トムトム、2023年の世界の交通状況をまとめたトムトム・トラフィック・インデックス最新版を発表
2023年世界で最も運転に時間がかかった都市は英国・ロンドン、日本の調査対象都市では前年に引き続き札幌がランクイン
ラッシュアワー時に最も渋滞する都市はアイルランド・ダブリン、ドライバーが渋滞に費やす時間は年間150時間
2021年以降、世界の都市の60%で燃料費が15%以上増加し、さらに渋滞による燃料消費量の増加も顕著に ‐ 東京では渋滞により30%以上余分に燃料費が発生
トムトム・トラフィック・インデックスのサイト にてフルレポート公開中 https://www.tomtom.com/traffic-index/
ロケーションテクノロジーの専門企業であるTomTom(本社:オランダ・アムステルダム、TOM2、以下トムトム)は本日、世界の交通状況の調査結果をまとめた年次レポート「トムトム・トラフィック・インデックス」2024年公開版(調査対象期間:2023年1月1日~2023年12月31日、調査対象:世界55カ国387都市)を発表しました。
トムトム・トラフィック・インデックスは、6億台以上のカーナビゲーションシステムとスマートフォンから収集される交通データに基づき分析されています。トムトムは各都市について、2023年にネットワーク全体で走行した数百万キロメートルの距離から、1キロメートルあたりの平均所要時間を算出しています。これにより、2023年における10キロメートルの移動にかかる平均時間を推定することができるため、各都市を相互に比較し、前年比の傾向を評価することができます。トムトム・トラフィック・インデックスは、最適な移動時間(渋滞がない状態)を推定し、1日の異なる時間帯や曜日において、交通状況によりこれらの移動時間が平均でどの程度増加するかを示します。
2023年の傾向
2023年は調査対象の387都市のうち、228都市で平均速度が低下し、10kmの走行にかかる平均所要時間が最も長かった都市は英国・ロンドン(37分20秒)、次いでアイルランド・ダブリン(29分30秒)、カナダ・トロントでした(29分00秒)。日本の調査対象都市では、前年に引き続き札幌が最も時間がかかり(26分30秒)、387都市中14位でした。
日本の調査対象都市で、一年間のうち最も道路が混雑していた日は、東京、大阪、札幌がいずれも12月23日(土)、名古屋が12月24日(日)と12月下旬の週末に集中しました。一方で、神戸では18年ぶりの積雪を記録した日の翌日である1月25日(水)が最も混雑し、当日の10kmの走行にかかる平均所要時間は27分30秒でした。
図1: 10kmの走行にかかる平均所要時間(単位:分・秒) (上位5都市と日本の調査対象都市)
渋滞が運転コストにあたえる影響
ガソリン代の高騰と運転所要時間の増加にともなう燃料消費量の増加は、日常的に自動車を使用するドライバーの家計に明らかな影響を与えています。トムトムが燃料価格を集計している351都市のうち60%以上で、2021年から2023年の間に燃料費の平均コストが15%以上増加しました。この燃料消費量の増加は当然ながら、自動車1台当たりの平均CO2排出量にも直接影響を与えます。
ガソリン価格が特に高い香港では、一般的なガソリン車で毎日往復20kmの距離を走行した場合、ほぼ1,000ドルのコストがかかりました。フランス・パリでは、交通渋滞が日々ドライバーに金銭的影響を及ぼしており、2023年には299ドル余分にコストが生じました。
日本では、東京での走行には456ドルのコストがかかり、交通渋滞により生じたコストは100ドルでした。日本の都市での運転コストは、ランキング上位国の半分またはそれ以下であるものの、渋滞のない最適な条件下での走行と比較したとき、2023年の東京のドライバーは燃料費の30%近くを余分に負担していたことを意味します。
図2: ラッシュアワー時に毎日片道10km(往復20km)を走行した場合の運転にかかる平均コスト(単位:USドル)(上位5都市と日本の調査対象都市)
渋滞による時間的損失
ドライバーがラッシュアワー時の渋滞で最も時間を損失していた都市は、アイルランド・ダブリンで、朝夕のラッシュアワーに1日2回、片道10kmの距離を平均1時間17分かけて走行していました。このうち、40分以上が交通渋滞の影響により生じているもので、これは年間でみると158時間もの時間を損失している(交通渋滞に時間を余分に費やす)ことになります。日本では、東京と札幌のドライバーが、それぞれ日々のラッシュアワーで20分近くの時間を渋滞により損失していることが分かりました。
図3: ラッシュアワー時に毎日片道10km(往復20km)を走行した場合の交通渋滞により損失する平均時間 (上位5都市と日本の調査対象都市)
渋滞がもたらすCO2排出量
また、トムトム・トラフィック・インデックスでは、ラッシュアワーに運転した場合のCO2排出量への影響も把握することができます。東京では、毎日ラッシュアワーにガソリン車で走行する場合、年間978kgのCO2を排出しています。これは、週に1日自転車などガソリン車以外の移動手段に置き換えることで、年間196kgのCO2排出量を削減することができると言えます。
図4: ラッシュアワー時に毎日片道10km(往復20km)を走行した場合の年間平均CO2排出量(単位:kg)上位5都市と日本の調査対象都市)
世界の都市で続く交通渋滞の解消に向けて
世界人口の半数以上が都市部に居住する現在、交通渋滞と、それが経済、生体、人々の健康もたらす影響は、早急に対処すべき課題です。都市の未来を計画することは、継続的な交通管理に不可欠です。大都市では、交通渋滞を緩和するインフラ開発にビッグデータを活用しています。過去の交通データを分析することで、成長する都市はより効率的な道路システムをマッピングし、ロケーションインテリジェンスを利用してより良いゾーニングを計画することができます。コネクテッドカーからのデータにより、大気汚染対策として低排出ゾーン(LEZ)の導入など、施策の効果的な実施が可能になります。
トムトム・トラフィック・インデックスは、交通渋滞の把握と管理に役立ち、渋滞が都市の交通インフラや経済に与える影響についてのインサイトを提供する、都市計画担当者、政策立案者、ドライバーのための包括的なツールです。リアルタイムの交通データは、道路の物流やルートを最適化することによって交通渋滞を管理する自治体が使用するアルゴリズムに供給することができます。マッキンゼー・アンド・カンパニー ( https://www.mckinsey.com/capabilities/operations/our-insights/smart-cities-digital-solutions-for-a-more-livable-future ) の調査によると、これにより都市の移動時間を15~20%短縮できることが分かりました。データは、インテリジェントな信号機の同期化、速度制限の変更、ドライバーに最短ルートを示すリアルタイムアラートなどを通じて、交通渋滞の防止に利用できます。
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トムトム・トラフィック・インデックスとは
都市部のモビリティは、気候変動、健康、経済発展などの問題に大きく寄与しており、トムトム・トラフィック・インデックスは、世界中のモビリティパターンのバロメーターとなっています。6億台にもおよぶ接続デバイスから収集されるトムトムの交通データは、人の動き、経済活動レベル、世界貿易の水準などの判断をする信頼性の高い指標となっています。新型コロナウイルスの世界的な感性拡大以来、トムトムの交通にまつわる知見は、アナリスト、民間企業およびマスメディアにより、今日の流動的な世界情勢を理解するために活用されてきました。
オンラインで公開されているトムトム・トラフィック・インデックスでは、2023年の世界各都市における道路交通状況の変化を閲覧することができます。また、最も混雑する日や時間帯を確認し、移動に最適な時間帯を確認することもできます。
トムトム・トラフィック・インデックスで使用されるデータについて
トムトムは、カーナビゲーション(現在ヨーロッパで販売されている乗用車のインダッシュ接続型ナビゲーションシステムの10台中7台がTomTom Trafficを搭載)、スマートフォン、パーソナルナビゲーション機器、テレマティクスシステムなど、6億台以上のデバイスから交通流データを取得しています。トムトムは毎日、これらのソースから世界中で610億以上の匿名のGPSデータポイントを収集し、総走行距離35億キロメートルをカバーしています。このリアルタイムデータはアーカイブされ、すぐに履歴データとしてアクセスできます。トムトムはこの履歴データに基づいて、1日の各時間帯や曜日ごとの速度プロファイル、さらには交通パターンを評価することができます。トムトムの交通データには、過去10年間で580億時間の運転時間が蓄積されています。
トムトム・トラフィック・インデックス2024年版 調査手法について
2024年公開版のトムトム・トラフィック・インデックスでは、一般的なEV車、ガソリン車、ディーゼル車について、1km走行あたりの走行時間、コスト、CO2排出量を評価し、都市内の10kmの移動にどれくらい時間がかかるかをシミュレーションしています。また、都市(urban ultra-center:超都心を中心に半径5km以内)と、都市とその近郊地域を含む都市圏(metropolitan area:人口の集積度により範囲は異なる)の2つのゾーンを分析しました。
運転にかかるコスト
トムトムでは、運転コストを1kmあたりの運転時間、燃料、CO2使用量と定義しています。運転コストは、最適な交通条件での数値と、運転時間が余分にかかることを考慮した際の平均的な数値との差です。トムトムは、世界中の何千ものスタンドの燃料価格をリアルタイムで収集しています。トムトムのデータは、2023年までの国別平均日額に基づいて燃料コストを評価しています。
排出ガスの算出方法
運転による排出ガス量は、車両のエネルギー消費量に比例します。これらの消費モデルを上げるために、トムトムはグラーツ工科大学(TU Graz)が開発したPHEM(Passenger car and Heavy-duty Emission Model)シミュレーションツールを使用しました。本ツールは、トムトムのデータから、さまざまな道路プロファイルで観測された運転操作(加減速、発進)を行うために必要なエネルギーを計算し、車両効率、車両とエネルギーの種類(ガソリン、ディーゼル、電気)、速度に基づき、実際に生じる排出量を推定します。
トムトムについて:
トムトム(TomTom)は、数十億のデータポイント、数百万のソース、何百ものコミュニティ 、これらすべてを統合し、世界で最もスマートな地図を構築するマップメーカーです。トムトムは、ドライバー、自動車メーカー、企業、開発者に位置情報と技術を提供しています。トムトムのアプリケーション対応の地図、ルーティング、リアルタイムトラフィック、API、SDKは、人々がモビリティの未来を形作ることを可能にします。
アムステルダムに本社を置き、世界中に4,000人の従業員を擁するトムトム は、30 年以上にわたり、人々が世界で自分の道を見つけることを支援してきました。
トムトムの詳細については、www.tomtom.com をご覧ください。
報道関係お問い合わせ先:
トムトム広報代理店(フライシュマン・ヒラード・ジャパン株式会社内)
担当: 大庭、築山
Tel: 090-7721-6319
E-mail: fh.tokyo.tomtom@fleishman.com
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