソリューションによって複雑な入札タイプを導入しやすくなり、ブラインド・シングルプライス・オークション方式による需要と供給の最適化を実現しました。
進化し続ける厳しい市場をサポート
ヨーロッパ26カ国の電力取引所および市場参加者によって、電力と容量の取引に使用されているN-SIDEがサポートするアルゴリズムであるEuphemia(ユーフィミア)は、稼働開始から10周年を迎えました。2021年には成長し続ける欧州の厳しい市場をサポートし続けた経験を元に、インドの主要な電力取引所であるIEXと提携し、前日市場における日々の電力価格と取引量を決定しています。複雑で拡大していく日本の市場もこれらの経験を活かして支えていきます。
日本ではより多くの再生可能エネルギーを送電網に統合しながら、再生可能エネルギーの割合を2019年の18%から2030年までに36~38%までに引き上げることを目標としている中、系統混雑や発電抑制といった課題がすでに話題となっています。N-SIDEのアルゴリズムの拡張性は日本での再生可能エネルギーの普及に伴う複雑性を管理する鍵になると考えています。
更に日本では2016年の電力市場の全面自由化以降、卸売市場または「前日市場」が大きく成長しています。N-SIDEとJEPXの提携は、このような市場の成長をさらに加速させるべく、イノベーションに焦点を当て、市場参加者に対する柔軟性を高めながら、送電網の物理的制約に対応していくことを目指しています。そのために、最先端のソリューションとして世界的に認められているN-SIDEのアルゴリズムを活用し、日本特有の市場条件や規制に合わせて慎重に調整を行いました。
日本での長期的な拠点を設立
ベルギー(ルーヴァン=ラ=ヌーヴ)の本社とボストンにあるアメリカ・オフィスに続き、東京に初めてのオフィスを開設しました。これにより最先端の専門的知識を活用しながら、JEPXをはじめ、日本の顧客へのサポートを現地時間で実施することが可能になりました。東京オフィスでは、日本国内の電力業界の事情に精通した専門家らによって、より充実したソリューション導入のサポートを行っていく所存です。N-SIDEは今後、アジア太平洋(APAC)地域でエネルギーおよびライフサイエンスの事業をさらに拡大してまいります。
またN-SIDEは、JEPXとの現在の提携以外にも日本で多くの可能性を見出しています。国際的な独自の専門知識を活かして、市場参加者のために効率的で有意義な電力市場を設計し、前日市場以外でも取引の技術的な実現をサポートしていくことを目指しています。今後は日本の送配電事業者による電力系統に関連するシステム開発、計画、運用もサポートしていきたいと考えています。
N-SIDE CEOのフィリップ・シュヴァリエ:「Euphemiaが稼動してから10年後にN-SIDEの電力マッチング・アルゴリズムが日本市場への導入されることは当社にとって一つの重要なマイルストーンとなります。そしてこれからも日本の成長していく電力市場にJEPXと共に長期的な好影響を与えていくことを確信し、当社の専門知識を活かして日本の電力業界関係者をサポートしていきたいとの志を持っています。ヨーロッパではAIと最適化技術がこれからの電力系統の管理に不可欠になってきており、日本では更に早く進化していく可能性があります。」
JEPX国松亮一:「日本のエネルギー市場の急速な成長を支えるためには、世界トップクラスのソリューションを採用、そして統合する必要がありました。N-SIDEの高度な電力マッチング・アルゴリズムと業界に関する専門的知識を活用しながら、ダイナミックで効率的な電力市場を開発していきます。当取引所のニーズを満たすまでに徹底的に検証されこのソリューションによって、より持続可能な電力の普及を実現する取引システムを市場参加者に提供する準備が整いました。」
お問い合わせ先(日本語可):
ルイ・ユウ
N-SIDE電力関連の営業担当
ryu@n-side.com
電話番号: 03-6807-5947
すべての画像